東京の街レポート|第14回 高齢化が下がった都心3区の裏側

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東京の街コラム|第14回 高齢化が下がった都心3区の裏側

世界の中でも群を抜くスピードで高齢化が進む日本。その実態とは

スピード高齢化

日本は、世界の中でどれほど高齢化が進んでいるのでしょうか。
また高齢化が進むことは、私達の生活にどのような影響を与えるのでしょうか。

WHO(世界保健機構)や国連の定義では、高齢化の進展度は、全人口に対する65歳以上の人の割合により3段階に分けられています。

7%を超えると「高齢化社会」
14%を超えると「高齢社会」
21%を超えると「超高齢社会」

日本は1970年に「高齢化社会」となって以来、24年後の1994年には「高齢社会」、11年後の2007年には21%を超えて「超高齢社会」になりました。この日本の高齢化状況は、他の先進国には見られないスピードです。

日本では、1990年から2010年までの20年間で高齢化率が12.1%から23.0%へと約11ポイント上昇しましたが、これだけの高齢化が進むのにイタリアでは50年、ドイツでは60年かかっています。先進国の中でも、これほど高齢化のペースが速い国は他には見当たりません。

高齢化が進むと一番問題となるのは、国民一人一人の生活水準が低下していくことです。具体的には働く人が少なくなるため、経済全体として供給力が不足します。現在、一人当たりの生産額は増加しているとはいえ、若い世代の負担は大きくなるばかりで世代間格差が広がりつつあります。

豊かな生活を送れた世代もあれば、物資面や医療、教育などの公共サービスを満足に受けられなかった世代も出てきます。

ここでは、高齢化率が全国平均より低い東京23区、特に高齢化率が低い千代田区、中央区、港区の人の動きを紹介しながら、高齢化のスピードが緩やかな理由を紹介していきます。

「超高齢化社会」の日本。その実態は

超高齢化社会となった日本ですが、これを地域別にみていくと都心部では高齢化率が全体平均と比較して低いことがわかります。

2010年の日本全体の高齢化率は23.0%ですが、東京23区では20.2%です。国内の中では、高齢化率に差があることがわかります。

総務省統計局が発表した平成23年10月1日現在推計人口では、高齢化が進んだ地域を多い順に紹介すると、秋田県29.7%、島根県29.1%、高知県29.0%、山口県28.2%、山形県27.6%と続いています。 平均23.0%を上回る都道府県は、全部で35都道府県にもなります。

さらにエリアを絞ってみれば、北海道の夕張市は43.8%、千葉県浦安市は11.7%というように地域によってとても差があります。
東京23区内でも地域差があり、特に千代田区、中央区、港区の3区は高齢化率が下がっています。

高齢化率が下がるポイントは若い世代の人口の増加

高齢化率の下がった東京都の千代田区、中央区、港区の3区の人口変化を見てみましょう。

国勢調査のデータでは、この東京3区の人口は2005年度から2010年にかけて増加しています。全国平均ではわずか0.2%の増加ですが、東京23区総合では5.4%、千代田区12.8%、中央区24.8%、港区10.4%の増加率です。

そして、2010年度の高齢化率は全国平均=23.0%、東京23区全体=20.2%、千代田区=19.2%、中央区=15.9%、港区=17.2%、となっています。

データからは、3区は人口が大幅に増え高齢化率が下がった、つまり65歳以下の人が多く移動してきたということがわかります。そしてこの3区においては、単純に若い人が多く移り住んだというわけではなく、人の出入りが活発だという特徴もあります。

国勢調査のデータを見れば、この3区は転入・転出率も高いことがわかっています。転出率は23区内で第1位は千代田区、4位港区、7位中央区となっています。転入率は第1位中央区、2位千代田区、3位港区となっています。

人が絶えず出入りすることでエリアの新陳代謝が活発に行われており、街が活気にあふれていること、若い世代にとって魅力的なエリアだということがわかります。

地域格差が広がる日本

地域格差

このように国内の限定された地域では、高齢化が抑制されている地域もありますが、日本全体としては高齢化が進んでいることには変わりありません。

現在の状況からもわかるように、高齢化が進んだエリアとそうでないエリアとは、住みやすさに大きな差があります。

高齢化が進んだエリアは地方の過疎地域に多く、人々は長年その場所に住み、交通事情もさほど変わらないのが現実です。大きな商業施設ができることもなく、昔とほぼ変わらない生活を送っている人が多く、他の地域から新しい人が移り住むこともほとんどありません。

そして高齢化が抑制されたエリアでは、10年も経てば新しい商業施設や住宅などがどんどん建て替えられて、街の景観がガラリと変わり、常に20~30代の若者が集まってきます。
交通機関も発達し24時間営業の店が多く、眠らない街として常に活気あふれていますが、子育て環境も整っているなど、さまざまなサービスの選択肢が多くファミリー世代も不自由なく暮らせます。
区の政策としても、現役世代の方が多ければ税収も確保でき、高齢者対策より住みやすさに主眼を置いた政策も可能になってきます。

このように、日本は地域により住みやすさの格差が広がっていく傾向にあります。

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