マンション経営コラム|第13回 物件の概要資料、レントロールでチェックすべき5項目
物件購入の決め手となる概要資料やレントロールの見方

物件選びをするために活用する「概要資料」や「レントロール」には、その物件の所在地から利回り、部屋ごとの家賃や共益費に至るまでさまざまなデータが掲載されています。これらのデータを上手く活用すれば、候補の物件を絞り込むのに大変役立ちます。
2つの資料を活用して、物件の収入と支出に記載されている内容について細かく調べます。
記載されていないものなどを加えて利回りを計算し、自分の収支計画に合う物件かどうかを検討してください。
最初に所在地、価格、利回り、築年数、構造の5つを確認して、見込みがありそうな物件をピックアップし、次に5つの項目以外のデータをチェックしてさらに細かく物件の収益性をチェックしていきます。
絞込みのコツは、リスクが起こっても赤字になるかならないかという観点で資料を読み進めていきます。
どちらかと言えば、「収益が減る要因になりうるものがないか」というネガティブな視点で、細かくチェックしていきます。
概要資料では、収入額と支出額の内訳を調べます。
資料によっては、共益部分と居住者の光熱費が収入や支出に含まれていることがあり、この場合、利回りが資料に記載されている数字よりも低くなることがあります。
実際に経営を始めれば、利回りが記載された数字よりも下がらないかどうかを詳しく調べます。
レントロールは、より詳細に収益について記載されているものなので、不自然な数字がないかどうかを確認してください。
概要資料の見方
物件概要資料で見るべき項目は、所在地、価格、利回り、築年数、構造の5つです。
これらの項目から、最初に物件の収益性を判断し、次に所在地と構造、築年数をみて、投資に適した物件かどうかを徐々に絞り込んで下さい。
一般的に、会社員の不動産投資家なら、年収の10倍ぐらいが不動産ローンの借入額の目安とされています。
自己資金を差し引いた残額をローンでまかないますが、家賃収入から物件維持費用を引いて黒字になる物件を探します。
この時、物件の構造や築年数により、ローンを組める期間や金額も変わることに注意して下さい。
これらの2つの項目は、物件を購入した時だけでなく、購入後の減価償却費や固定資産税といった長期に渡る経費処理においても、キャッシュフローに影響を与えます。
次に物件の所在地ですが、駅近ならある程度の需要が見込めます。
駅から遠くても、大学や病院が近くにある場合は、入居需要が見込めることもあるので、周辺の環境調査を十分に行います。
利回りは、「現状利回り」と「予想利回り」の差が無ければ、満室であることを意味しています。
予想利回りは、家賃の値下げがあれば下がることに注意します。
レントロールの見方

レントロールとは、貸借条件一覧表ともよばれています。
ビルやマンション、アパート一棟買いの場合なら、1枚の用紙に部屋ごとの契約賃料や共益費、預かり敷金の金額や契約年月日、賃借人の名前といった個人情報に至るまで記載されています。
この表では、家賃のバラつきが大きくないか、極端な家賃差がないかなどをチェックした後、支出額が適正かどうかを確認します。
共用部分の光熱費や清掃費用、エレベーターメンテナンス費用、管理会社費用、募集費用、リフォーム費用、固定資産税や都市計画税などの内容が記載されていますが、表示がないこともあります。目安として、満室時家賃の20%をローン返済以外の支出として考えておきます。
記載にないものの中には、外部駐車場料金、ケーブルテレビやインターネット加入料、貯水槽清掃代金などがあります。
支出面は、不動産会社経由で売主に確認すれば正確なデータがわかりますが、家賃収入が正しいかどうかは、オーナー様が賃貸不動産会社へ直接確認しなければなりません。
このような手順で概要資料やレントロール資料の内容をチェックすれば、物件購入後の収支予測を立てることができます。
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