マンション経営.東京がお伝えするコラム|第18回 アパート経営は供給過多の状態。入居者の確保に課題

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マンション経営コラム|第18回 アパート経営は供給過多の状態。入居者の確保に課題

入居者の確保に課題

アパート経営を行っているオーナー様からよくご相談されるのは、空室対策とリフォームについてです。また、アパート経営のCMでよく見かける30年に渡る長期の家賃保証契約(=サブリース)についてもトラブルが頻発しているようです。件数でいうと国民生活センターが特集を組むレベルで発生しています。今回はアパート経営のリスクについて詳しくご紹介していきます。

相続税対策でアパートの建築が増加して空室が埋まらなくなっている

郊外や地方は、ただでさえ賃貸の需要に不安があるのですが、さらに追い打ちをかけるように次々と新しいアパートが建っています。土地を所有している地主は、もうすでに自宅を持っているので、土地を何かに転用することを考えているからです。

もし、本気でアパート購入を考えているのであれば、一度、具体的な物件情報を紹介してもらい、紹介されたアパートの周辺をくまなく歩いて見てみましょう。すると、アパートの周辺には空き地や駐車場、農地、使われていない倉庫や工場といった土地がたくさんあることに気がつくのではないでしょうか。ほとんどのアパートは、人口が減少しつつある郊外や地方に建っています。こうした土地が賃貸経営に向いていると思わないはずです。

そして、供給が過剰になり、空室が増えていきます。空室が増えたアパートに入居者を集めるため、家賃の値下げ競争が始まります。

もし、借り入れして投資したアパートが、もともと土地代がタダの農家や地主と家賃競争しても勝てるはずがありません。空室が増えて、とうとうローンが返済できなくなり、さらに修繕費用も出すことができなくて自己破産寸前というアパートオーナーが増えています。

サブリース(=長期の家賃保証契約)を過信してはいけない

サブリースの意味は「又貸し」「転貸」です。特に不動産賃貸において、転貸を目的とした「一括借上」のことを指します。アパート経営にはサブリース(=長期の家賃保証契約)がセットになっている場合が多くなっています。

アパートが新築の間は当然家賃が高くつくので、購入時に提案されたプラン通りにアパート経営をすることが可能なのですが、いつまでも同じ家賃が続くわけではありません。通常サブリース契約には2年毎に家賃の見直しというシステムがあり、この2年毎の見直しの度に家賃が下がることで、当初の収益が得られないということが問題になっています。

そして、サブリースを巡るトラブルのほとんどは、「家賃収入が減額されるリスクについて十分な説明を受けていない」ということが大きいようです。マンションや戸建てなど不動産を売買する場合は、法律によって重要事項説明が不動産会社に義務づけられているのですが、サブリースの場合は、一括借上という貸し借りの契約になるため、この法律の対象外となります。

そのため、売買の時に行われるさまざまなリスクについて口頭と書面で行われる説明が、サブリースの場合は義務づけられていないのです。

アパートは10年で古びるのでリフォーム費用が重荷になる

アパートは老朽化が早く、10年経つと以前の面影がなくなっていきます。外観がかなり古びてしまうのですが、引っ越しを考えているような人はそんな古いアパートをまず選びません。外観が悪ければ、部屋の中も見ませんので、やがて空室が増えていきます。

このように借り手に敬遠されないためには、常にアパートをキレイに見せなければならないのでリフォームは欠かせないのです。このリフォームの費用が経営の重荷になっていきます。また、アパートは10年、20年経つと屋根材や壁材の塗装もしくは張替えが必要になります。

修繕コストは1回に数十万円単位、下手をすれば数百万円単位での負担になります。さらに、部屋ごとのエアコンと給湯機の補修も必要になってきますので、あらかじめ予想される修繕費について、計画的な積み立てが必要不可欠です。しかし、空室が2室3室と増えてくると、積み立てどころではなくなりますし、ローンの返済が重なればかなりの負担になっていきます。

一方、積み立てをやめてしまうと老朽化が進むので、建物の寿命を縮めることになるのです。

騒音トラブルや火災・災害が起こった場合の問題点

木造アパートは上下階間や近隣等への騒音問題も起きやすく、住民間のトラブルに発展することもあります。「音がうるさくて腹が立った」という騒音トラブルで、兵庫県尼崎市と東京の江戸川区において相次いで殺人事件が起こったことは記憶に新しいのではないでしょうか。

騒音の原因が部屋や廊下で仲間と騒いだり、テレビの音量が明らかに大きかったり、騒音を出した入居者がそれを認識していれば、解決はそれほど難しいものではありませんが、騒音とはいえないまでも、隣室の生活音を不快に感じられる場合がやっかいなのです。

話し合いがまとまらず、騒音がきっかけで退去していく入居者もいます。騒音は入居者にとってそれだけ大きな問題なのです。騒音トラブルを解決して、入居者の住環境をしっかり守ることは、アパートでは難しいものです。

また、アパートで火災が起きた場合、1室の火災から全焼ということもありえます。いくら火災保険に加入していたとしても、保険金だけで建て直すことができるかどうかはわかりません。それに、復旧期間中の家賃収入は途絶えてしまいます。

ほかにも、大きな地震が起きた場合も深刻な問題を抱えます。阪神・淡路大震災では、建物が倒壊して入居者が亡くなった場合に、家主がその責任を問われるケースがありました。 建物の安全性を確保していなかったとして、オーナーが遺族に損害賠償を支払ったのです。

その後も、東日本大震災以降は地震による建物倒壊や火災に強い鉄骨コンクリート造のマンションを法人社宅の条件とする企業が増えているのです。

中古アパートを建て替える場合のリスク

アパートを購入後に建て替えようとした場合、入居者の立ち退きに対して時間とコストがかかります。

例えば、築30年が経過したアパートに6世帯の入居者が住んでいるとします。
全世帯が立ち退きに同意してくれれば問題ありませんが、なかには、高齢などを理由に次の転居先がなかなか見つからないケースもあります。

たった一人が居座るだけで、全員が立ち退くまでに何年もかかっているケースは、全国にたくさんあります。そうなると、ある程度の立ち退き料を支払う可能性も高くなります。

もし、立て替えを前提に購入を考えているなら、最初から更地を買った方がいいでしょう。それでも古いアパートを購入する場合は、世帯全員に対して、次回の更新契約はしない旨の同意を取り付けていないと大きなリスクを抱えることになるのです。

マンションに比べて利回りが高めでもアパート特有のリスクがある

アパートのデベロッパーは、利回りを向上させるために建築費用を抑えて分譲したいと考えています。しかし、建築費用を抑えることで、先々余計な躯体のメンテナンスが必要となったり、床の防音費用を抑えたために騒音トラブルが起こったりすることが多くあるのが現実です。

そういった騒音トラブルや防犯機能の稚拙さ、構造による耐震性の不安を避けるために、アパートを敬遠する入居者が多いことも見逃せません。

また、アパートは人気のない1階を所有する必要があり、防音や耐久性に問題があるという特有のリスクも抱えます。

今後も相続対策で物件が乱立すれば、賃料を下げざるを得なくなるため、必要な設備投資をする資金すらも捻出できない場合がでてくると考えられます。

以前のようにボロアパートを購入し、リフォーム後に家賃を上げて売却するといったような手法も入居者があってのことなので、以前のようにうまくいくとも限りません。

今後のアパート経営は、入居者をいかに確保していくか、それにかかっています。そういった競争に勝つのは家賃を下げられることのできる資金力のある方で、それができない方は参入しない方が賢明だと思います。

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