第9回 再投資でキャッシュフローをプラスに!
マンション経営を始めとした不動産投資の目的は、家賃収入を得ることです。
マンション経営で成功するオーナー様は、物件購入後の運用でにいかにキャッシュフローを増やすかを考え、それを実行に移します。
一方で、失敗してしまうオーナー様は、キャッシュフローを増やすことを考えず、賃料が下がっても「仕方ない」で済ませてしまう傾向があります。
そして、賢いオーナー様は、支払う金利を計算して、支出を抑えるために節約することを考え『繰り上げ返済』というアクションを起こします。なぜなら、金利の節約は収入の増加を意味するからです。
逆に繰り上げ返済をしないと、銀行ローンの金利でたっぷりと利益を取られてしまいます。
つまり、マンション経営を成功させるには、何らかのアクションを起こしてキャッシュフローを増やしていくことが重要なポイントとなります。
では、成功するオーナー様は購入後にキャッシュフローを増やすために何をやっているのでしょう?比較すると実はそれほど難しいことではありません。
マンション経営に失敗するオーナー様がほぼやっていない戦略。
『繰り上げ返済』と『家賃アップのための購入物件チェック』です。
本記事では、この2つのポイントについて、なぜそれが必要なのか?それを行うことでなぜキャッシュフローが増えるのか?についてご説明します。
マンション経営において繰り上げ返済が重要な理由
実は、繰り上げ返済の是非については、専門家の間でも賛否が分かれています。
あまりに繰り上げ返済を多用すると、手元に残る現金が少なくなってしまうためリスクが高いのでおすすめしないという専門家も少なくありません。ただし、これは一般的なマイホーム購入に関しての意見です。 必ずしも不動産投資において同様に考える必要はありません。
一棟物件を所有しているオーナー様も繰り上げ返済を行いません。それは、自己資金を購入時の頭金として利用するからです。買えるだけ買うという行動をとるため繰り上げ返済はしません。
しかし、給与所得が得られなくなった定年後にローン残債があると、今まで貯めた貯蓄からローンの返済をしなければなりません。定年までにローンの返済を終わらせて、ローンの返済ができなくなるというリスクを無くすことが好ましいでしょう。
話を戻しますが、マイホーム購入とマンション経営では繰り上げ返済をする理由は大きく異なります。
マイホーム購入において繰り上げ返済を行うのは、例えば夫婦が共働きでなくなった際の収入減に備えて。もしくは、少しでも早く借金をなくしたいからといったことが主な理由です。
しかしマンション経営の場合、これらの理由は当てはまりません。
マンション経営はマイホーム購入と違い、1回買ったらそれでおしまいではありません。2件、3件と不動産を購入し、家賃収入を増やしていくことが目的です。
繰り上げ返済をおすすめするのは、繰り上げ返済をすればするほどキャッシュフローが増え、銀行の融資枠が拡大するからです。融資枠が増えれば、次の一手を考えられるようになります。
繰り上げ返済を一生懸命頑張っていると、ある時点で突如としてキャッシュフローが増えてくるようになります。もちろん追加で物件を購入すると借入金が増え、リスクも拡大しますので身の丈に合ったバランスを考えることは必要です。
自分がマンション経営を通して達成したい目標がある場合、その目標を到達できると見込めるまで物件を購入して繰上げ返済を行い、キャッシュフローを増やすことが最適ですが、まずは何よりもキャッシュフローが増えるようになる状態まで一生懸命繰り上げ返済を行うことが重要です。
目安としては、年間100万円以上のキャッシュフローを目指していただくことをおすすめします。
極論をいえば、それだけでもマンション経営はほぼ成功するといっても間違いではありません。
物件を自分の目と足でチェックする重要性
マンション経営を含む不動産投資は、いわゆる株や債券の投資とは違います。継続的に利益を得るために運営していく投資であるとお考えください。収益性をあげるために、様々な改善を行うことも必要です。
株式投資の場合、ある企業の株を購入したからといって、株主総会に出席する場合などを除き、その企業に実際に訪問し内部を見学に行くといったことはされないと思います。
しかし不動産投資の場合は、必ず購入する予定の物件に行き、細かい部分までしっかり自分の目でチェックすることが重要です。
「自分が住む物件でないとはいえ、自分で購入する不動産なのだから訪問するのは当たり前だ」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし実際は、机上の写真だけで判断したら後は「不動産会社にお任せ」と考えているオーナー様がとても多いのです。
家賃アップの大きなチャンス、いわゆるキャッシュフローを増やすチャンスは、入居者が退出した時・新たに物件を購入する時に訪れます。実際に物件を見ることで改善すべきポイントが見つかることもあるでしょう。
改善により収益性をあげることこそ経営です。
この辺りが投資と経営の違いであり、立ち会うことを面倒くさがらずに行うことこそマンション経営が上手くいっているオーナー様と上手くいっていないオーナー様の差でもあります。
物件購入を判断するための5つのチェックポイント
では具体的に購入する予定の物件を訪問しチェックするべきポイントをご紹介します。
基本的には、マイホーム購入時のチェックポイントと同じです。自分が実際にその物件に住むことを想定した借り手目線でチェックすることが重要です。
その上で修繕コストであったり、どういったリフォームやリノベーションが必要なのかを確認します。
投資家の方は、利回り重視で住環境は二の次になることが多いですが、自分が住みたくない物件は、入居者も住みたがりません。
きちんと入居者目線になって考えることが大切です。
1. 立地をチェックする物件のある場所が需要のあるエリアかどうかを確認しましょう。そして、物件の向きや日当たり、湿気なども併せてチェックしておくとよいでしょう。
もし購入を検討している物件の周辺にある賃貸物件があまり埋まっていないようなら、そのエリアは需要が低い、または競合が多く入居者が付きづらい可能性がありますので、避けたほうが無難かもしれません。
また、その物件が快適に過ごせる物件かどうかも重要です。日当たりや風通しの良し悪しは、快適に生活する上で重要なポイントと言えます。
近隣に工事中もしくは工事予定の物件がある場合は、それが完成した時点での当該物件の日当たりがどうなるかもチェックしてください。
物件の向きなどによって家賃が変わる場合もありますので、慎重に選びましょう。
2. 周辺の環境をチェックする最寄駅からの所要時間はもちろん、周辺の環境を自分の目と足でチェックします。夜間に最寄駅から当該の物件に帰り着くまでの経路の明るさは、女性をターゲットにしている場合、必ずチェックする必要があります。大通りを通って帰宅できれば、人通りも多く安心です。
また、コンビニやスーパーが近くにあることは大きなプラス材料で、これらの施設は足を運んで確認したいところです。
ファミリー層をターゲットとしている場合は、公園や学校、幼稚園、保育所までの距離の他、風俗店、カラオケ、ゲームセンターなど盛り場の昼と夜の雰囲気の違い、治安状況などもチェックします。
ちなみに幼稚園や保育所が近隣にあると、高齢者や独身の若者などファミリー層以外をターゲットにしている場合は、騒音問題等で逆に避けられることもありますので注意が必要です。
また、ターゲットに関わらず一般的に嫌悪される、工場・墓地・火葬場・高圧電線などが近くにあるかどうかもチェックポイントの一つです。
3. 土地の状況をチェックする土地の状況のチェックはすぐに家賃収入に直結する訳ではありません。ただ土地の利用価値や、いずれリフォーム、建替えをする際に大きく影響してきますのでしっかりとチェックしてください。
例えば、敷地が道路に2m以上接しているかどうかは重要なチェックポイントです。もし2m以上接していない場合は将来的に建替えができません。
また、前面道路が4m以上あるかどうかもチェックが必要です。4m未満の場合、建替え時にセットバックで敷地の一部を提供しなくてはならず、現在よりも土地が狭くなってしまいます。
また接道が私道の場合、通行や掘削の際にその所有者の承諾が必要になることもありますので、私道か公道かのチェックも行ってください。
他には、隣地との境界がはっきりと表示されているか、境界線に塀やフェンスが設置されているかどうかも、後々にトラブルの元になる場合がありますのでチェックを怠らないでください。
マンションの場合は、建築時に境界線をしっかり分けていることが多いですが、アパートの場合には現地に行って確認することをおすすめします。
4. 物件の外観をチェックする物件の外観のチェックポイントは、まずは建物のひび割れ、要壁の存在などです。他にはタイルの浮沈、鉄部の錆や腐食もチェックしてください。
これによって外観部分のおおよその修繕コストが把握できます。
また外観の清潔感であったりエントランスまわりの清掃状況など、イメージも重要なチェックポイントです。散らかっていたり暗いイメージであれば、当然、入居率は下がります。
2000年以降のワンルームマンションは、管理のしやすさも建築時からしっかり考慮されています。タイル張りはもちろん、雨で汚れが落ちる自浄作用のあるハイドロテクトタイルといった特別なタイルを使い、共用部分の清掃がしやすいように建材も選ばれています。
5. 物件の内装をチェックする物件に傾きがないかどうか、風呂・キッチン・トイレなど、水まわりの汚れや錆がないかどうか、天井壁に雨漏りの跡がないかどうかなどが、主なチェックポイントになります。
また外観と同様に、壁紙の色や部屋全体の雰囲気も重要です。単なる修繕でOKなのか、壁紙変更も含めたリフォームが必要になるかでコストが大きく変わってきます。
特に水回りは、入居を決める際の大きなポイントになります。水回りのデザインが悪い場合、ダイノックシートを貼ることでイメージアップを図れます。
部屋の内部、特に水回りはしっかりチェックして頂きたいところです。
いかがでしたか?
マンション経営を行うのなら、人任せやほったらかしにせず、自分の目と足でしっかりと確認してください。それこそが、家賃をアップさせキャッシュフローを増やす秘訣となります。
最後になりますが、繰り上げ返済やリフォームをする場合、費用対効果をしっかり意識していただければと思います。ただ何となく繰り上げ返済をするのと、毎月いくら削減したということを意識するのでは、結果に大きな違いがでます。
これは、リフォームも同様で、手直ししたことにより家賃にどれだけ効果が出たのかをしっかり把握することで次の機会にノウハウとして活かすことができます。
人間は、経験したことがなければイメージがつきません。逆にしっかりと経験を次の機会に活かすことができれば、それはノウハウになります。
経験の繰返しがノウハウになりますので、そこを理解した上で行動していただければと思います。
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