マンション経営コラム|第10回 マンション経営の融資について
マンション経営は銀行から融資を受けやすいか?

マンション経営では、金融機関から融資をうけて不動産物件を購入します。
マンションの経営のために申請する融資は、その経営によりどれだけの利益が見込めるのかを分析することにより、融資が受けられるかどうかが判断されます。
しかし、投資用マンションの購入は、住宅ローンと同じように物件だけの担保で金融機関から融資を受けることができます。また、マンション経営に対して、銀行等の金融機関が融資に積極的になっているのです。
銀行が融資したい事業とは?
ノンバンクは金利が高すぎて、マンション経営が成り立たないのでおすすめできません。
しかし、マンション経営で果たして銀行がお金を貸してくるのか…とオーナー様は不安に思われるかもしれません。
金融機関はシビアなので、何千万円ものお金を融資してもらうことが難しいのは確かです。ただし、融資の目的によって金融機関の判断は異なります。
たとえば、株式の購入資金のために融資をお願いしたとしたら、銀行はどんな反応を示すでしょう? 大きく変動する株価の購入は、融資対象としていないため、銀行は融資をあっさりと断ります。株はギャンブル性が高いので、それは当然の事かもしれません。
それでは、人気飲食店のチェーン店やフランチャイズではどうでしょうか?
誰もが知る話題の飲食店であれば、銀行はすぐに融資してくれそう、というのは間違いです。
なぜなら、銀行が求めているのは有名店や美味しい味ではなく、きちんと収益を上げられるかどうか…という点です。
起業して倒産する会社、閉店するという飲食店は後を断ちません。
確実に入店する客数、確実な収益予測を裏付ける事業計画書を提出することが融資審査に通る第一の条件です。
マンション経営に対して、銀行は融資に積極的!
では、マンション経営はどうかというと、金融機関から融資を受けやすいビジネスなのです。 投資用マンションの購入は、住宅ローンと同じように物件だけの担保で金融機関から融資を受けることができます。
マンション経営の場合、月々の家賃収入がある程度見えるので、通常の事業に融資するよりも貸す側としては安心できるというメリットがあります。
家賃は景気に左右されにくく、変動幅が小さいのが特徴です。そのため、銀行等の金融機関が、実は融資に積極的なのです。
マンション経営は、会社員等、本業が忙しい人でも融資が叶う、唯一の事業だと言えます。
さらに、中古マンションの場合、融資する金額が新築マンションや、賃貸マンションなどに比べて少額であるため、「融資しやすい」という側面もあります。
また、マンションを新築する場合、住宅メーカーに建設を依頼しますが、その住宅メーカーが金融機関と提携している提携ローンをいくつか用意してくれます。
提携ローンは建設を依頼する業者と関連があり、融資が受けやすいことが多いので、それを利用するのも良いでしょう。住宅メーカーや金融機関の担当者から、融資に関するアドバイスも受けられるので、困った時は相談してみましょう。
ここで大まかにですが、金融機関ごとの特徴について少し触れてみたいと思います。
◆メガバンク・地銀・信託銀行・・・メガバンクの特徴としましては、担保主義といった点です。 評価まで頭金を入れれば、1%台の低金利で融資を受けることができます。ポイントは、頭金です。低金利で融資を受けられるのが特徴ですが、レバレッジを効かせづらいのも特徴です。数億単位のビルであれば、収益還元で評価することもあるようです。追加担保を提供することで審査がプラスに働くこともあります。
◆不動産投資に強い銀行・・・不動産投資に強い銀行は、着実に融資残高を伸ばしています。特徴は、独自の評価で頭金が少なくても融資が受けられる点です。頭金が1割程度の少額であれば、レバレッジを活用した投資も可能になってきます。そして、2%前後で35年という長期間のローンが使えることもメリットです。一方、不動産投資ローン(商品)の範疇での融資なので自由度が小さいことです。比較的新しい物件に融資を付けることも特徴です。
◆ノンバンク・・・ノンバンクは、金利が高いところが弱みですが、築古の物件や地方の物件に融資可能だったり、融資のハードルが低いところが特徴です。自己資金の補填くらいに考えるのがちょうどよいでしょう。
◆国民生活金融公庫・・・公庫の特徴は、低金利で比較的融資が出やすい点です。ただし、頭金が半分程度は必要でしょう。期間が短い点もポイントです。銀行並みに融資条件が厳しきないので、総合すると木造の築古アパートに適していると言えるでしょう。
マンション経営で銀行から融資を受ける時の注意点

マンション経営は、銀行からの融資が受けやすいことがおわかりいただけたと思います。 では、融資の際の注意点についてお話ししましょう。
融資は通りやすいのですが、頭金の割合や金利は、個人の属性によって変わってきます。公務員や一部上場の大手企業の会社員は有利で、頭金ゼロで借入できることもあります。
オーナー様が上記に該当しない場合は、ある程度の頭金を用意することは必要でしょう。また、借入しやすい銀行もありますから金融機関を限定しないことです。 また、中古マンションは融資が受けやすいと、前述で述べましたが、気をつけていただきたい点があります。
新築・中古に関わらず、マンション立地は過疎地が不利です。
また、築年数が40年でメンテナンスがきっちり行われていない建物、内装が明らかに悪い状態で、入居者が見込めないときなどは、融資を断られることがあります。
中古物件でも、メンテナンスがきちんと施され、内装もきれいで清潔感があり、入居者を獲得できることが一目でわかれば、期待できるでしょう。 これらをクリアしていれば、ほとんどの会社員の方が普通に融資を受けられるのがマンション経営です。
銀行ごとの特徴をあげましたが、不動産投資市場をコントロールしているのは、銀行です。銀行が融資するかしないかで、不動産の売買がなされていきます。
逆に言うと不動産投資は、ある程度パターン化されてくるのです。そのパターンの特徴をしっかりつかむことで、成功へのノウハウに近づくことができるでしょう。
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