マンション経営コラム|第3回 マンション経営の融資を理解することが儲かるツボ
銀行の融資を有利にすすめる「繰り上げ返済」
マンション経営において重要なポイントは、オーナー様にとって有益な情報と物件を紹介してくれる良い不動産会社を見つけることです。

自分にとって良い不動産会社を見つけることは、単に良い物件を紹介してくれるだけではありません。マンション経営を行っていく上で、必ず付き合わなくてはならない銀行に関する有益な情報も色々と提供してくれます。 さらに、物件を提供してくれる不動産会社と銀行が提携している場合には、通常より有利な金利で融資してくれます。業者に確認してみて下さい。
銀行に関する情報は、それぞれの銀行のサイトなどで調べれば問題ないと思われるかもしれません。しかし銀行によってオーナー様に対する融資方法や物件に対する好み、評価の方法やスタンスが違うためそれぞれの特色があります。そして、提携ローンの場合には、提携した不動産会社を通さないと利用できないマンション経営のローンもあります。実はそういった情報は一般的には出回っていません。
投資不動産専門の業者でなければ知り得ない情報なのです。
懇意の不動産会社を作り、自分に合った銀行の情報を提供してもらう。これこそが不動産投資成功の第一歩です。もちろんそれだけで簡単に成功となる訳ではありません。不動産会社と同様に銀行も上手く活用していかないことには、成功できません。マンション経営で儲かるためのツボは銀行の融資をいかに有利な条件で実行するかです。そしてそれを実現するためにも「繰り上げ返済」が必要です。
成功しているオーナー様は、銀行の融資を有利に受けることを常に考えています。失敗しているオーナー様は、そういった発想がありません。一度借りたら「おしまい」と考えている傾向があるようです。
なぜ成功しているオーナー様は融資有利に受けることを考えるのでしょう?
答えは簡単です。単純に融資をたくさん受けることができれば、追加で借入が可能になり、資産をどんどん増やしていくことができるからです。そしてこの融資枠を広げるためにするべきことが「繰り上げ返済」なのです。
現在、マンション経営をやられている方はもちろん、これから始めようとしている方も既にご存知かとは思いますが、ここで繰り上げ返済の重要性に関してお話する前に、住宅ローンと不動産投資ローンの違いについて簡単におさらいをしてみましょう。
住宅ローンとマンション経営ローン、その違いは何?

住宅ローンとマンション経営ローン、一番の違いは不動産を取得する目的です。住宅ローンは自分が住むための住宅を購入する際に利用します。マンション経営ローンは、賃貸収入を目的とする収益物件を購入する際に利用します。
次に審査基準の違いです。当然ながら銀行としては、貸した資金が確実に返済されることが第一となります。そのため一般的に住宅ローンは、債務者の職業や収入が重視され、マンション経営ローンは取得した物件の収益性が重視されるといわれています。
最初に記載したように、不動産投資ローンは賃貸収入を目的とする収益物件を購入するためのローンです。そのため自分が住むだけで収益を生む訳ではない住宅ローンに比べ、その審査基準はどれも厳しくなっていました。ただし、ここ最近は不動産投資ローンに力を入れている銀行も増え、以前よりは借入のハードルも下がっている傾向があります。
なぜなら、住宅ローンの事故率より、マンション経営ローンの事故率の方がはるかに低いからです。そのため、不動産投資ローンを扱っている金融機関の業績も伸び、新規で参入したいという銀行もこの前弊社にヒアリングに来たくらいです。
ちなみに住宅ローンを利用し購入した物件に自分が住むことなく他人に貸与することは、銀行をだます詐欺行為とみなされます。銀行に黙って他人に貸与したことが見つかってしまった場合、ローン残額の一括返金を求められることもありますのでご注意ください。
マンション経営は、継続的に収益を増やすもの
では改めて、マンション経営ローンにおいて繰り上げ返済が重要であることの理由についてご説明します。銀行は年収に対して借入できる金額の上限を決めています。仮に1億円が上限だとした場合、1億円を借入れれば当然ながらそれ以上の借入はできません。つまり次の物件が購入できないということです。
自分が住む場合であればこれ以上借入をすることはありませんので、次の物件のことを考える必要はありません。しかしマンション経営は事業ですから、継続的に収益を増やしていく必要があります。そしてそのためには次の物件をいかに速やかにより有利な条件で購入していくかが重要なポイントです。
マンション経営ローンにおいて「繰り上げ返済」が重要な理由

ローンの元本は、毎月元本が返済されるので、次第に減っていきます。ただこれだけではなかなか融資の枠は広がっていきません。つまり次の物件を購入するのに時間がかかってしまい、収益を増やすチャンスを逃してしまうことになります。
私が繰り上げ返済をおすすめする一番の理由はここにあります。
ネットや本を見ますと、繰り上げ返済を行うよりも次の不動産投資のために「手元に現金をおいておく方が良い」といった意見も多く見受けられます。また繰り上げ返済は、本来銀行側が得られるはずだった金利を得られない。つまり儲けが減ってしまうため銀行が嫌がるといった意見もあります。しかし実際は、売却による一括弁財は嫌がられる場合も多々ありますが、繰り上げ返済は財務的な健全性が上がりますので嫌がられることはありません。むしろ、銀行としては収入と借入のバランスを考えて、より健全な方・借入総額の少ない方に低金利で融資をしたがります。
私がおすすめする繰り上げ返済は、単純にローン完済を早めるためだけのものではありません。融資の枠を少しでも早く広げ、新たな物件の追加購入をするための繰り上げ返済です。そして、有利な条件で融資を受けるためのものです。マンション経営は、1軒購入しただけで大きな収益を上げることは容易ではありません。購入した物件にもよりますが、2軒、3軒と購入していくことで大きな収益を徐々に作り上げていく投資です。
そのため、次の物件購入のため頭金として使うこともありですが、より有利な条件で借りるために繰り上げ返済を行うことも総合的に見た場合有利なこともあります。その時々のバランスを考え、繰り上げ返済を効果的に活用することは非常に大切なポイントです。
また少しでも早くローンを完済すれば、新たに物件を購入する際にはローン完済した物件を担保にすることもできます。不動産の担保力は絶大なため、新たに融資を受ける際には有利な条件で借入れることが可能になります。成功するオーナー様は、このようにキャッシュフローを考え、好循環を作り出しています。本当の不動産投資家は、ただ単にお金を借りるのではなく、バランスを考えより有利な条件でローンを借ります。なぜ?バランスを考えるのか?それは、銀行がバランスを見ているからです。巷にあふれている裏技は、銀行に見破られますので安易に使うことはよした方が良いでしょう。次の融資が受けられなくなります。融資枠を広げ、また借入をすることで借入額が増えても、増えたキャッシュフローをその分また投資に回せば、さらに収入は増えることになります。借入額が多いほど、得られる収入も大きくなります。得られる収入が大きくければ、次回の投資に回す資金が貯まるスピードも早くなり、加速度的に資産が増えていきます。このような地道な活動こそ本来オーナー様が行うべき努力です。コツコツ地道にが一番でしょう。
ただし金額が大きくなるにつれてリスクも大きくなります。どのような物件を購入するかといった戦略をしっかりと立てた上で、返済計画を練っていくことは忘れないでください。それを計画的に行うツールが不動産投資におけるバランスシートだったりします。会計的知識は、融資の際も試されます。しっかりつけることをお勧めします。和不動産では、サポートシステムを使ってコンサルティングしていますので、安心してマンション経営が可能になってきます。
銀行はマンション経営に前向きになってきている

現在、マンション経営ローンは住宅ローンに比べ消極的な銀行が多いと書きました。しかしアベノミクスで不動産市況が良くなってきてから少しずつですが不動産投資ローンを扱う銀行が増え、姿勢も前向きになりつつあります。それどころか、地元の富裕層向けのローンだけでは融資額が限られてしまうため、不動産投資ローンを強化したいという銀行も増えてきました。
数年前までは区分所有ワンルームマンションの場合、融資の上限は年収の6~8倍でした。それが最近では年収の10倍を超えても融資可能という銀行も出始めています。これによって不動産投資ローンを上手く使えば、以前よりも大きくレバレッジをきかせることができるようになっています。こういったローンも銀行と不動産業者が提携して初めて使える銀行もあります。実績のある不動産業者は、金利の優遇もあります。購入の際に確認してみて下さい。
信頼できる実績のある不動産会社と銀行をまず見つける。その上で戦略とリスクを考慮の上、繰り上げ返済を駆使しながら融資枠を広げ、キャッシュフォローを増やすことに専念できる状況を作りだすことがマンション経営で収益を上げるための第一歩となります。
くれぐれも裏技に頼った借入は、心象を悪くしますので、避けて頂きたいところです。具体的には、個人情報の兼ね合いもありますので、ご相談いただけますと幸いです。
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