マンション経営コラム|第5回 購入、運用、売却の3プロセスから成り立つマンション経営
不動産会社に不動産物件の運用、売却を任せることで起こる問題について

不動産投資は、購入、運用、売却の3つのプロセスに分かれます。
収集したさまざまな情報をしっかり検討して、不動産を購入するオーナー様は多いと思いますが、運用や売却といったプロセスでは、不動産会社に委託してしまうケースが多いです。
運用では、マンションやアパートを35年一括借り上げと銘打った広告については、不動産会社から、数年ごとに空室などを理由に、借り上げ家賃の引き下げを申し出され、利回りが下がってしまうことがあります。
また、不動産を売却する方法には「買取業者へ売却」「購入した会社へ買戻し」「仲介業者に売却を依頼」があり、どれもメリットとデメリットがあり、判断に難しい場合があります。
35年一括借り上げの落とし穴について

不動産会社の運用でマンションやアパートを35年一括借り上げと銘打った広告を目にすることがありますが、実際は、数年ごとに不動産会社から空室などを理由に、借り上げ家賃の引き下げを言い出され、利回りがどんどん下がることがあります。
ローンを利用した場合、借り上げ家賃を返済に充てることが多く、借り上げ家賃を引き下げられてしまうと、返済が困難になり失敗することがあります。
対策として空室にならないように、きちんとリフォームして不動産としての価値を維持していく必要があります。
不動産を買取業者へ売却、購入した会社へ買戻した場合について
売却はマンション経営の利益を確定する上で重要な役割がありますが、多くのオーナー様はインカムゲインである賃貸収入を捨てきれず、売却に尻込みをします。
特に、日本の不動産市場の売却益は、安定せず売り方によって大きく変わります。
オーナー様が不動産を売却するには、買取業者へ売却、購入した会社へ買戻し、仲介業者に売却する、といった方法があります。
買取業者へ売却については、買取業者自身が不動産を購入するので、スピーディーに売却される反面、買取業者が買い手のため、売り急ぐオーナー様は買い叩かれる可能性があります。
購入した会社へ買戻しについては、中古で購入して10年ほど保有していた不動産物件でしたら、ローンの残債と同額程度で買戻しができる可能性があり、売却する時期によっては、利益になる場合もあります。
ただ、新築で購入した不動産物件の場合は、損をする可能性もあります。
不動産を仲介業者に売却を依頼した場合について
仲介業者に売却を依頼した場合、不動産市場にオーナー様の不動産物件を放出する訳ですから、相場価格に近い価格で売却できる可能があります。
ただ、投資用の物件は少し特殊で、不動産運用に関して知識が乏しい仲介業者の場合、購入を希望する投資家へのサポート体制があまりできていないため、なかなか売れないといったデメリットがあります。
また、仲介業者に売却を依頼した場合、囲い込みという手法にハマってしまって、なかなか不動産が売却できない場合もあります。
不動産物件の売買について、不動産を売却しようとするオーナー様と専属専任媒介契約や専任媒介契約を結んだ仲介業者は、不動産流通機構に不動産物件を登録して不動産市場に情報を流さなければなりません。
これにより、不動産物件を探している他の仲介業者から不動産物件の問い合わせがあり、この問い合わせに応じて商談が進み契約となる場合があります。
ただ、仲介業者は不動産物件の売却を依頼されたオーナー様から契約が成立した場合、仲介手数料をもらって利益にします。
一方、買い手を仲介業者自ら探し出せば、買い手である投資家からも仲介手数料をもらうことができ、仲介手数料が倍になり、これを業界用語で「両手」と呼びます。
仲介業者はこの両手を狙い、他の仲介業者から不動産物件の問い合わせがあると、買い手が見つかり内見中といった理由で商談を拒否することがあり、これは「囲い込み」と呼ばれています。
さらにこの囲い込みによって、不動産物件の売却に時間がかかり焦るオーナー様に、不動産価格の引き下げを申し出る「値ごなし」という手法を使う仲介業者もいます。
3つの売却方法をご紹介しましたが、どれもメリットとデメリットがあり、判断に難しい場合があります。売却を前提に考えると所有のハードルが上がりますので、あくまで長期保有を目的にした方が売却リスクも大幅に下がりますので、覚えておいて下さい。
最新の物件選びについてのコラム
- >> 第13回 物件の概要資料、レントロールでチェックすべき5項目
- >> 第12回 失敗しない物件選びは、事前調査とヒヤリングの徹底に尽きる
- >> 第11回 不動産業者が優良物件を買わないのは「仲介の方が効率的」だから
- >> 第10回 投資してはいけないダメ物件とは?
- >> 第9回 マンション経営の物件選び、初心者には新築よりも中古がおすすめ
- >> 第8回 マンション経営における良い物件の3条件は「収益力」「担保力」「稼働力」
- >> 第7回 マンション経営で選んではいけない投資物件とは
- >> 第6回 投資マンションを購入するときの物件チェックポイント
- >> 第5回 購入、運用、売却の3プロセスから成り立つマンション経営
- >> 第4回 初めてのマンション経営でコンパクトマンションもオススメな理由
- >> 第3回 マンション経営は中古築浅物件で
- >> 第2回 ワンルームマンション経営における物件の選び方
- >> 第1回 マンション経営でオススメの住宅設備とデザイン