マンション経営コラム|第7回 サラリーマンのマンション経営と失業保険
失業保険について

失業保険は職を失うというリスクに備えた保険です。退職後の生活の不安を軽減してくれる制度ですが、退職してハローワークに行けばすぐに受け取れるものではありません。
受給するためには、「①本人に就職する意思と能力がある」「②積極的に求職活動を行っている」「③離職日以前の2年間に被保険者期間が12ヵ月以上ある」という条件を満たしていることが必要です。
そのうえで管轄のハローワークに行き、必要書類を提出し、求職を希望することを伝えます。その後、書類の審査が行われ、問題がなければ受給資格の決定が行われます。
ただし、自己都合で退職した場合は、受給資格決定から7日間の待機期間があり、さらに3カ月の給付制限期間があります。つまり、7日間+3カ月待たなければなりません。
また、原則として4週間に1度、指定された日に管轄のハローワークに行き、期間中にどのくらい求職活動をしたかなどを報告する必要があります。
家賃収入の影響はある?
失業保険はアルバイトなどで収入がある場合、支給額が減額されます。
マンション経営による家賃収入があった場合も同様に減額されることになるでしょうか?そういう疑問が出てきそうです。
しかし、答えは「ノー」です。「就労」した場合は支給額が減額されますが、家賃収入は「不労所得」であり失業保険とは関係ないものだからです。
ただし、この場合でも4週間に1度、失業の認定をしてもらう必要はありますし、職を得て働こうとする意欲がなければなりません。「失業」は、離職した人が就職しようとする意欲と就職できる能力があり、積極的に就職活動を行っているのにも関わらず、職業に就くことができない状態と定義されているからです。
活用できるものは活用する

今回、お話の題材に失業保険を選んだのは、サラリーマンとしてすでにマンション経営をすすめている方、これから始めようとお考えの方の中に早期退職を念頭においていらっしゃる方も案外多いのではないかとおもったからです。
もちろん、サラリーマンとして定年まで会社勤めを全うし、その後の生活のためにマンション経営をすすめていらっしゃる方も多いでしょうが、現在お勤めの会社にどうにも納得できないものがあり、会社を辞めても生活できるようマンション経営を始めた、あるいはマンション経営を考えている方も少なくないとおもうのです。
早期の退職を念頭においたマンション経営であれば、当然、退職後のことについてよく考える必要がありますし、失業保険もその一つです。活用できるものは十分に活用し新しい世界を切り拓いていくべきだとおもいます。
マンション経営をきっかけに知的好奇心を
ところで、マンション経営を始められてから、それまであまり気にかけていなかったことに注意を向けるようになった、という方は多ものです。
今回、お話した失業保険も案外多くのサラリーマンの方がさほど気にしていないものの一つかもしれません。失業保険は、住宅ローンのように月々、自分の家計の中から出ていくものとは違い、給料から天引きされているからでしょう。
また、生命保険や相続税などについても、マンション経営を機にそれまでより真剣に考え、勉強するということもあります。あるいは、「損益計算書」「貸借対照表」「キャッシュフロー計算書」といった財務諸表についてその重要性に気づくということもあります。
もちろんそれは、経営の必要上ぜひ勉強してなければならないから、ということもありますが、マンション経営を機に知的好奇心が高まるということも大きいのではなかとおもいます。 宅地建物取引主任者資格、マンション管理士等々、マンション経営に関係する資格を取得なさるオーナー様もいらっしゃいます。
失業保険もそうですが、マンション経営を機にこれまで注意していなかったさまざまなことに目を向けることは、新しい生活を切り拓いて行く上で重要なことだとおもいます。
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