第22回 不動産投資で節税をするなら『法人化』しよう
不動産投資を法人として行うことで、個人で行う場合と比べてさまざまな節税効果が期待できます。
一例として、資産管理会社を設立するケースを考えてみましょう。
所得税は累進課税となっているため、年収が上がるに連れて税率も上がっていきますが、法人税は最大税率が23.4%となっているため、所得金額によっては所得税よりも法人税のほうが確実に安くなります。
また、不動産投資によって上がった収益を資産管理会社から個人への給与支給という形にすることで『給与所得控除』を受ける方法や、家族にも給与として支給することで税率を下げ、『所得分散』にする方法などがあります。
その他にも、法人では経費に計上できる項目が個人より多くなるため、掛け金や生命保険料などを経費にすることができます。
このように、法人化することでさまざまな部分で節税を行えるようになり、個人で不動産投資を行うよりもコストを抑えることが可能で、多くのメリットを受け取ることができるのです。
本記事では、法人ならではの節税方法についてまとめてご紹介していきたいと思います。
不動産投資で法人化を検討している方は、是非ご参考にしてください。
法人だからこそできる所得分散による節税

個人の場合の不動産所得では、自分に給与を支払うことはできませんが、法人化することによって、個人へと給与を支払えるようになります。
給与所得の場合、『給与所得控除』を受けることができるため、例えばマンション経営による収益500万円を、そのまま法人から個人へと給与として支払うことで、154万円が給与控除となり、残り346万円を課税の対象とすることができるのです。
ただ、本業からの収入もあるうえに資産管理会社からも給与を受け取ってしまうと、支払う税金が増えてしまいます。そのため、現役時代は資産管理会社からは給与をもらわずに内部留保として貯めておき、定年退職後に資産管理会社から給料として受け取る仕組みにするなど、受け取るタイミングはしっかりと考えた方が良いでしょう。
また、オーナーだけに給与を支払うのではなく、その家族である配偶者や子供などを同じく法人の役員にし、役員報酬を支払うようにすれば、所得分散の効果を得ることができます。
例えば、1000万円の所得に対して個人の所得税率は33%ですが、配偶者に500万円を分けることによって、税率を20%に下げることが可能になり、結果、大幅な税金の節税を行うことが可能になるということです。
他にも、個人の場合では『青色事業専従者給料』で親族に給与を与えていた場合、『配偶者控除』などの控除を受けることができない状態でしたが、法人の場合には年間103万円以内の給与であれば、『配偶者控除』や『扶養控除』を合わせて受けられる点も大きなメリットとなります。
個人の時と比べて使える経費の項目が増える

法人化をすることで、個人で不動産投資をしている場合よりも広範囲の項目で『経費』として申請することができるため、節税対策の選択肢をより広げることができます。
具体的には、以下のような項目を経費として計上することができるようになります。
●小規模企業共済の掛け金
小規模企業の経営者や役員、個人事業主のために、『小規模企業共済』や『中小企業倒産防止共済』といった制度があります。
『小規模企業共済』は、廃業や退職時の生活資金などのために積み立てを行うもの、『中小企業倒産防止共済』は、取引先事業者が倒産した際、連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐためのものです。
これらの共済では、年金のように毎年積み立てていくことで解約時や満期時に『運用益+積立金』を受け取れるようになっています。
法人化をすることで、これらの共済の掛け金が全て経費として計上できるため、節税に繋がるのです。
生命保険料や国民年金保険料などの控除は最高で4万円までが上限なのに対し、小規模企業共済の場合は上限がなく、その年に支払った掛け金全額が控除の対象となります。
もし運用益がゼロで返ってきた場合でも、毎年の掛け金が控除となるため十分なリターンを得ることができます。
掛け金自体は現金での支払いとなりますが、マンション経営のキャッシュフローに余裕がある際は、ぜひとも試したい方法です。
●役員の生命保険料
役員の生命保険を会社で加入した場合、その保険料を経費として計上することができます。そして、積み立てたお金は『解約返戻金』として後に受け取ることが可能です。
ただし、解約返戻金は法人にとっては利益になるため、『返戻金×税率』分の税負担が発生してしまいます。
そのため、役員の退職金や損失の繰越と相殺するなどし、返戻金にも税金がかからないようにするとよいでしょう。
●出張手当
個人と法人の経費項目の違いの中には『出張手当』があります。
通常、法人が個人に支払ったものに関しては『法人:経費、個人:利益』となりますが、『出張手当』に関しては『法人:経費、個人:非課税』の扱いになるのです。
個人の場合では、個人事業主が本人に出張手当を渡すことがありませんが、法人の場合は違います。
『出張旅費規定』を社内で作成し、その規定に沿って出張手当を個人(オーナー様自身)に渡しましょう。『出張手当』として受け取ることで利益にはならないため、節税効果が期待できます。
●役員社宅
法人が役員用に社宅を借り上げることで、その家賃分を経費として計上できます。
通常、個人の場合は賃料等を経費に計上することはできませんが、法人ではそれが可能です。
毎月の家賃分を経費として計上できれば、大きな節税効果が期待できるでしょう。
他にもある、法人ならではの節税方法

経費以外にも、法人ならではの節税方法をご紹介しておきましょう。
個人の場合では、不動産売却の際に出た『譲渡損』は、他の給与所得などの所得から損益通算することができません。しかし、法人の場合では他の事業の利益と相殺することができます。
また、個人の場合ではその譲渡損は翌年に繰り越すことができませんが、法人の場合では、9年間に渡って、欠損金として利益から繰越控除をすることが可能です。
他にも、法人から個人に対して多くの給与を支払うと、個人には最高で50%の税率がかかってしまいますが、社債を発行し、その利子を受け取る形にすることで、20%の源泉徴収税で済ますことができます。
このように、法人化することで個人では実現できない多くの節税が可能になってきますので、「収益が増えて、支払う税金も増えてきたなあ…。」とお悩みの方は、ぜひ一度法人化を検討してみてはいかがでしょうか?
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