
相鉄、沿線ブランド価値向上へアピール

相鉄ホールディングス傘下の相模鉄道(相鉄)とJR東日本は3月28日、相互直通運転を2019年11月30日に始めると発表しました。相鉄は2022年度下期を予定する東京急行電鉄(東急)との直通運転計画を含め東京都心との直結を強固にします。相鉄は、これら直通運転を契機にして沿線のブランド力を高め、沿線に住む人や企業誘致をし、沿線価値の向上をアピールしていきます。
直通運転については、神奈川県中央部と都心へダイレクトアクセスが可能となり、所要時間が大幅に短縮すると歓迎モードです。また、東急線との直通線が予定されていることから、都心直通に加え、新幹線停車駅である「新横浜駅」までのアクセスも大幅に向上することからも直通運転は大きな期待を寄せています。
相鉄は2022年には東急とも相互運転へ
当日は相鉄とJR東日本との境界として建設中の「羽沢横浜国大駅」(横浜市)でレールの締結式を開きました。相鉄の滝沢秀之社長は「JRとレールがつながり、東京都心と相鉄沿線の架け橋がかかる」とあいさつ。直通運転を機に沿線の魅力向上に取り組む決意を述べたということです。
相鉄・JR直通線は、相鉄の西谷駅から約3キロメートルの連絡線を新設し、羽沢横浜国大駅付近でJR貨物線と接続します。
今後、羽沢横浜国大駅から新横浜駅を経由して日吉駅まで約10キロメートルの新線を東急と整備し、東急線にも乗り入れる計画です。例えば新宿―二俣川の所要時間は約44分と、横浜駅で乗り換える現在に比べ約15分短縮する。
相鉄は首都圏の大手私鉄で唯一、都内に乗り入れておらず都心との直結は悲願で、横浜市を含め沿線では今後、人口減少や高齢化が見込まれます。
移動手段だけではない鉄道会社の差別化へ
一方、他の大手私鉄も沿線開発に力をいれ、住民の囲い込みを進めており、鉄道各社は、移動手段の鉄道やハコモノの住居といったハード面のみでの差別化には限界ででてきています。「選ばれる沿線」づくりを掲げる相鉄にとって、今後は住民のライフスタイルに合致するためのソフト面の取り組みがより重要になっています。