
持ち家に住む人の多くは火災保険に加入しているでしょう。賃貸マンション・アパートのときも何らかの火災保険に入っていることが多いのではないでしょうか。
火災保険では火事や落雷、風水害などの被害にあった場合に保険金支払いを受けられるというのはご存じかと思います。
しかしながら加入プランによっては補償範囲が幅広いこともあります。
下記の表をご覧いただくと、「こういうものまで」というのもあるかもしれません。火災保険では火事以外にもこんなときにも、もしかしたら使えることがあるかもしれません。
建物のケース | 家財のケース | 外出時(特約) |
---|---|---|
掃除中に壁にモノをぶつけて壁が壊れた | テレビを倒して画面を割った | 持って行ったカメラを落として壊した |
建物の外から石が飛んできて、窓ガラスが割れた | 戸棚が倒れて、戸棚とテーブルが壊れた | ゴルフプレー中にクラブが木にあたり折れた |
自動車に当て逃げされ塀が壊れた | 掃除機を階段から落として壊した | 夜道でバッグをひったくられた |
(注意 損害額が自己負担額を上回る場合に補償。出典:日本経済新聞2019年6月1日「学んでお得」)
自分の保険をよく知りましょう
もっとも補償を受けるには自分が加入する火災保険がこうした事故を補償範囲に含めていることが必要で、「火災や落雷、風水害など基本的な補償だけに絞ったタイプの火災保険だと、補償の範囲外になります。
また、火災保険に加入にしていても建物だけにしか保険をかけていない場合、テレビや家具といった家財の被害は補償されません。
火災保険に入るきっかけは家を取得したときが一般的で、家財までは補償に含めない人も少なくないので、注意書き等はよく読んでいただきたいです。
建物とは、建物とそれに付属している浴槽や調理台、ふすま、建物に取り付けてあるエアコンなどです。これに対して、引っ越すときに運び出すようなものは「家財」とされ、タンスや中の衣類、ベッドや寝具、机・本棚・本、家電製品などがあります。(※現金・小切手・有価証券、動植物、データ、自動車などです。高価な貴金属や書画骨董なども家財には含まれません。)
本題にもどって、上記表にあるケースをみてみます・
まず、建物の外から物が落下・飛来・衝突などしたことによる被害があげられます。
台風などの暴風雨の際に近隣住宅の屋根の一部がとんできて自宅の窓ガラスが割れた、というケースが想定されるが、それだけにとどまりません。
例えば
- 誰かが投げた野球のボールが飛んできて窓ガラスが割れた
- 他人の車が誤って自宅の門に突っ込んできた事故
なども補償されます。車の事故は相手が当て逃げされたりすると、もちろん事故なので警察に届け出るにしても自宅の門の”当面の修理”の費用は必要になります。そういうときは、火災保険が適用されればこの修理の費用が補えることもあります。
もう一つ、家財のケースだと下記のような「不測かつ突発的な事故による建物や家財への被害」ということがあります。
東京都に住むMさん(39)の長男(6)が先日、部屋で遊んでいる最中、部屋で誤ってクラシックギターにぶつかり「ナット」と呼ばれる部分が折れた。修理費用は30万円あまり。損保会社に問い合わせると火災保険の「不足かつ突発的な事故による破損・汚損」という補償範囲に含まれるとのこと。壊れたギターの写真や修理費の請求書を添えて申請すると、保障上限額の保険金が支払われ、修理費のほぼ全額が補えた。
(出典:日本経済新聞2019年6月1日「学んでお得」より)
ということがあったとのことです。
その他具体的には、
- 部屋の模様替えの最中に誤って家具をドアにぶつけて壊してしまった
- テレビを落として画面が割れてしまった
といった日常生活での事故が補償されることがあります。
また表の一番右、【携行品損害特約】を付帯をすることで、建物から携行品まで補償されるということができます。その場合でも一部自己負担が発生する点には気を付けていただきたいです。
「自分の不注意だから仕方ない」とあきらめず補償範囲をいま一度確認してみてください。
なお、家財を補償範囲に加えたり、携行品損害特約を付帯したりすると、建物だけの場合に比べ保険料負担は増えますので、本当に必要な補償かどうかを慎重に検討するようにしていただきたいです。
(※実際に受け取れる保険金額は修理代などの損害額から自己負担額を差し引いた金額になることがあるので、損保会社に確認してください。
また家財や携行品には補償されないものがあるので注意してください。)