不動産融資が過去最高に

家とお金

日銀が2月9日に発表した「貸出先別貸出金」によると、2016年の金融機関による不動産融資は前年を12.2%も上回る12兆2806億円とのことで、これは6%の伸びであった2015年から2倍以上となっており、統計を遡れる1977年以来、過去最高となっている。

追い風となったのは「地価上昇」で、国土交通省によると、16年10月1日時点で高層マンションなどが集まる100カ所のうち、地価上昇は82カ所で下落はゼロ。20年の東京オリンピックを見据えた大規模な都市開発や訪日客増への期待から土地の先高観が台頭しており、海外ヘッジファンド等による多額のマネーを呼び込むとともに、銀行の不動産関連融資が膨らんでいる。

16年に日銀がマイナス金利政策を導入したことにより、運用難の銀行にとっても値上がりが見込まれるREIT向け融資の魅力が増している。その結果ファンドなどの運用会社に潤沢な資金が集まり、REITの時価総額は現在、約12兆円とマイナス金利を決めたときに比べ1割増えている。

アパートなどの貸家建設も大きく、国土交通省の「住宅着工統計」によると、15年度は4年前よりも3割強多い38万3千戸に拡大。16年度は4~12月だけで前年同期比12%近く多い33万戸に達したという。
アパートを作ると課税する際の資産の評価額が下がり、相続税の節税効果が期待できるが、「人口減社会での貸家の大幅な着工増は実需に見合わず、融資行動がいびつだ」と批判的な声も出ており、ある日銀幹部は「不動産業全体では実需の裏付けがある」としつつも、「地方都市を中心に空室が増えると不動産価格の下落につながり、経済にとってマイナスに働く」と話している。

まだバブルという状況にはないものの、節税目的のアパート過剰供給のひずみも広がっており、金融庁や日銀は警戒のレベルを少し引き上げている。
マイナス金利の現在、不動産投資を行う上で「不動産融資」を有効活用できる好機となっているが、上記のようにアパート乱立による悪影響が出ている。
果たしてどういった物件ならば、有効的に不動産融資を使い不動産投資が可能なのか?しっかりと見極めて選びたいものだ。

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