迫る生産緑地の「2022年問題」 各行政対策へ

生産緑地とは、住宅地の都市化が進んでいた1974年頃に緑地の減少を防ぐ保全策として制定されました。

都市化する土地と農地を分け、30年の営農を義務付ける代わりに農地には固定資産税などの大幅な税優遇があります。

そして生産緑地の6割弱が1都3県に集中しており、全国ではその8割が2022年に指定解除となります。東京都においては東京ドームおよそ701個分(3296.4ha)の生産緑地のうち多くが市部に集まっています。

 

生産緑地の指定解除で想定される事態

生産緑地の所有者は2つの選択肢があります。農業を継続することを条件に10年の指定延長を求めるか、地元の市町村に買い取りを申請するか。

行政で買い取りきれなかった土地は宅地へ、そして節税を求め宅地が収益物件となる懸念があるのです。

もともと農地だった場所なので、駅からも遠く、立地が良いとは言えません。住宅地に建てられることの多いアパート大家にとっては、ライバルが増えるため好ましい状態では無くなるでしょう。

 

自治体も対策を急ぐ

生産緑地の解除による住宅地の乱開発を防ぎ、緑地を保全するため以下のような対策を行う自治体もあります。

【東京都】

・インキュベーション農園:ビニールハウスなどを整備し、新たな栽培技術に挑戦する希望者に貸し出す。2021年度より。

・セミナー農園:就農に関心を持つ50~60歳代を対象に、農作物の栽培方法などを指導する。

【神奈川県】

・都市農業推進条例:都市農業の基本方針を示す制度として、生産緑地の保全に取り組む姿勢を明記し近く改正予定。2018年度には既に、農業機械などの整備費を補助する制度を創設。

 

法令改正にも注意して

「2022年問題」により、不動産業界では周辺住宅地にアパートなど収益物件が乱立すれば、先にも書いた通り、ライバルが増えることになり、入居状況に影響を及ぼす事が考えられます。不動産投資を行う際は、生産緑地を避け駅前立地のワンルームマンションを選択すれば入居者に困ることもないでしょう。

「生産緑地」だけでなく「相続税改正」にも言えることですが、不動産投資市況は法令改正によって大きな影響を受けます。物件や立地だけでなく、法令改正など最新の情報を常に入手してから検討することが、不動産投資オーナーとして必要なスキルと言えるでしょう。

 

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