
2020年1月19日日本経済新聞電子版に東京のオリンピック後の建築需要についての興味深いニュースがありましたので紹介します。
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建設会社が受注しながら未着工の案件は2019年10月末時点で約6.9兆円(国土交通省の統計より)となり、2009年以降で最高水準に積み上がっています。この水準は2012年の約2倍です。
その理由は建築を担っている人手不足の影響で、建設が後ろにずれているのです。そのため工期は伸びる傾向になっていて、工事の受注残になっているといいます。
そして2019年11月の有効求人倍率は6倍と右上がりで、全体平均の1.5倍を大きく上回ります。順番待ちの状態を反映して、
鹿島建設の押味至一社長は「2020年の完成を目指す工事が多かったため、19年度の施工は増えた。20年度は新しい工事に取り掛かる年になる」と、大成建設山内隆司社長は「東京近辺に多く仕事があるので、国立競技場の社員はすでに他に移っている」と述べました。
都内の主な大型案件の竣工時期を見ると、
2021年:世界貿易センタービルディング南館、東京駅前常盤プロジェクトA棟、
2022年:北品川5丁目計画、九段南1丁目プロジェクト、
2023年:虎ノ門・麻布台地区再開発A街区メインタワー、虎ノ門ヒルズステーションタワー(仮称)、
2024年グローバルゲートウェイ品川4街区、東京駅前常盤プロジェクトB棟
などでこれから大型建設投資が続々続いています。
世界的イベントオリンピックにむけてインフラ整備などによって需要が増え、それが一通り終わるとどうなるのか、と思っている方も多いはず。しかし、都内は実際に建設投資にブレーキがかかることではなく、長期的な建設の投資に切り替わるという見方になっています。
東京はまだまだ再開発が続きますので建築業界の需要は堅調に推移すると考えられます。