
不動産業者から「『一括で全室借り上げ』『家賃保証します』と誘われたため、借金をしてまでアパートを建てたが…数年後、家賃を減額された」。そんな苦情が相次いでいる。
それを受け国土交通省は、賃貸管理会社に【将来の家賃収入が減る可能性がある】旨の説明を義務づける制度改正を決めた。今後も、金融緩和や相続税対策の影響で、アパート経営を始める人が増加すると見られている。その為、トラブル防止を目指し規制を強化する。
今回対象となるのは「サブリース」と呼ばれる契約。土地所有者が建てたアパートを、業者が一括で借り上げ入居者に賃貸する仕組みだ。入居者募集や管理を業者が行う為、所有者は空室に関係なく毎月決まった家賃をもらうことが出来る。
通常の不動産取引では、法律により様々なリスクの説明が義務となっているが、今までサブリースはその対象ではなかった。
その理由は、個人の大家も法人と同じ不動産業者として扱われ、業者同士の取引とされていたからだ。
しかし近年、相続税対策として個人の大家が増えた影響もあり、「契約解除を要求された。」「『何もせずの安定収入が手に入れられる』と契約時に言われたが、契約途中で強引な減額をされた。」など、苦情が急増した。
今回の義務化でトラブルが減ることも大切だが、アパートの空室率が上がっている現在、安定した家賃が手に入れられる仕組みを考え直す必要があるだろう。