有楽町線の延伸 未だ調整中

7月5日に行われた東京都知事選挙にて再選し、2期目を迎える事になった小池百合子東京都知事。公約には、鉄道やモノレールなどの「6路線」を含めた交通インフラの強化を掲げていました。

中でも、地元からの要望が強く、整備効果が高いとされているのが「地下鉄8号線(有楽町線)」の延伸です。有楽町線を豊洲駅で分岐し、東陽町駅を通過し北上のち、最終的には住吉駅まで繋げるという、江東区内を南北に結ぶ約5キロの延伸計画です。総事業費は1500億円程度で、東西線などの混雑緩和に効果があるとされています。

計画が進まない理由

この計画が初めて浮上したのは、1972年のことです。当時、都電が廃止されたことで江東区内の南北を結ぶ鉄道が無くなり、区は整備を求めましたが、長らく構想化には至りませんでした。しかし近年、再開発が進み臨海部の拠点として、豊洲が重要視されるようになったこともあり、およそ半世紀越しに構想が具体化したのです。

豊洲市場ができる際、江東区は市場を受け入れることを条件に、東京とと以下の合意を取ったのです。特に、地下鉄8号線に関しては、延伸の早期実現が合意の内容に盛り込まれていました。

  • 地下鉄8号線(有楽町線)の延伸を含む交通対策
  • 市場と一体化した観光拠点の整備
  • 土壌汚染対策

一度は、国や都の補助を受けて東京メトロが建設、運行することが合理的との方針を示しました。しかし、東京メトロ自体が新線を作らない方針であることからあ業スキームが示せず計画が進んでいないことを認めました。

今後の計画の行方は

  • 【羽田空港アクセス線】羽田空港から、①田町付近(東京方面) ②大井町付近(新宿方面) ③東京テレポート(新木場方面)
  • 【新空港線(蒲蒲線)】蒲田―京急蒲田
  • 【地下鉄8号線(有楽町線)の延伸】豊洲―住吉
  • 【都営大江戸線の延伸】光が丘―大泉学園町
  • 【多摩都市モノレールの延伸】上北台―箱根ヶ崎、多摩センター―町田

上記は、優先的に進める事が検討されている6路線です。

 

東京メトロ株式の46.6%は、東京都が所有しています。残りは国(財務大臣)が保有しており、東京メトロを早期に上場させる方針のため、新規の事業は先が見通しにくく、慎重な姿勢です。

現在まで、小池都知事が国やメトロとの交渉に乗り出す事はありませんでした。しかし、公約で掲げた以上、そして地下鉄8号線の計画を進めるためには、何か動きがあるだろうと関係者の間で予想されているそうです。

交通インフラの整備には長い時間がかかりますが、整備されれば、周辺一帯の価値もどう変わるか予想ができません。今後の動きに注目です。

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