東京の人口増は「地方から仕事を求めて」。東京の過去10年の人口動態から考える住宅のあり方

右肩あがりイメージ

東京都の人口、5月は1400万人突破

東京都は5月1日時点で、東京都の人口が初めて1400万人を超えたと発表しました。推計で、女性は712万2208人、男性は688万765人となっており、あわせて1400万2973人となりました。4月時点に比べて、2万人増えています。

他道府県からの流入数は年々増加しつつあります。2019年の流入数は約8万5千人でした。これは、1964年の東京オリンピックを控えた1963年以来の水準となります。主な要因として、「同じ仕事内容をするなら、賃金の高い東京で」という人や、そもそも地方だと仕事がないので東京に出てくる人が多いなど、「仕事」があげられます。

新型コロナウィルスの影響で東京の人口動態に変化

1997年から転入超過(転出数より転入数が多いこと)が続いていた東京でしたが、ここへ来て様子が変わりつつあります。それは、新型コロナウイルスの流行によるものです。この1~5月の間で、約1万4千人の外国人が都外に流出しました。2019年の同時期に約1万千人の流入があったことに比べると、対照的です。

5月1日時点には1400万人あった東京都内の人口は、6月1日に1400万人を下回りました。東京都が今年3月に公表した人口予測では、東京都内の人口は2025年の1422万人をピークに減少傾向になり、2035年には1400万人を下回る見通し。地方の人口が少子化で減る事によって、主な要因だった都外からの流入が減るとみられています。

東京都は、人口の最盛期である1400万人時代が15年で終わるとの見通しですが、コロナウイルス感染症の影響が続けば、東京の人口減少は予想より早く訪れる可能性もあります。

2009年から2020年までの11年間で東京で人口数が最も増加したのは江東区

2009年から2020年までの11年間で、人口が最も増えたのは江東区の7万3434人でした。次に、世田谷区の7万1294人、港区の5万5900人と続きます。

※2009~2019年、東京都より

4位以下は大田区、中央区、品川区と続き、人口増加数上位は、東京湾岸の区が多く占めていることがわかります。

考えられる要因としては、臨海部における超高層マンションの開発が挙げられます。これらのマンションへの子育て世代の流入の受け皿になっています。

一方で、これら流入上位の区では子どもの増加に対して、小学校や中学校のキャパシティが追いつかず、小中学校の建設が急がれます。港区では芝浦に2022年小学校開校、中央区では2024年に晴海で小学校が開校予定となっています。

新型コロナウィルスの影響で新しい生活様式が入りはじめており、テレワークの拡大で郊外に住む人も増えるという予測もあります。これは家族の構成によっても変わることでしょう。

 

仕事を求めて東京への流れは大きくは変わらないのでは

完全なテレワークに移行するには、まだまだ解決しなければならない課題が多いのが現状です。例えば、自宅で使用するネット回線や、パソコンの費用負担を会社でするのか、会議の効率化、テレワークに適した評価制度、ハンコ文化…などが挙げられます。

いきなり完全なテレワーク化というのは、難しいのでは無いでしょうか。となると、仕事の波に併せて、時差出勤やフレックスタイム制度などを組み合わせてテレワークをする、といったところに落ち着くと予想ができます。そうなれば、必ず定期的に出社をする必要が発生します。

一人暮らしの場合は、自宅でテレワークしやすい環境を確保する住宅を求めることもあるでしょう。今後は、オフィス街に通勤しやすい立地で、ワークスペースを確保しやすい25㎡前後のワンルームマンションが好評になっていくのではないでしょうか。

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