
賃貸住宅などに旅行者を有料で泊めるいわゆる「民泊」が広がるなか、違法民泊への監視を強める旅館業法改正案が今国会で成立する見通しだ。行政機関からの営業許可なく旅行者を泊める「ヤミ民泊」の増加を受け、行政側に立ち入り検査の権限を与えるのに加え、ヤミ民泊の罰金上限額も3万円から100万円と30倍以上に引き上げる。訪日外国人客数が2000万人を超える中、民泊の健全な普及が観光客の新たな受け皿となるのだろうか。
民泊を営業する家主や仲介業者の登録を義務づける住宅宿泊事業法(民泊法)が今年1月召集の通常国会で成立しており、政府はこれを2018年6月15日に施行する予定だ。旅館業法改正案は今年の通常国会にも提出されたが、衆議院の解散のあおりを受け廃案となった。取り締まりの体制が整う前に民泊法が施行されてしまえば、民泊の健全な普及に水をさす恐れがあったが、旅館業法改正案を成立させることで監視・罰則の強化を同時に施行する予定だ。
羽田空港から近い大田区では、他区に先行し様々な民泊に関する条例が制定されている。マンション経営オーナーは自分の所有物件を民泊物件に転用させるのか、また許可無く使用されることなどがないように管理会社の選定には十分注意したいところだ。