
2月9日の日経新聞に掲載されていた、民泊及びシェア事業についての記事についてご紹介したい。
ニューヨーク在住のスーさん(30)は、日本での民泊が6月に本格解禁されることを楽しみにしている。
スーさんは「民泊で安く滞在して、浮いたお金でラーメンを食べ歩きしたい」と期待を寄せるが、民泊には旅行者の選択肢を広げてくれるという側面もあるのだ。
宿泊施設としてマンションの空き部屋や家を一時的に貸し出す民泊は、物や空間を共有して価値を生む「シェア経済」の代表と言える。日本では2018年6月にようやく法的な枠組みが整う。
6月15日に民泊新法(住宅宿泊事業法)が施行されると、事業者となる住民が自治体へ届け出れば、分譲マンションなどでも民泊が認められることになる。現在の民泊は旅館業法に基づく「簡易宿所」として許可を得るか、国家戦略特区を利用する必要があり、法的な位置づけがあいまいな「ヤミ民泊」も多い。
民泊の平均は7.6泊と、ホテルなどの利用者より2日弱も長く、これまでの利用者は6割以上が20代以下と若い世代に人気だ。
訪日客の裾野を広げるとの期待は大きい一方で、東京都や北海道、京都市には独自の規制を上乗せする動きがある。文化の違いや旅行という解放感から、ごみや騒音などのトラブルが予想されるため、住民の安心・安全な生活を第一とした条例の上乗せである。
これに対して業界団体のシェアリングエコノミー協会は、民泊は「資産活⽤による経済の活性化、旅先の⽣活に溶け込んだ新しい着地型観光によるインバウンド観光の振興、⼈々の出会いによる⽂化交流やホスト(部屋等の貸主)への⽣きがいの提供など、複数の価値を提供するものとして、是⾮推進するべき」とし、「安全安心への過度の配慮から入口部分で重すぎる規制をかけるべきではない」との意見書を1月29日に提出している。
矢野経済研究所によると、シェア経済の市場規模は2021年度には1000億円と2016年度の2倍に増える見込みだが、「ライドシェア」に関しても、日本ではタクシー業界からの厳しい反対や国民性質上、解禁は難航している。
安全を確保しながら、成長に向けてシェア事業を育てる努力が、官民ともに求められている。
6月の民泊解禁に向け、各自治体が次々に骨子案を提出している。
不動産投資市場に与える影響も大きい民泊の行方に関しては、また随時ご紹介していきたい。
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