大規模修繕とは|流れから具体的な施工まで解説!
- 2021/10/30
- ニュース

大規模修繕というと皆さんはどんな事をイメージするでしょうか。
そんなもの管理会社がやるんだから気にしなくてもいいでしょ。
そんな風に思っていないでしょうか?
今回のコラムでは意外に知られていない大規模修繕について解説していきます。
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大規模修繕とは
修繕と言うと壊れたものを直す事な訳ですが、大規模修繕とはその規模の大きな工事を指します。
マンションは建てた時には新築ですが、当然経年劣化していきます。
古くなっていった設備には勿論メンテナンスが必要になってきます。
RC造のマンションの法定耐用年数は47年ですが、メンテナンス次第で100年経っても住む事が出来るのです。
ワンルームマンション投資をされている方は修繕積立金と言うものを毎月お支払いだと思います。
一棟全体のそれぞれのお部屋のオーナーさんから、この修繕積立金を集めて、共用部分の修繕の費用にします。
中でもとりわけ工事費用の高い修繕を大規模修繕と呼んでいます。
長期修繕計画表を作成しているマンションでは大まかな修繕の時期と費用が記載されています。
又、重要事項調査報告書には修繕の履歴が記載されている事があり、大規模修繕の履歴が分かる事があります。
大規模修繕を行っていないマンションでは老朽化が進み、雨漏り等が発生するようになり入居者が住んでいられなくなります。
退去が進むと賃料収入が失われ、修繕費を捻出出来なくなるという負のスパイラルに陥るようになってしまいます。
このようになってしまうと売却しようにも誰も買いませんから、廃墟のようなマンションになっていってしまいます。
勿論こんな事は簡単にはおきませんが、大規模修繕と言うものが大切なものである事は良く覚えておいて下さい。
大規模修繕の流れ
マンションでは建物管理会社が大規模修繕を計画し施工を管理します。
しかし、実際の発注者はオーナー様によりますので理事会により発注される事になります。
マンションオーナーになると理事会の開催や出席の案内が届くようになるかと思いますが、その理事会で大規模修繕の時期や発注先の稟議が行われる事になります。
大規模修繕は建物管理会社にとっても収益の源です。
管理会社任せで高額な工事ばかりしているのもオーナー様の不利益に繋がりかねません。
理事会では適切な管理計画がなされているかをチェックする事が求められているのです。
委任状だけを集めて理事会議事録だけを形式的に発行するようになっていたりしませんか?
理事会ではマンション全体の運営に関して多岐に渡る決定を行います。
主体的に参加する事で自分の不利益にならないようにしていきましょう。
重要事項調査報告書を確認する
オーナーの皆さんが自分のマンションの状況を知るために有効なのが建物管理会社が発行する重要事項調査報告書になります。
この書類には積み立てられている修繕積立金や組合の収支などが記載されています。
建物の実際の状況と長期修繕計画表、そして、この重要事項調査報告書を見て建物のメンテナンス状況を確認していきます。
マンションでは素人目で全てを把握する事は難しいですが、目立った劣化などは確認する事が出来ます。
メンテナンスは売買価格、入居状況、全てに影響していきます。
理事会にはしっかりと参加し、適切なメンテナンスを行い、賢いマンション投資をやっていく事が自分の利益に返ってくるのです。
ここからは具体的な大規模修繕の工事の様子を見ていきましょう。
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外壁工事
大規模修繕と言えばこの外壁工事が一番最初に挙がるのではないでしょうか。
外壁とはマンションの外側、屋上と同じく最も風雨に曝される個所になります。
外壁には種類があります。
代表的な外壁は3種類あり、タイル、サイディング、塗装が大半なのではないでしょうか。
ワンルームマンションの外壁ではタイルが多いと思います。
それぞれ特徴があるのですが、タイルは最も耐久性が強く、一度施工すれば50年程度もちます。
メンテナンスフリーな訳ではありませんが、コストパフォーマンスに優れています。
施工時のコストが3種の中では最も高く掛かりますが、メンテナンスも踏まえるとコストバランスに優れるので大型のマンションでは大半がタイルを採用しています。
塗装の吹き付けでは施工コストは安価で済みますが、10年程度で劣化してしまい、再度塗布する必要があります。
チョーキングと言って表面を触って白いざらざらとした粉が付くようになると修繕が必要となります。
その他エフロ現象と言い、表面に白いもやもやが浮かぶ事があります。
こちらは大きな問題ではなく、コンクリート内部の成分が水分に溶け出し表面で酸化したものです。
乾くと結晶だけが表面に残るため白い靄がかかったようになるのです。
大規模修繕時には足場を組んで作業する事も多いため、工事費も高額となります。
そのため何度も塗装し直すよりも結果的に安価に済む訳です。
外壁が塗装によるものでも塗料により耐用年数が異なります。
安価だけど頻繁に塗る必要のある塗料や、長持ちするが高価な塗料など種類があります。
塗料は色を付けるための顔料、防水効果を持たせるための合成樹脂、塗り伸ばすための溶剤によって作られています。
製品によっては添加剤を加えて用途に合わせた塗料を作ります。
ウレタンやアクリル、シリコンといった合成樹脂が使用されますが、価格と耐用年数に差があります。
最近では各特徴を活かしたハイブリッド塗料が使用される事もあります。
屋上防水
外壁に次いで大規模修繕としては話題に上がるのが屋上防水です。
大規模修繕時に外壁と同時に行われる事も多いです。
工法はいくつかあり、防水シートを敷く物や、塗料を塗るものなど屋上の形状や用途により選ばれます。
マンションの場合は陸屋根と言って屋上が平坦である事が多いので、傾斜が無い分防水工事が重要になります。
代表的なものはウレタン塗料を用いた工事になります。
雨漏りがすでに起こっている屋上では通気緩衝工法という施工内部の水分を逃がす施工をしないと、雨漏りの対策にはなりません。
施工は安価で塗料なので屋上の形状も選ばないのですが、職人の腕によって出来栄えにばらつきが起こりやすく、しっかりと施工しないとひび割れや防水シートの浮き等が起こってしまいます。
シート工法
塩化ビニールの防水シートを屋上に敷く工法になります。
密着工法と機械固定工法とがあり、マンションの場合は機械固定式が採用される事が多いです。
ウレタン塗料に比べて耐用年数が長く、長期間になった場合のコストバランスが良いので大規模なマンションではこの塩ビシートか後述のアスファルト防水が採用されます。
アスファルト防水は道路などに使われるアスファルトを熱で屋上面に圧着させる事で防水機能を持たせる工法です。
耐久性が非常に高く、費用対効果の高い工事になります。
屋上防水ではすでに雨漏りが発生してしまうと施工出来る工事が限られてしまいますし、内部の水が表面に浮き出てくる事があるので雨が躯体に沁み込む前に定期的にメンテナンスを行う事が重要です。
一般的には15年に一度は工事を行う事が望ましいとされています。
廊下階段
基本的には上記外壁、屋上と同じく塗料により防水する事が多い。
その他階段などではシートを使い、防音、滑り止めの機能を持たせる事が多いです。
建物の中か外かで風雨にさらされる頻度が変わるためメンテナンスも異なります。
適宜メンテナンスを行う事が望ましいでしょう。
給排水管
外から見えないため調査が難しいのが給排水管になります。
メンテナンスを怠ると排水管のつまり、漏水、錆が出るなど深刻な問題を起こしかねません。
外壁に沿って管が伸びている建物を見かけますが、紫外線に曝されるため劣化対策が必要となります。
主な工事は排水管を交換する工事になります。
一般的に安価な塩ビ管か、耐久力のあるポリエチレン管が一般的です。
塩化ビニール管
ポリエチレン管
メンテナンスの目安は20年程度に一度と頻度は決して高くありませんが、マンションによっては10年程度でも給排水管が痛む事があります。
給排水管の施工によっては管に水が溜まる事があり、長く留まる事で管を痛めてしまうのです。
エレベーター
エレベーターの保守点検や交換工事も高い費用のかかる工事になります。
エレベーターは一般的に30年程で交換と言われています。
その間は保守点検や補修などで対応します。
エレベーターには代表的なものにロープ式のものと油圧式の物があります。
最近のマンションではエレベーター上部に機械室が不要になったためルームレスのロープ式が採用される事が殆どになりました。
以前は機械室が必要だったためスペースの都合上油圧式を採用する事がありましたが、今では問題が解消され、消費電力が油圧式よりもロープ式の方が少ないため採用されています。
最後に
大規模修繕には大きなコストと時間が掛かります。しかしマンションを維持するうえで不可欠なもので、
一棟物件をご検討の場合は上記のような各種工事をケアする必要があるのです。
コスト・時間に限らず、理事会の参加・施工業者の選定など、不動産経営として重要な業務・意思判断が発生いたします。
区分マンションオーナーの場合は入居者の入れ替わり時に原状回復が必要になりますが、
コストの部分では大きいとは言えず、個人の副業的な投資家でも十分賄える規模です。
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