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マンション管理異常事態!マンション投資への影響は?
- 2021/11/24
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2021年11月13日号の東洋経済に『マンション管理異常事態』という見出しが出ていましたが、ご覧になった方はいらっしゃいますでしょうか?今回は、マンション管理について調査してみました!
マンション投資をされている方、これから始めようと検討中の方にとっては他人事ではないと感じられたはずです。
近頃話題に上がることが多いマンション管理ですが、2022年にはマンション管理適正評価制度も控えており、建物管理に変化が訪れています。普段あまりに気にする事が無いかも知れませんが、それでいて他人事ではないのがマンション管理です。
業界にどんな変化が起こっているのか調べてみましたので、マンション投資をされている方、ご検討中の方はぜひご確認ください!
また、マンション管理の適正化については、東京23区全域であるワンルームマンション規制でも豊島区は平成24年に「全国初の条例化 豊島区のマンション管理推進条例」という規約が適用されています。
マンション管理の異常事態!一体何が起きている?
マンションは一般的に各居室のオーナー様によって管理組合が設けられており、この組合から建物管理会社に管理業務を依頼しています。
その業務は多岐にわたり、管理費・修繕積立金を集めたり、会計・決算報告などの資金回りの調整、設備点検や清掃、大規模修繕のオペレーションなどを担っています。
管理人のいるマンションでは管理人の手配なども建物管理会社が行っているのです。
マンション全体のメンテナンスを管理会社は行いますが、大規模修繕などについては理事会の承認を得る事で行っていきます。
マンションをお持ちの方は、毎月管理費と修繕積立金が徴収されていると思いますが、どのように使われているのかご存じでしょうか?
管理費・修繕積立金は下記の用途で使用されます。
管理費:植栽の剪定や清掃、点検業務や共用部の保守など、日常的なマンション管理
修繕積立金:防水工事や外壁修繕、エレベーター修繕など、一棟全体の修繕の費用
●2018年 建サショック
2018年に建物管理業界を驚かせる事件が起こりました。
業界大手の住友不動産系列の建物管理会社、住友不動産建物サービスが自社の管理マンションに対して管理の解除を申し入れたのです。
契約辞退を申し入れた件数は何と管理マンション全体の1割にも及びます。
引受管理組合は2300にも及んでいたそうですから、実に200件もの解約事案が起こったということになります。
これまで管理組合が管理先を変えるということはあっても管理会社側から管理を辞退することなんて考えられませんでした。
そこには業界の長きにわたる歪な構造が関係していたのです。
建物管理は元来ストックビジネスと考えられており、利益が薄くても管理戸数を増やすことが経営上正しいとされてきました。建物管理会社同士の競争が起こった際には管理委託費を値引きしてでも管理戸数を増やす事を優先してきたのです。
その慣例により委託費はだんだんと値下げされていき、利益率がギリギリとなっていき、経営を圧迫するに至ります。
追い打ちをかけるのが人件費の高騰です。
マンション管理は高齢でもできる仕事として労働単価の低い業務として募集してきました。ところが、2010年以降最低賃金は上昇を続けており、マンション管理業はその影響を正面から受ける格好となりました。
東京都最低雇用賃金は上がり続けているのに対して管理会社の売上である管理委託費は横ばい。それどころか、管理会社同士の競争により下がってさえいるのです。
こういった事態を受けて住友不動産建物サービスは採算の取れないマンションについては管理を切っていくという判断をする事にしました。
業界の常識からは考えられない思い切った決断でしたが、この流れが業界の悪しき慣習にメスを入れる形となり、管理会社がコスト割れしているマンションの管理を見直すきっかけとなったのです。
コストの増大も課題に
上昇を続けるのは人件費だけではありません。高まる建築コストは修繕費にも影響しています。
大規模修繕と言えば管理会社にとって利益の柱でしたが、今ではコストがかさみ、利潤もかつてとは比べられないものになっています。
今までは理事会で修繕費が高いと非難が集まれば、管理会社は管理を失わないために修繕費を値下げして対応してきました。しかし、最近では、「それなら管理を変えてもらっても構わない」という考え方に変わってきています。損をしてまで管理を行う必要はないということです。
マンション管理会社を替える事を『リプレース』と呼びますが、このリプレースを盾に管理会社に無茶を言う理事会も少なくないようです。
コロナ禍以降、在宅勤務や自粛などで自宅にいる時間が長くなり、賃借人の暮らし方に変化が出ています。それに伴い騒音などのクレームが多発し、対応する人員も以前よりとられるようになりました。
人件費が上がり、業務も増えているというのが現在管理会社が置かれている立場です。そういった苦労も報われることなく、対価に反映しないのでは、コストが割れてまで引き受ける必要が無いという判断になっても不思議ではありません。
一方では、『管理会社が無気力で形骸化した理事会を利用して高額な大規模修繕を行い利益を挙げている』等の問題も話題にあがりました。
NPO法人マンション管理支援協議会によると、従業員の着服なども問題となっています。
大手サービスでも事件は起こっており、対岸の火事とは言えません。
これら事件の温床になっているのが、組合員の意識の希薄さです。横領や着服、過剰な請求等が行われていてもチェック機能が働いていないため、事態の把握が遅れてしまうのです。
このように、理事会と管理会社の関係は今では多様化しており、一見似たようなマンションでも裏では様々な問題を内包しています。
皆さんのマンションが管理問題に直面しているかどうか今一度確認が必要だといえるでしょう。
それでは次に、問題のある管理組合にはどんな特徴があるのかについて、確認していきましょう。
●マンション管理組合が形骸化している
上記にも書いたような無気力な管理組合です。
ワンルームマンションでは特に自分たちが住んでいるわけではないため、顕著な例が目立ちます。組合員の大半が委任状を提出しているだけで、参加意識が希薄で総会議事録だけが形式的に作成されているだけのマンションです。
理事長も管理会社の提案をそのまま採用しているだけで主体的ではないため、コストに無駄が生じやすく結果としてオーナーさんは不利益を被っています。
最近では建築資材の性能も上がってきており、長期修繕計画表よりも修繕計画を先送りにするマンションが多くなっています。ただ、実際には痛んでいないのに計画通りだからと修繕を行う管理会社も考えものです。
マンションの実態とすり合わせて必要に応じて修繕を行わなければ、無駄な修繕となってしまいます。
修繕費は各所有者が毎月納める修繕積立金から捻出されているため、原資はオーナー様のお金です。
無駄な修繕が常態化していると修繕積立金の値上がりも頻繁に起こるようになります。修繕積立金の値上げを言われるがままに承諾していては、収支は悪くなっていく一方となってしまいます。
●マンション管理会社との関係性が悪い
こちらは上記とは逆で、マンション管理会社の提案には何かとケチをつけて理事会承認を出さないケースです。ファミリータイプのマンションで多く見られます。
築年が15年を超えているのに修繕積立金が上がっていない物件があります。長期修繕計画表の収支が赤字計画であるのにも関わらず、修繕費を上げる承認が下りないのです。
修繕はそもそもが必要なので行うのであり、必要な修繕を行わなかったり、徴収するべき修繕費を集めないのでは、良好なマンション運営の障害になるのは当然と言えます。
前述したように、リプレースをちらつかせて「管理会社は他にもある」と脅すような姿勢を見せていると、管理会社としてもそのマンションの優先度は下がってしまうでしょうし、安かろう悪かろうでマンションの管理状態はどんどん悪化していくでしょう。
最後には管理会社側から管理を解除されてしまい、管理を引き受けてくれる会社が無くなってしまうかもしれません。そうなると、結局もともと任せていた会社よりも高い費用で管理を委託する事になるか、自主管理という形を取るしかなくなってしまいます。
自主管理では建物管理のオペレーションを自分たちで行う事になります。定期清掃の依頼をかけるか、自ら掃除をするか、修繕についても同じです。
大型のマンションであれば各業者に見積もりを取り、発注を自分達でかけなければいけません。手間もかかるようになり、かえってコストがかかります。
このように書いてみると、管理組合と管理会社の極端な関係に問題がある事が分かります。
互いに理解を示して、マンションの合理的な管理という共通の目的に対して協力する姿勢があればこのような事にはなりません。
総会の度に委任状を送るだけ、誰かがやってくれればいいと管理組合員として不参加の態度ではマンションの管理状態は悪くなる一方です。
組合員それぞれが主体的にマンション管理に取り組み適切な管理の知識を身に付ける事で言いなりになる訳でもなく、横暴な振る舞いをするでもない。双方が協力してマンション管理に取り組む事で、健全な環境が作られるのです。
ワンルームマンション投資では特に投資効果や利益に直結します。建物管理はマンション投資の重要なファクターであり、健全であることが前提となります。
オーナー様一人一人が参加意識を持ち、しっかりとした管理に目を光らせると同時に、建物管理会社を理解して、協力していける関係を築いていくことを心掛けていきましょう。
いかがでしたか?
2022年には、『一般社団法人マンション管理業協会』により、『マンション管理適正評価制度』がスタートするようです。これはマンション管理を点数化して建物管理の健全さを分かりやすくする事が狙いになります。
この制度により管理に問題があるマンションを避ける事が出来るようになるなど、売買にも影響がありそうです。それどころか、マンション管理の状態で中古物件の価格にダイレクトに影響するようになるかもしれません。
建物管理の状況が売買価格に影響があるということは、これまでよりもさらに建物管理のあり方が重要になるということです。
全ての管理会社が強制的に参加しなければいけないものではないので、試験的な所はありますが、注視していく必要があります。
この制度ではマンションをSからDまで5段階で可視化出来る様評価します。D評価が多かったりすると建物管理に問題有りと言う事で売却時に悪影響が出るようになるかもしれません。
この評価制度で高いランクを取っている事が良い売買の条件になるかもしれません。
建物管理の常識が変わって来ている今、改めてご所有のマンション管理を見直していただくことをおすすめいたします。
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