【東京の治水対策】不動産投資をするなら知っておこう!

2021年もいよいよ師走を迎えます。

毎年秋にやってくる台風シーズンも、東京では特に大きな水害もなく過ぎ去りました。

今回は、台風シーズンが終わったところで、『東京の治水対策』についてお話ししていきたいと思います。

治水対策を知って、不動産投資に活かそう!

皆さんは、『降水量10mm』がどういう意味か分かりますか?天気のニュースでは当たり前に使われている表現ですが、意外に知らない人も多いのではないでしょうか?

簡単に説明いたします。

雨量を示す『10mm』といった表記は、1時間当たり水が流れていかなった場合にどれだけ水が溜まるかということを示しています。

たとえば、プールをイメージして、それにどれくらい水が溜まるかを想像すると分かりやすいかと思います。1時間に10mmですから、プールには1時間で1cm水が溜まるということです。

さて、記憶に新しい令和元年の台風19号ですが、神奈川県箱根町では日降水量が946mmを記録しました。こちらは1時間ではなく1日の雨量です。

つまり1日で9mも水が溜まる量が降り注いだことになります。

一般的に、1時間当たり20mmの雨量を超えると『大雨』と言われます。それが2倍の40mm平均で1日中雨が降ったということですから、これがいかに異常な事態なのかかが伝わるかと思います。

そんな歴史的台風には『令和東日本台風』と名前が付き、大型台風として記録されました。

この時の、多摩川が氾濫・二子玉川の人災といったニュースが記憶に残っている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

全国的に大きな被害をもたらした令和東日本台風ですが、思い起こすと東京の被害は軽微なものでした。

江戸の頃より埋立地が多く、水害に弱いとされてきた東京ですが、未曾有の大災害に対しても堅牢な構えを見せました。

今回は、『東京の治水対策』について調べてみましたので、さっそく見ていきましょう。

東京の治水対策の歴史

まず、水害や洪水が起こる原因は一体何なのでしょうか?

それは、大量の雨が河川や下水に一気に流れ込むことです。

大量の雨が一気に流れ込むことで河川や下水が溢れかえり、そして水害や洪水が起こってしまうのです。

降る雨の方を調節することは不可能なため、治水対策は『降った雨をどうするか』ということを考えて行われます。

東京は地表がアスファルトに覆われており、山で言えばはげ山のようなものです。水はけが良く、早いスピードで河川や下水に流れていきます。

森や林など樹木が多ければ雨は木の根に阻まれ、土に沁み込む事で時間差を持って河川に流れていきます。

しかし、東京では道路を滑るように雨水が流れていき、どんどんと川の水嵩が増していくのです。

そのため、東京では各家屋単位で浸透ますと呼ばれる土中に雨水を拡散させる設備を導入しています。


これにより、雨水を分散して流れるようにし、集中する事を防ぎます。

こんな風に意外な所で治水対策を施している東京ですが、水害に見舞われて来た歴史があるからこそ対策が取れている事が分かります。

●明治の大水害

明治43年、歴史に残る大洪水が起こりました。

大規模な台風により大雨に襲われた東京は、家屋全壊2765戸、流失3832戸という大災害に見舞われたのです。

この事を重く受け止めた東京都は、洪水対策として荒川放水路を計画しました。

この計画は隅田川から東へ中川を通じて東京湾まで川を迂回させる大事業となりました。

これが今日の荒川です。

当時荒川の土地には当然住んでいる人がいたわけですが、治水対策が急務であった事もあり、かなり強引に立ち退きが進められ荒川工事が進められます。

大洪水により世論も荒川放水路の工事を容認していたため、この大事業は急ピッチで進んでいったようです。

そして、昭和5年に完成して以来90年もの間、荒川は氾濫していません。

これに伴い隅田川も氾濫のリスクが低くなりました。

大雨が降り隅田川が増水した際には岩淵水門を閉じることで隅田川に流れる水流を荒川に流すことができ、隅田川氾濫はかなりの確率で防げる事となります。

荒川の治水対策はこれだけではありません。

荒川第一調節池として彩湖があります。彩湖は人工の湖であり、荒川増水時には水を引き受ける働きをします。


(写真:国土交通省 関東地方整備局 荒川上流那珂川事務所 https://www.ktr.mlit.go.jp/arajo/arajo00160.html

この他にも荒川第2調節池、第3調節池が計画されています。

東京は荒川という巨大な対洪水施設を作りました。そしてこれさえ氾濫させなければ、相当の雨が降り続いても耐えしのぐことができます。

荒川の治水対策を増強していく事で、東京全体を洪水から守っていく計画なのです。

さらに『地下神殿』として知られる『首都圏外郭放水路』があります。

(出典:wikipedia『首都圏外郭放水路』“Kasukabe2006 06 07.JPG” by Dddeco)

東京の地下には人工の遊水路が沢山あるのです。

普段は広大な空間が広がっていますが、大雨の際にはここでも水を引き受けます。東京中に張り巡らされた下水網自体が大雨を引き受けられるような治水対策が行われています。

また、川での治水対策も進んでいます。

高規格堤防と呼ばれる堤防に順次変えており、決壊を起こり難くしているのです。

堤防の決壊には越水と浸透と種類がありますが、どちらにも効果がある堤防であり、高規格堤防の工事が進んでいけば多摩川のような事例はもう起こらないと見られています。

テレビ等で話題になったスーパー堤防がこれにあたります。


(出典:国土交通省 第1回高規格堤防の効率的な整備に関する検討会 配布資料 https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/koukikaku_kentoukai/dai1kai/pdf/2-1_genjyo.pdf

荒川の堤防では一部堤防よりも低い線路があります。

京成本線の荒川橋梁が堤防よりも線路が低く、増水の際にはここから越水する懸念があります。

改装工事は計画されていますが、いつになるかまだ分かりません。今は暫定的に土嚢で対策されています。

●大型河川よりも名前も知らない川の方がリスクが高い

ここまでに書いてきたように、大型の河川では相当の治水対策がされており、氾濫リスクは低いと言えます。

よく、「江東区の土地は低い」と言われますが、近年の埋立地は海抜5メートル程度で作られており、東雲等は周辺の避難地区となっている等印象と実態に乖離があります。

臨海エリアなどの水害リスクが低いのとは逆に武蔵野台地で安心だと思われているエリアにもリスクがあります。

それは、名前も知らない小さな川です。

ハザードマップをよく読み解いてみると、多摩川や荒川の周辺での水害リスクに対して小さな河川の周辺の方が想定リスクが高いことが見てとれます。

東京の東側のリスクが高いと言う先入観を捨てて、ハザードマップをよく確認していただきたいと思います。

マンションでは水害被害は少ない

マンションの場合、損害保険に加入する際に水災保障を外せるようになっていることをご存知でしょうか。

これは、マンションの2階以上階層の場合、「水災被害など起きない」というクレームが多いため、水災保障を外すことができるようになっているのです。

調べてみてもマンションの2階以上に浸水が及ぶ事例は見つかりませんでした。

床上浸水が起こったとしてもマンションの被害は地下と1階に限定されますし、損害保険で賄える場合がほとんどだと思われます。

戸建て住居で躯体に損傷が起こるなどすれば修繕は高額になりますが、屋内設備程度であれば保険で賄えるでしょう。

賃借人の家財に関しては賃借人の保険で賄いますから心配はいりませんし、共用部分については管理組合で保険に加入しています。

保険的な視点で見てもマンションの水害に対するリスクは高いとは言えなさそうです。

数多くの水害に見舞われてきた東京

東京都は日本の中枢です。

かつては水害に弱い街でしたが、今では強固な治水対策が施されています。そして、それは今後も持続的に行われていくのです。

異常気象と呼ばれる悪天候に見舞われることが増えていますが、同時にそれらをコントロールするテクノロジーも進歩しています。

歴史上で起こってきた災害を無視する事は出来ませんが、それは教訓として治水対策に活かしています。

大自然の前では人は無力と言われますが、東京は精一杯治水対策を行うことで、今後起こり得る被害を最小限に抑える努力をしているのです。

いかがでしたか?

『東京は災害が少ない都市』というイメージがあるかもしれません。たしかに関東大震災以降大きな甚大な地震は経験していませんが、今回の内容の通り、『水害』という部分では昔から災害と戦ってきた過去があります。

東京の計算された水路や排水機構などの治水対策は、私達が中々知りえない過去の教訓や工夫が数多く積み重ねられた賜物なのです。

私達不動産投資に携わる人間は、再開発・インフレ整備計画・ハザードマップなどを綿密に確認することで、水害が多いイメージだけで投資対象地域を絞ってしまうことのないようにしましょう。

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