サブリース契約のトラブル、意外な落とし穴とは?

突然ですが、サブリースのトラブルと意外な落とし穴について、知っていますか?

サブリース契約でトラブルが発生したり失敗してしまうケースは、実は少なくありません。

サブリース契約は新築物件の分譲で多く、購入時に当たり前に案内されて契約される方も多いかと思います。「賃料が保証されているので安心」と案内されて中身をよく確認もせずに契約してしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

『入居者が居ない間も家賃が入ってくる』サブリース契約とは、本当のところ一体どういうものなのでしょうか?

今回は、サブリース契約について説明するとともに、サブリースのトラブルや意外な落とし穴についてお話ししたいと思います。

サブリース契約とは?

そもそもマンションオーナーは、部屋を借りてもらわないと賃料が入ってきません。

部屋を借りる際には賃貸契約を結ぶのが普通です。これを「普通賃貸契約」と呼び、ほとんどが2年毎に更新の時期がやってきます。

この契約は賃借人とオーナーの間で結ばれます。契約時、更新時には不動産業者が仲介するため分かりにくいかも知れませんが、賃借人とオーナーの二者間で結ばれているのです。

それではサブリースはどうなっているのでしょうか?

サブリース契約というのは「マスターリース契約」と「サブリース契約」の二つによって結ばれます。

●オーナーとサブリース会社の間で結ばれる「マスターリース契約」
●サブリース会社と賃借人の間で結ばれる「サブリース契約」

これらを併せてサブリース契約と呼んでいるのです。

オーナーの視点から見ると、部屋を貸しているのはサブリース会社ということになります。このことから、部屋が空室であっても賃料が入るという仕組みになっていきます。

部屋の入居状態に関わらず、サブリース会社によって部屋はすでに借りられているのですから、人が住んでいるかどうかは関係ないのです。

サブリース契約の仕組み

サブリース会社は基本的にオーナーから借りた部屋を転貸して利益を出します。この転貸をする際にオーナーから借りた賃料よりも高く貸すことで利益を出すのです。

一般的なサブリース契約では相場賃料の85%~90%で借り受けます。そして相場賃料で貸し出せば差益が出るため、「入居が付いている限りサブリース会社は利益が出る」のです。

空室になっても賃料を払わなければなりませんが、サブリース会社は入居のつかない部屋のサブリース契約は引き受けないことが一般的です。

例えば都心の区分マンションであれば平均入居率は98%以上にする事も難しいことではありません。そのため、10%程度の賃料収入が取れるのであれば、数多く契約を引き受けることで利益を出せるのです。

オーナーからすれば本来の賃料よりも利益は減ってしまいますが、安定した収益を得られるため、突然家賃収入がゼロになってしまうリスクはなくなります。

ただ、よく理解せずに契約してしまうと思わぬトラブルに頭を抱えることになってしまうかもしれません。

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サブリース契約で起こりうるトラブル


それでは、サブリースで起こりうるトラブルを具体的に確認していきましょう。

トラブル①解約できない

サブリース契約で起こりうるトラブル一つ目は、「解約できない」というものです。

サブリース会社はオーナーにとって賃借人の立場になります。

日本では、「借地借家法」という法規定により借主の権利が保護されています。これは大家さんが不当に家賃を引き上げたり、退去を迫ったりする事を制限するために措置されたものです。

「普通賃貸契約」では基本的にオーナーは賃借人の契約更新に応じなくてはならず、正当事由なく契約解除を行う事が出来ません。サブリース契約ではこの保護される立場がサブリース会社側であり、オーナーよりも強い立場に立つことになります。

これにより、「サブリース契約は解約が出来ない」というトラブルが起こってしまうのです。

トラブル②家賃が上げられない

サブリース契約で起こりうるトラブル二つ目は、「家賃が上げられない」というものです。

サブリース契約においては、オーナーとサブリース会社が賃貸契約を結んでいます。

実際に住んでいる入居者がいくらの賃料を払っていようがオーナーに入る賃料はサブリース会社と定めた賃料だけです。賃料相場が上がるなどして入居者の賃料が上がっていっているとしてもオーナーに入る賃料は変わりません。

オーナーに支払う賃料を上げるようサブリース会社に交渉することは建前上出来るようになっていますが、応じるケースは少ないでしょう。

トラブル③家賃が下がる

サブリース契約で起こりうるトラブル三つ目は、「家賃が下がる」というものです。

家賃が上げられないどころか、家賃が下がるケースもあります。

サブリース契約のほとんどは契約期間の定めの他に賃料に係る条項があり、賃料は相場に応じて見直す旨が記載されていることでしょう。オーナーは当初いつまでも保証された賃料が支払われると思い込んでいる事がありますが、サブリース会社から支払われる賃料は下がる可能性もあるのです。

貸している部屋の賃料が実際に下がればサブリース会社は利益が出ないのですからオーナーから借りる賃料を下げて利益を出すしかありません。

オーナーは賃料を下げる事に応じるか契約をやめるかの選択を迫られます。

サブリース会社からすれば、「利益の出る部屋は契約を続けて、利益の出ない部屋は値下げ交渉をすれば良い」という事になります。オーナーが応じないのであれば契約を解除すればいいだけです。

サブリース会社側が借主なのですから、契約解除はサブリース会社側に有利にできています。普通賃貸契約でも借主が契約更新時に解約できるようにサブリース契約も解約できます。

オーナー側からの契約解除は自由にできないため、この点は大きく不利益であると言えるでしょう。

トラブル④売却しにくい

サブリース契約で起こりうるトラブル四つ目は、「売却しにくい」というものです。

サブリース契約を結んでしばらく経ち「当初と違うな」と後悔して物件を売却しようと思っても、なかなかすんなりとはいきません。

売却する際、賃貸契約というのは次のオーナーに継承されるものです。今住んでいる人は所有者が変更されても、賃料を次のオーナーに支払って住み続けます。この際賃貸契約は前所有者から新所有者に引き継がれます。

サブリース契約の場合も同じように引き継がれます。

ここでトラブルが発生するのです。

例えば相場賃料10万円で貸している部屋を9万円でサブリース契約しているとします。売り物件になった時、同じ物件で「10万円で貸せている部屋」と「9万円のサブリースの部屋」ではどちらの部屋の方が高く売れるでしょうか?

それは、10万円で貸せている部屋です。

例え相場賃料との差がそれほどないとしても、「サブリース継承」という条件が付くだけで売却時の価格は下がってしまうのです。

次に買う人にとってサブリース契約というのは障害でしかありません。有利なつもりで結んだサブリース契約ですが、あらゆる場面で足枷になるのです。

売れないとなるとサブリース契約をどうにかするしかありません。しかし、上記にあるように借地借家権によって、オーナーからの解約は容易ではありません。解約条件に貸主側の条件記載の無い契約書もあれば、かなり厳しい解約条件が記載されている事もあります。「解約に際しては半年分の賃料を払う」等と記載がある場合もあります。

サブリース契約をやめるだけで何十万も掛かるなんて大きな損失ですよね。それが故にサブリース契約付きの物件は評価額が著しく下がってしまうのです。

新しく物件を買う際、空室が怖いのは当然ですが、安易にサブリースという選択肢を取ってしまうと、さらなる不利益を被ることにもなりかねません。都市部の区分マンションであれば入居で困ることはまずありませんし、入居付けで困るような物件を買ってはならないとも言えます。

サブリース会社は、「入居が付くからサブリースを引き受ける」わけですから、デメリットもよく理解して考えることが大切です。

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