マルサスの人口論に学ぶ  現代の日本の人口は、なぜ減り続ける一方なのか?

現代の日本の人口は1億2千万人です。2060年には9千万人を下回ると予測されています。

一体なぜ、日本の人口は減る一方なのでしょうか?

人口の推移は大枠で言えば生まれてくる子どもと亡くなる人の多寡により決まります。亡くなる人の数に関連するのはやはり高齢者の割合でしょう。

日本の出生率は女性一人当たり1.4人。
そして高齢化は進行。

日本は新しく増える人口よりも減っていく人口の方が多いため、どんどん人口減が進んでいくのです。

本記事では、なぜ出生率が低いのか、いつか少子高齢化が終わり人口が増えるときが来るのか、日本の現在と未来について考えてみたいと思います。

なぜ出生率が低いのか?

人口の増えている国では出生率が高く、子どもがどんどん増えています。しかし、日本の出生率は低く、子どもが増えません。

この差は何なのでしょうか。

原因は色々と言われていますが、トマス・ロバート・マルサスの人口論とアダム・スミスの国富論からヒントを探ってみたいと思います。

マルサスの人口論では、『食糧の増え方は足し算的なのに対して人口の増え方は掛け算的である』と説き、爆発的な人口増加の結果、食糧難になると警鐘を鳴らしてきました。しかし、人口は掛け算的に増えるどころか減少に転じています。これはマルサスの罠とも呼ばれていますが、現代では人口論の解釈を少し変える必要がありそうです。

人口が増えるためには、子どもを生み育てるためのリソースが十分にあることが前提となります。現代社会において、それは資産を指します。

食べ物が必要なのは当然ですが、食べ物だけではなく、生活を支えるお金が十分にあることが条件となるのです。確かに、自分自身が生きるのに精いっぱいの家計では、子どもをつくろうとは考えにくいかもしれません。

お金が十分にあり、暮らしに問題が無く未来の予測も立つのであれば、積極的に家族を増やしたい気持ちにもなるでしょう。

マルサスの時代では食糧が十分にあれば人口は増えると考えられていましたが、今日では食糧だけではなく、『生きていくための資本』が条件として加えられていると考えられます。

出生率の低い日本ですが、『飽食の時代』と呼ばれる程ですから、食べる事に困っているわけではありません。しかし、豊かな暮らしができているかと言われると、返答に困ってしまう方が多いでしょう。

日本の平均年収は長いこと上がっておらず、可処分所得は横ばいのまま、税負担だけが大きくなっているのが現状です。これでは、出生率が上がらないのも仕方がありません。

アダム・スミスなら、「出生率を高めていきたいのであれば税負担を軽減し、国民所得を高めることが人口を増やす近道」と言いそうですが、現実には消費税が上がり年金負担も増え続けているため、増えようがないのです。

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税負担は何故重くなる?

少子高齢化のもたらす影響の一つに年金負担の増加が挙げられます。

納税をする人は年々減衰していく一方で、年金受給者は増えていきます。それまで働いていた人が年金をもらう側に回るということは、それまで納税していた人が減るという事態を同時に招きます。

少子高齢化は税収の減衰と年金支出の増大と言う二つの現象が同時に起こる訳です。そして、足らなくなる税金を補うために増税しなくてはならないと言う悪循環に陥ってしまいます。

この先さらに消費税が増税されたり年金負担が増えたりすれば、さらに出生率は低下するでしょう。人口論に頼れば、人口は確保されているリソースの限り増大するはずですが、『生きていくための資本』はどんどん少なくなり、少子化を後押ししていくことになってしまいます。

成熟した現代社会では必要と考えられるリソースも増大しており、出生率が伸びないのは単純なリソース不足が原因となってくるのです。

リソースとは何を指すのか?

現代社会は、食べ物さえあれば人口を増やせるほど単純な社会ではなくなっています。子どもは教育を受ける必要があり、大学に進み就職をすることで貨幣を得ることができると考えられています。

この社会で生きていくための収入を得られるようになるのにどれ程のお金が必要なのでしょうか?

親世代にとって子供の大学費用はひと財産です。それらの捻出を考えると、『簡単には子どもを産めない』と思う家庭も多いのではないでしょうか?

暮らす家があり、十分な収入があり、未来への蓄えがあることで初めて、子どもを産み、育てていくことができます。

収入が下がり、支出が増大し、蓄えが出来ず、家が買えない。そんな中では、子どもを産み、育てていくことは非常に困難です。

マルサスの罠の正体は現代社会ではリソースの内訳が増えていて『生きていくための資本』として教育やステータス、スキルといったものが必要になっていると言えます。

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このスパイラルは続くと考える

少子高齢化が収斂するのは2045年~2060年頃と言われています。この頃になると高齢者も減り、少ない出生率でも増加と減衰が釣り合うようになります。

移民の受け入れなど劇的な変化があれば別ですが、基本的にこの期間人口減衰が進むものだと考えておく方が良さそうです。

日本の人口減少は構造的なものであり、脱却する事は難しそうです。

年金支給を取りやめて減税を行えばこのスパイラルを脱却できるかもしれませんが、そうすると今度は年金不安が増大し、結局出生率は伸びないかもしれません。

「これをすれば解決する」という単純な手法が無いのが現状なのです。

マルサスの人口論と現代の人口減少の関係

少子高齢化を騒いでみても結果は変わらないでしょう。

人口が増えない要因は、『子どもを増やすための良い材料である所得の増大や減税といった措置が年々失われ、悪い材料が増えていく』ことにあります。

そしてそれは、政治のせいというよりも、これまでの人口動態と経済発展の形による当然の結果とも言えそうです。

私たちがすべきことは、現状を認めて備えること。

今後不動産市況は、減少する人口を踏まえた動きに移っていくでしょう。取引は商業価値のあるエリアに集中していくことが予想されます。

幸いにして人口減少のシミュレーションは分かっています。これから何が起こるか分かっているのですから、備えることはできるはずです。

変化していく市場に柔軟に対応していきましょう。

 

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