
4月20日の日経新聞にコンパクトシティーに関するニュースが掲載されていたので、ご紹介したい。
マンション経営とコンパクトシティ―の関係や、コンパクトシティ―化によってマンション経営者はどう動いていけばよいのかの参考になれば幸いだ。
人口減時代に向けたコンパクトな街づくりが遅々として進んでいない。
国の推計によると、2045年には74%の市区町村の人口が2015年比で2割以上減少する。
地方を中心に地価が安い郊外開発が進み、公共インフラが後追いする「スプロール現象」に歯止めがかからず、自治体の税収が減るのに過剰ストックの維持費だけがかさむ。
このリスクを抑えるのがコンパクトシティーの形成だ。都市密度を高めれば、1人あたりの行政費用を減らすことができる。
国土交通省は2014年度から補助金などを通じ、コンパクトシティー化計画である「立地適正化計画」の策定を自治体に促した。
同計画は「居住誘導区域」と店舗や病院、学校などを集める「都市機能誘導区域」を設定し、区域外の開発には届け出を義務付けるため、計画の変更を事業者に勧告することができる。無秩序な開発に財政負担が膨らむことを止める効果に期待が集まっていた。
日経新聞は2017年末までに計画を策定した116市町に進捗を問う調査表を送付し、聞き取りを含め全市町の回答を得た。
そこから計画の実効性が乏しい実態が浮かび上がってきた。
2018年1月末までに誘導区域外の開発届けがあったのは全体の56%にあたる65市町で、計1098件。
うち、58%に当たる32市町が何も手を打たず、事実上の黙認をしていた。制度説明や規模縮小の依頼など「情報提供・調整」をしたのは42%だったが、建設計画を変えた事例はなかった。
届け出が175件と最多だったのは熊本市だ。事業者に情報提供もしていなかったことが明らかになっている。
農地から宅地への転換のほか、診療所や大型店の建設も進む。熊本地震で被災した市民病院の移転先は都市機能誘導区域外だ。担当者は「適当な土地がなかった」と説明した。
水戸市では福祉施設や保育所など誘導対象施設の郊外開発が12件あったが、「駐車場を確保でき、地価が安い郊外に事業者は流れる」のが実情で、区域内の新設はないという。
神奈川県藤沢市のマンションに対する勧告が1件あったが津波で浸水の恐れがある地区の地下住戸の取りやめを求めたもので、本来の趣旨に沿う対応とは言いがたい。
勧告に強制力はないものの、京都大学の諸富徹教授は「誘導区域外の新規開発地区への行政サービスを後回しにするくらいの姿勢を見せなければ、むやみな郊外開発は止まらない」とし、「勧告など使える手をもっと使うべきだ」と主張する。
だが調査では郊外開発を抑えるどころか、アクセルを踏んでいる実態も見えた。
本来は法的に都市開発を厳しく制限する「市街化調整区域」のはずだが、要件さえ満たせば宅地や店舗を開発できる独自の規制緩和を温存する自治体があるのだ。
立地適正化計画を持つ自治体の3割の34市町が規制を緩めていたと回答。札幌や富山、岐阜など22市町が緩和をやめない方針を示した。9市町が「見直す予定で検討中」で、緩和を「撤廃した」のは1市、「一部撤廃」は2市にとどまった。
規制再強化に及び腰なのは対象地区の住民が増えにくくなり、街の集約に反発が起きかねないからだ。2005年に4市町が合併した兵庫県たつの市は、過半が調整区域に住み「地域コミュニティー維持には規制緩和は必要」と訴える。
もちろん各市町では誘導区域に施設や住宅が立地する事例はある。ただ郊外開発を容認したままでは水道やゴミ収集など行政サービスの負担は増し、根本的な問題が消えることはない。
東工大の中井検裕教授は「立地適正化計画は中心拠点以外の地域をどうするかの視点がない」と指摘する。居住誘導区域外は新規立地規制を厳しくするのも一案という。
米国の一部都市では中心部に移る人に補償金を出す制度や、空き家を自治体が保有し利用希望者に渡す仕組みがある。都市の衰退を避けるため、より効果的にコンパクトシティーを実現する制度が必要なことは明白だ。
人口の東京一極集中が進む一方で、地方は都市機能の健全維持に向けて本格的に動き出す必要がある。
不動産投資という視点で考えた時、人口が集まりやすい地域に物件を購入した方がよいことは明白だ。
マンション経営を円滑にするためには、入居者の確保が最重要だからだ。
都心の築浅中古ワンルームマンションであれば、入居者の確保という視点・資産価値という視点から見ても堅調であることは間違いなく、マンション経営に差的な立地といえるのではないだろうか。
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