
「東京都心の駅から5分程度のマンションでは、築年が20年を経過すると、それが築20年でも築50年でもあまり賃料に差は出ない」という記事を見かけました。
賃貸管理の現場を見ても、「その通りだな」と感じます。
そこで今回は、賃貸管理の面から都心マンションと郊外アパート・地方マンションの違いについて考えていきたいと思います。不動産投資をご検討中の方はぜひ最後までご覧ください!
都心マンションと郊外アパートの違い
東京の区分マンションの賃料は7.5万円あたりが下限で、それを下回る物件はあまり見掛けません。ただ、少し郊外になると、賃料が4、5万円のアパートが出てきます。
私たち和不動産は都心で区分マンション投資を行うオーナー様に対し、利益向上のためにリフォームやリノベーションを提案していますが、同じような考え方を郊外のアパートや地方都市の区分マンションにあてはめると上手くいきません。
それは、郊外のアパートや地方都市の区分マンションの経費率が高いことに理由があります。
リフォームやリノベーションをしたとして、「その費用をどれぐらいで回収できるのか」と考えると、地方都市の区分マンションは東京に比べると賃料が低いため、費用の回収には時間がかかります。
つまり、『賃料が低いということは賃料に対してかかる経費の割合が大きい』ということ。
エアコンは、東京で買っても大阪で買っても概ね同じ金額。工事費もそう変わらず、掛かるコストは大きく変わりません。ただ、回収率は変わります。地方都市の区分マンションより、高い賃料が取れる東京の区分マンションの方が回収率は高いのです。
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地方は物件が安いが、利益率は……?
物件自体の価格は地方都市の方が安いですが、リフォームやリノベーションといった追加費用の資金を投下する場合は、賃料の高い東京の方が収益率が高くなります。これを郊外のアパートに照らしてみると、「なるほど」と思います。
郊外の築古アパートで、設備も古いままの部屋を多く見かけるかと思いますが、これはなぜなのでしょうか?
オーナーとしては、「リフォームやリノベーションしたところで、この低い賃料で一体いつその費用を回収できるの?」という考えになります。費用を回収できなければ収益は上がらないため、「リフォームはせず、賃料を下げてでも今の状態のまま可能な限り稼げればいい」となってしまうのです。
また、新築アパートが建つことももちろんあるでしょう。賃借人は新しい部屋を好むため、当然新築の方が需要があります。そうすると、入居者の付かない築古のアパートは、築年が古いだけでなく、内装などもどんどん古い仕様になっていき、それに伴って賃料が下がっていってしまうといサイクルが起こるのです。
地方マンションの老朽化が進む理由
地方都市の場合、マンション全体で老朽化のようなものが進み、それぞれの部屋も特に修繕されないため、賃料を安くすることで入居付けをするようになります。そうすると、借り手側から見た時にそのマンションの賃料がやたらと安く映るようになってしまい、マンション全体で見ても「なんとなく安いマンション」というイメージになってしまいます。
マンションの賃料は各部屋の状態に応じて異なりますが、安い部屋が並ぶせいで安いマンションに見えてしまうのです。
皆さんも物件を購入する際、一棟全体の賃貸状態をとても気にされるはずです。一棟全体で空室がいくつもあるようだと、そのマンション全体のイメージがなんとなく悪く映りますよね。自分の部屋はリフォームしていて綺麗だとしても、他の部屋がどんどん老朽化していくと、そのイメージが他の部屋にも波及してしまうのです。
そうなると、「お金を投下して綺麗な状態でマンションを使っていこう」というサイクルが生まれなくなってしまうのでしょう。郊外アパートや地方マンションの『築年が経つと痛むペースが早くなる理由』は、こういったところにあるのかもしれません。
地方の築古が、『価格が安く、非常に利回りが高い』のは、資金投下、再投資がされてないというところにも起因するのだと思います。
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おわりに
都心のマンションの場合は、ある程度の段階で修繕を行っても回収できる余力があるため、リフォームを繰り返し使い続けられます。
しっかりした広さがあれば、リフォームを行うことで築20年からさらに30年経っても、高い水準の賃料で貸すことができるのです。
これから不動産投資を始めようとお考えであれば、長期的な投資であることをきちんと把握した上で物件選びをしていただければ幸いです。