2018年5月22日の日本経済新聞にマンション経営にも影響を及ぼす民泊の記事が掲載されていたので紹介する。
ファミリーマートは5月21日、民泊仲介世界最大手の米エアビーアンドビーと提携し店舗を鍵の受け渡し拠点にすると発表した。6月の住宅宿泊事業法（民泊法）施行に向け物件の届け出件数は低調なものの、民泊市場は中長期的には成長が期待でき、本人確認など新法への対応が課題の民泊と、訪日客需要を伸ばしたいコンビニエンスストア。「相思相愛」の両者が急接近している。
「エアビーはグローバルに顧客を抱えており、利用者に来店してもらい商品を買ってもらえるといい」。と、ファミリーマートの沢田社長は同日都内で開いた記者会見で強調している。これでセブンイレブン・ジャパンとローソンに続き、コンビニ大手３社による民泊関連のサービスが出そろった形となる。
ファミリーマートは2018年度中に東京都心などの約150店に鍵の受け渡しボックスを設置。エアビーに登録する物件の家主と宿泊者が使える。新法で求められるパスポートの提示などの本人確認も店頭のタブレットでできるようにしていく。
民泊利用者は鍵の受け取りと返却で最低2回は来店する。ファミリーマートはクーポンを配信し、食品や日用品などのついで買いを誘う。交通機関のチケット販売や今後一部店舗で併設するコインランドリーの利用などとの相乗効果も期待している。
提携はファミリーマート側が持ちかけたが、エアビーにとって願ってもない相手だった。これまでは家主が直接鍵を手渡したり、郵便受けにしまって管理したりするケースが多かった。利用者だけに教えるパスワードで開ける鍵もあるが、普及は道半ば。コンビニを鍵の受け渡し拠点として活用できれば、利用者だけでなく家主の安心感にもつながる形となる。
エアビーには危機感もある。2014年に日本法人を設けたエアビーは国内の約6万2千件を掲載。ただ現行ルールの許可がない施設が多く、6月以降は新法に従い掲載しない方針だ。これによって掲載施設数は大きく減る可能性がある状況の中、手続きの煩雑さや自治体の規制を嫌い廃業する家主が増えていることや、新規参入組の楽天など民泊仲介のライバル増加といった逆風もあった。
観光庁によると新法に基づく自治体への民泊物件の届け出件数は5月11日時点で724件のみ。ただ1～3月は訪日客の11.6％が民泊を利用するなど需要は根強い。エアビー日本法人の田辺代表は「申請手続き中の家主も多く、サポートしたい」と語っている。
民泊が先行して普及した欧米でも店舗や喫茶店で鍵を受け渡しするケースはあった。ただエアビーが多くの店舗を持つ大手と大々的に組むのは日本が初めてであり、コンビニが新たなインフラとして急浮上している。
セブンイレブンは6月、ＪＴＢと共同で店舗にチェックイン専用機を設け、本人確認や鍵の受け渡しができる体制を20年度までに全国1000店に広げる。ローソンは1月から順次、店内に鍵の保管ボックスを設けた。鍵の受け渡し拠点を設けるスタートアップ企業、キーカフェ（本社カナダ・バンクーバー）の日本法人と組み2018年度末までに都市部中心に100店に広げる。
来店客数の減少が続く中、コンビニ各社にとって訪日客の取り込みは課題だ。民泊を利用する訪日外国人は滞在日数が長い傾向にあり、店舗に誘導できれば売り上げ増が期待できる。
一方の民泊側にとっても、防犯カメラや店員など周囲の目があるコンビニでのチェックインは不正利用を防ぐ効果も期待できる。民泊とコンビニの提携が新サービスの開発などにつながる可能性が広がっている。
民泊は現在のところ新法に基づく自治体への民泊物件の届け出件数が、5月11日時点で724件と苦戦をしている状況だ。しかし、1～3月は訪日客の11.6％が民泊を利用するなど需要は根強く、そこに目をつけたコンビニ大手3社が参画して、急速に民泊のインフラが加速する形になった。こうして需要が伸びていった場合、需要があるところにビジネスチャンスありと、民泊参入も伸びていく可能性は高い。
だが、23区内は規制が厳しいのは事実、では、「23区内のどういったエリアならば」その需要を吸収していくことが可能なのかは、本サイトをご覧になっている方ならば予想がつくかと思われる。
マンション経営をする上においては、入居者の需要が非常に重要だ。そしてマンションの価値を維持・向上させることも長期の投資においては重要である。民泊が本格的に始まって、それをビジネスチャンスとみた企業はどういう物件を好むのだろうか？そしてワンルームマンション規制のある23区では、マンションの価値はどう変化していくのだろうか？
これからマンション投資を始めようと思っている人は、「利回り」や「物件価格」だけではなく、こうした不動産を取り巻く状況からも情報を読み取ることで、失敗を防いで成功を手に入れる確率が格段に上がるだろう。
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