東京都、将来の気候変動を想定した防潮堤のかさ上げを計画

東京都は、地球温暖化による海面上昇や台風の強大化を想定に入れた防潮堤のかさ上げ計画を、全国で初めて取りまとめました。

東京都は現在、東京湾に総延長およそ60km、最も高いところで8mになる防潮堤を設けており、そのうちの30kmをかさ上げする予定です。かさ上げの高さは、豊洲地区で60cm、晴海地区で80cm、東部地区では最も高い1.4mなどとなっています。

2022年11月からこの計画について都民に意見を求め、優先度が高いと判断した場所から工事を進めていく方針とのことです。

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防潮堤とその必要性とは?

防潮堤(ぼうちょうてい)とは、陸上にある堤防のことです。

上のイラストのように、台風などによる高潮・高波、そして津波の被害を防ぐ効果がありますが、東日本大震災で発生した大津波は防潮堤の高さを遥かに超える約21mにもなり、防潮堤も破壊されてしまいました。

津波の浸入を食い止めることができず多くの犠牲者が出てしまったことにより、「防潮堤は意味がないのではないか」と感じる方もいるようです。

しかし、防潮堤がなければ津波はもっと早い段階で街を襲い、さらに犠牲者の数は増えていたと考えられます。津波は何度も押し寄せ、数時間後に最大波が到達することもあるため、避難する時間を確保するためにも防潮堤は有効だと言えるのではないでしょうか。

また、災害国の日本では、地震による津波だけではなく台風による水害も頻発します。防潮堤には高潮・高波による街の浸水被害を抑える役割もあるため、海に囲まれた日本には必要な堤体だと言えるでしょう。

将来の気候変動を想定した防潮堤のかさ上げは全国初

温暖化による海面上昇を想定した防潮堤のかさ上げは、日本全国で東京が初めてだそうです。

『東京湾沿岸海岸保全基本計画』の案では、地球温暖化が進み、2100年には海面が今より60cm上昇すると想定しています

台風の想定最低気圧は940hPa~930hPaとし、浸水を防ぐために必要な高さを算出したところ、総延長およそ60km、高さ最大8mに及ぶ防潮堤のうち、豊洲や築地、晴海などを含む30kmの沿岸部で高さが足りなくなることから、かさ上げの計画に至ったようです。

自然災害は不動産投資におけるリスクの一つと言えますが、自然災害は避けられるものではありません。だからこそ、今回ご紹介した防潮堤かさ上げ計画のような、被害を防ぐ計画・対策が取られているかを確認することが大切です。

そして、リスク分散を考えることも重要です。

リスク分散の重要性

不動産投資であれば、自然災害の被害を受ける可能性の高い場所に一棟物件を保有するのではなく、たとえば区分マンションをA・B・Cの異なるエリアに1つずつ保有する。そうすれば、Aのエリアの物件が被害を受けて損失が出た場合でも、B・Cのエリアの物件の利益で損失をカバーできるはずです。

2022年11月、さまざまな媒体で話題になった仮想通貨取引所を運営する米FTXの破綻。これについても、複数の仮想通貨に分散投資をしていれば他の仮想通貨の利益で損失をカバーでき、損失は最小限に抑えられたでしょう。

自然災害や今回の仮想通貨の事件など、起きてしまったことは変えられません。しかし、最悪の事態を想定した対策をしておけば被害は抑えられます。

投資を行なう上では、まず「利益をどれだけ得られるか」よりも「どんなリスクを含んでいるか」をしっかり考えるべきです。

「利益が多く得られるから」という理由だけで投資先を決めようとしている方がいらっしゃいましたら、一度その考えはリセットして、その投資が含むリスクについて考えるところから始めてみてください。

 

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