賃貸物件、”少し広めの部屋” が人気?

ここ50年で賃貸物件の一戸当たりの延べ床面積が上昇しています。
本記事ではその理由と、今広めの部屋が人気の理由を紐解いていきたいと思います。

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賃貸住宅の延べ床面積は、ここ50年間で上昇続き

総務省が発表している「住宅・土地統計調査」によると、全国での民営賃貸物件の一戸あたりの延べ床面積は、ここ50年間で右肩上がりに上昇を続けています。

これは進学や就職での需要が高く、一部屋あたりの面積が比較的狭い傾向にある東京23区も例外ではありません。

賃貸物件の一戸あたりの面積が上昇している理由を考えてみましょう。

1.「ワンルームマンション規制」によるもの

東京23区では、すべての区にワンルームマンションの建築に対する規制が条例で制定されており、これを通称「ワンルームマンション規制」と言います。

この規制の内容は、各区により若干異なりますが、大まかにいうとワンルームマンションの最低面積を定めており、たとえば「一戸あたりの最低専有面積の指定」「総戸数に対し一定数以上、ファミリータイプ住宅を設置する」などがあります。

渋谷区では2013年に、28㎡未満のワンルームマンションが建築できなくなるなどの条例が制定されました。

延べ床面積の拡大に影響を与えている要因のひとつに、この「ワンルームマンション規制」があるでしょう。

2.入居者のニーズの変化

「入居者が満足する賃貸住宅」は、時代によって変化します。

1990年代には、欧米ホテルを思わせるようなスタイルが注目を集め、風呂・トイレ・洗面台が浴室に集まった3点ユニットバスが流行しました。
しかし、次第に「誰かが入浴しているとトイレが使えない」「シャワーでトイレや床が濡れる」「カビなどが発生しやすく不衛生」などのデメリットが明るみになり、今では人気どころか入居者から避けられる設備になったのです。

風呂・トイレ・洗面台を別にするとなれば、必然的に一戸当たりの面積は広くなります。

この入居者ニーズの変化も延べ床面積の拡大に影響を与えている要因のひとつといえるでしょう。

最近は広めの部屋が好まれている

近年、出生率の低さや晩婚化や非婚化が進んだことにより、30~40代の単身者世帯の増加が目立っています。

この世代は比較的収入に余裕があるため、従来のワンルームマンションに多い20㎡前後の狭い物件は選択肢から除外して、40~50㎡程度の1LDKや2LDKの部屋を選ぶ傾向にあります。

また、新型コロナウイルスの影響によりテレワークが普及したことも、少し広めの部屋の需要が広がる要因となっています。
テレワークを行う場合、デスクやチェアを置く仕事専用スペースの確保が必須となるため、25㎡程度のワンルームは敬遠される傾向にあります。

今後ワンルームマンション投資を検討する際には、こういう時代のトレンドも加味して物件選びをしていただくとよいでしょう。

~おわりに~

賃貸物件の一戸当たりの延べ床面積が上昇しているのには、ワンルームマンション規制や入居者ニーズの変化といった様々な要因が考えられます。

最近は「暮らし」を楽しむ人たちも増えていて、SNSやYouTubeなどを見ていると住まいのあり方は「帰って寝る場所」ではなくなっていると感じます。

仕事や作業ができる場所があるかどうか、ストレスなく生活ができるかどうか、自炊がしやすいキッチンがあるかどうか、部屋を自分好みにできるだけの広さがあるかどうかなど、人によって物件に求める条件は違ったとしても、やはりある程度の広さが必要になりそうです。

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