
6月13日の日経新聞に掲載されていた民泊に関する記事をご紹介したい。
民泊仲介・世界最大手のAirbnbが、以前掲載されていた無許可民泊に既に予約されていた15日以降の予約を大量に取り消し、宿泊予定客に混乱が広がっている。
12日、同社のクリストファー・レヘイン公共政策責任者は日本経済新聞の取材に「既存の予約は有効と考えていた」と述べた。一方、観光庁は年初より対応を要請しており、エアビーの対策が不十分だったとの認識を示している。
いよいよ明日施行の住宅宿泊事業法(民泊新法)により、仲介サイトは新法に基づく「届け出」か、従来ルールの「許認可」がない民泊は掲載できなくなる。許認可がない民泊も多数掲載してきたエアビーは、民泊新法解禁を目前に控えた6月2日にこうした施設を大幅にカット。春に6万2000件あった掲載施設は1万3800件まで激減した。
さらに7日、エアビーは無許可施設に入っていた15日以降の予約を順次取り消すと、予約者やオーナーに通知。キャンセルは月内だけで3万件以上に達するおそれがあり、エアビーは総額11億円の補償策を発表している
エアビーによる突然のキャンセルは、観光庁が民泊仲介各社に新法での届け出予定などがない施設の予約取り消し対応を求める通知を6月1日に改めて出したのがきっかけだ。
エアビーで各国政府との交渉を担当するレヘイン氏は「今回の観光庁の判断は理解しがたい」と話した。「日本の観光戦略に反するのではないか。エアビーがあるから日本に来るという訪日客は多い。日本の素晴らしさを体験できなくなり、第一印象に悪影響を与える」との意見を示している。
しかし観光庁は、「許認可や届け出の予定がない物件は、新法施行までに掲載を削除したり予約を変更したりするよう年初から繰り返し求めてきた」(幹部)としている。新法の施行が近づいても許認可がない物件の掲載や予約を続けていたことから、改めて予約取り消しなどを求める通知を1日に出したのだった。
エアビーは観光庁によるこうした方針を甘く見ていたようだ。レヘイン氏はキャンセルが直前になった理由について「既存の予約は有効との許可をもらえると考えていた」と釈明。だが、観光庁の理解は得られなかったという。
突然のキャンセルにより、現在も利用者や家主の間では混乱が続いている。国内を旅行中のメキシコ人女性は1カ月前に東京都内の民泊を予約し、16日から1週間宿泊する予定だった。しかし、7日の夜になって取り消しが通知され「パニックになった」。家主の女性は「申し訳ない気持ちでいっぱい」と憤る。
エアビーのレヘイン氏は「ゲストをこうした状況に陥らせてしまったことは心苦しい」としたが、無許可施設の掲載や予約を続けながら、家主や利用者に適切に周知せず混乱を招いたエアビーの責任は免れない。
無許可施設の削除を実行した際も、新規予約が受け付けられなくなると家主に伝えただけにとどまったため、多くの家主は「既存の予約は有効」と受け止めていた。それが、7日夜になって突如、強制キャンセルの旨をサイトやメールで一方的に伝えられた。札幌市の家主は「早めの周知と猶予期間が必要だった」と指摘する。
また、日本では自治体ごとに営業できる曜日や地域を条例で定めるなどの「上乗せ規制」が壁になっているとの指摘もある。この点についてレヘイン氏は「様々な都市で条例が実装される段階で、(民泊を解禁しようという)国の方針との違いが見えてきた」と暗に批判した。
民泊という新たな市場で、担い手となる企業と政府の溝が深まったままでは、観光立国に水をさしかねない。利用者の立場を最優先とした議論が必要な時期にさしかかっている。
民泊の本格解禁が迫り、業界が大きく揺らいでいる。
不動産業界はもちろんのこと、観光、旅行、保険、コンビニなど、影響を受ける業界は多岐にわたる。
また、民泊の手軽さをを悪用した事件も発生するなど、今まさに混沌とした激動期にいると言えるだろう。
民泊新法は明日いよいよ解禁となる。
不動産業界への影響はなど、気になる情報は和不動産が開催している不動産投資セミナーにお越しいただきたい。