
6月22日の日経新聞に掲載されていた増税に関する記事をご紹介したい。
2019年10月に予定する消費税率10%引き上げを控え、増税後も価格が大して変わらないのに「今買わないと損する」などと消費者をあおる手法の防止策をめぐる議論が政府内で浮上している。
政府は6月15日に閣議決定した経済財政運営の基本方針で「駆け込み需要・反動減が抑制されるよう、具体的な方策を検討する」とした。内閣官房にある反動減対策のためのタスクフォースが案を詰める。
今後、消費税増税に伴う消費の反動減を抑える対策の一環として年末にかけて検討していく。どんな行為を「あおり」とするのか、小売り業者への過度な介入につながらないかなどが論点となりそうだ。
「増税後」の対策としては、住宅や自動車などへの税優遇や購入補助、増税分を割り引くセールの解禁などがすでに基本路線となっている。
「増税前」は駆け込みセールなどをいかに防ぐかが課題だが、小売事業者の販売戦略を縛ることはできないため、妙案がなかった。そこで浮上してきたのが「せめて消費を過剰にあおる行為を防げないか」という考えだった。
モノやサービスの売り方・表示に関するルールは、景品表示法によって定められている。反動減対策の一環として景表法の運用方法を見直し、あおり販売を抑える項目を運用指針などに加える案などを検討していく。
景表法は、大して安くもないのに通常よりも著しく安く買えると勘違いさせる謳い文句などを「有利誤認表示」として禁止しており、消費者庁による排除措置命令や課徴金の対象にもなる。
有利誤認表示かどうかは、ケース・バイ・ケースで判断される。焦点は「いま買った方が圧倒的にお得」などの謳い文句が、事実に反して消費者を勘違いさせる内容かどうかだ。
今後、2019年10月に消費税率が8%から10%に引き上げられた場合、例えば本体価格1千万円の住宅なら、増税前後で本体価格に変化がなければ税込み価格は20万円高くなる。しかし政府は耐久消費財を中心に税優遇や補助の拡充を検討しており、単に増税前後の価格差が20万円であれば、著しく安い・高くなるとは断言できない。
そのため、「今買わないと絶対に損する」などと消費者をあおる行為について、政府は景表法の運用見直しや小売事業者への周知などを通じて抑止していきたい考えだ。
2014年4月に消費税率を5%から8%に上げた際は、増税後の一時的な物価上昇と駆け込み需要の反動が消費を冷やし、国内総生産(GDP)が下振れした。政府は過去の反省を踏まえ、19年の増税時は需要や物価への影響をできるかぎり抑えたい考え。企業の実情を踏まえた対策が必要となる。
以前の増税時の不動産投資市場への影響は?投資家の動きは?
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