JR品川駅周辺では、再開発や新たな街づくりに向けた動きが進んでいる。
国土交通省関東地方整備局は、西武プロパティーズ・京浜急行電鉄・JR東日本の3社と共に、品川駅の西口駅前広場の整備を進める見通しとなっている。
他にも、駅前にある国道の上にデッキを建設する計画や、京浜急行・都営地下鉄の泉岳寺駅では東京都が高さ約160メートルとなる複合ビルを建設予定だ。
品川駅周辺では、2027年のリニア新幹線開業を見据え、駅と街が一体となった街づくりを進めている。
西武プロパティーズ・京浜急行電鉄・JR東日本の3社は、国土交通省関東地方整備局と東京都が2月にまとめた方針を踏まえ、駅前を通る国道15号線の上を活用した計画案について、それぞれ提案を行った。
西武プロパティーズは、国道15号の上にバスの乗降場などを整備したデッキの建設案を提示。店舗なども入居する広場も設けたいとしている。京急やJR東日本も、国道15号の上のデッキに広場や施設を整備する案を示した。
国土交通省関東地方整備局は、事業協力者となる3社からの提案を踏まえ、今後1年程かけて品川駅西口駅前広場の事業計画を策定し、2018年度には建設事業者を公募する予定となっている。
西武ホールディングスは、品川駅西口に「グランドプリンスホテル高輪」一帯(約8万3,000平方メートル)や、「品川プリンスホテル」一帯(約4万5,000平方メートル)などの敷地を保有している。そのため、2027年のリニア新幹線開業に向け、大規模な複合施設の建設も検討しているという。
泉岳寺駅周辺では、東京都が高さ約160メートルの複合ビルを建設する予定。
計画地は泉岳寺駅前の約1.3ヘクタールで、ビルの延べ床面積は約11万平方メートル。約350戸の住宅や店舗、オフィスを構える複合ビルで、2019年度以降に建設を始め、2024年度には完成する計画だ。
この複合ビルの計画地は、災害時に緊急車両が通る『特定緊急輸送道路』である国道15号の沿道に位置している。現在は、周辺に旧耐震基準の建築物もあり、再開発事業によって地域の「防災力」を高めたい考えだ。
2020年には、計画地の近辺である田町駅と品川駅の間に、JR山手線の新駅も新設される予定。
東京オリンピックなどの追い風も受ける今回の複合施設の開発によって、来街者の増加が期待されている。