大学進出で変わった “穴場の街 北千住”

東京都の隅田川と荒川に挟まれた中洲のような土地に足立区の北千住駅はある。

実際には、『北千住』という地名は無く、駅の西側にある千住と千住仲町、

東側にある日ノ出町、千住旭町、千住東という町に囲まれている。

 

北千住駅は、東京メトロの日比谷線・千代田線、JR常磐線、東武スカイツリーライン、

そして2005年に開通した首都圏新都市鉄道『つくばエクスプレス』を合わせた5つの鉄道が集まるターミナル駅だ。

大手町へ17分、秋葉原へ10分程度で行くことができる。

スカイツリーラインが東京メトロ半蔵門線と、千代田線が小田急線と相互直通運転され、

常磐線はJR上野東京ラインで東京に接続している。

このように北千住は、首都圏の広いエリアからアクセスが容易にできる点が特筆される。

 

これまでは、足立区という23区内でも人気の無い区の、少しやんちゃな人が住む街というイメージが強かった。

そのため、若い女性やサラリーマンにはあまり縁のない街と言えた。

そんな北千住に変化をもたらしたのが、2005年に足立区が定めた『足立区文化産業・芸術新都心構想』である。

同区は人口減少に伴い、学校の統廃合を進める一方、文化、芸術、新産業誘致に力を入れる戦略構想をぶち上げたのだ。

これを基に足立区は、東京電機大学、東京芸術大学、放送大学、帝京科学大学、東京未来大学といった大学の

招致に成功し、2020年には文教大学の進出も決定している。
この街を若い人達が闊歩するようになり、街に対するイメージもがらりと変わった。

街中に若い人向けの飲食店や物販店が増え、この街に住みたい人も増えてきたのだ。

『リクルート』が発表する『住みたい街ランキング2018』関東版では総合で23位、

“穴場だと思う街”ではなんと1位を4年連続で獲得している。

 

一方、駅前の商店街が活性化されたかといえば、そうではないようだ。

これまでのブルーワーカー向けの飲食店や物販店には若者は来ず、次第にブルーワーカーも足が遠退くようになり、

店の売り上げが減少しているところも増えていると聞く。

実際に北千住を取り巻く5つの町の人口の合計を見ると、2010年に2万6731人だったのが、

今年は2万7244人と513人しか増えていない。

今や若者が定着するのは、ファストフード店や居酒屋チェーン店。

かつて親父たちが1日の疲れを癒やしに立ち寄った一杯飲み屋ではないのだ。

 

街の新陳代謝が進み、この街で学んだ学生の多くがそのまま街に居つくようになれば、

そこで初めて北千住が“穴場”から“住みたい街”へと進化していくのかもしれない。

マンション経営としても、北千住に注目する人が増えている。

 

この街は今、時代の波に揉まれ、新たな一歩を踏み出そうとしている。

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