中野サンプラザの跡地再開発計画
- 2018/9/26
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そのユニークな外観から東京都中野区の街のシンボルとして親しまれてきたコンサートホール「中野サンプラザ」が解体され、新たに複合施設を跡地に建設することになった。中野区はもともと跡地に1万人を収容する大規模なアリーナを建設する計画だった。この計画の見直しを掲げて、区長選に当選し6月に就任した酒井直人区長であるが、新施設の規模など若干の修正を加えて当初の計画をほぼ踏襲することに決めた。
酒井区長は記者会見で2022年度以降にサンプラザの解体に着手し、27年度には商業施設やオフィス、ホテルなどが入る複合ビルを完成させる青写真を発表した。その概要は田中大輔前区長が示した計画案とほぼ変わりがない。
ただ、一万人収容のアリーナについては、酒井区長が「一万人は大きいのではないか」と強調しており、見直す方向だ。現在のホールの収容力は2200人。今後は。何人が適正な人数なのかも含め、多様なイベントに対応できるよう「平土間」にするかどうかなど、検討を継続する。
中野区はサンプラザを存続させた場合の経費も試算しており、築45年の同建物を15年間長寿命化させるだけでも約32億円が必要だという。2018年3月の時点で44億円の借入金がある一方で、年間純利益が3億円に満たない状況では、存続させても「ペイできない」との結論に至った。
併せて、区役所の老朽化も課題となっている。区役所はサンプラザに近接しており、両者一体で再開発する。区役所の整備費用は約220億円。複合施設の建設は民間とのジョイントベンチャーになるため、全体の事業費は未定である。