
7月11日不動産投資関連の大手情報サイトにて、2017年4~6月の収益物件の市場動向が発表された。区分マンション1室の価格は、2017年1~3月と比べて3.8%上昇し、2006年1~3月以来約11年ぶりの高値となった。
●区分マンションの1室
・4~6月の全国平均…1,550万円(前期比3.82%増)
・物件利回り…7.06%(前期比0.28ポイント低下)
●一棟アパート
・4~6月の全国平均…6,505万円(前期比0.28%増※2006年1月~3月期以来の最高値)
・物件利回り…8.84%(前期比0.06ポイント低下)
●一棟マンション
・4~6月の全国平均…15,879万円(前期比1.37%増※2009年7月~9月期以来の最高値)
・物件利回り…7.95%(前期比0.10ポイント低下)
区分マンション1室の価格は3年前と比べても2割以上高くなっており、年間賃料を価格で割った投資利回りは7.06%と、2005年からの調査開始以降で最低となった。アパート一棟の平均価格も6,505万円と2006年1~3月以来の高水準だ。
既に高値になっている大都市も上昇が止まらず、ファーストロジックの統計によれば、東京都の2017年4~6月の区分マンション1室の平均価格は1,963万円と、1~3月に比べて2.5%上昇した。大阪府でも1.1%上昇しており、利回りも低水準となっている。
投資物件の価格上昇を支えているのは、中国人を中心とした外国人投資家の購入が影響だ。
中国は不動産価格の高騰が続いており、表面利回りは1%台。それと比較すると、日本の物件は割安に映るようだ。
また、マイナス金利の影響や年金不安から日本人の需要も根強く、個人が不動産投資に参入しているケースも増えている。
中古ワンルームマンション販売の和不動産(東京都千代田区)の仲宗根和徳社長によれば「老後に備え30~40代が購入するほか、相続をにらんで投資する50代以上も多い」という。
建築コストが高騰しているため、銀行関係者からは「今後も投資用不動産の価格はしばらく大きく下がることはない」との見方が多くある。
しかしながら、日銀が相続税対策としてのアパート建築の融資が過熱している状況に警鐘を鳴らしていることもあり、大手銀行の一部は融資姿勢を引き締める方向に転じており、その動向によっては投資用物件価格にも影響すると考えられている。