
11月24日の日経新聞に掲載されていた、大阪万博に関する記事をご紹介したい。
東京でマンション経営お考えの方、既に始めている方にとっても有益な情報であり、経済効果の恩恵を受ける可能性が高い情報のため、ぜひチェックしていただきたい。
11月23日(日本時間24日未明)、2025年国際博覧会(万博)の開催地が大阪に決まった。博覧会国際事務局加盟国による投票結果は以下の通りだった。第1回目投票【日本85票、ロシア48票、アゼルバイジャン23票】、決戦投票【日本92票・ロシア61票】
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに続く国際的な大規模イベントで、1960~70年代の高度経済成長期に開催された東京オリンピック、大阪万博を彷彿とさせる。
万博による全国への経済波及効果は約2兆円とも言われており、オリンピック後の景気浮揚策として期待が高まる。開催まで7年。会場整備費の確保など、早急に課題に取り組む必要がある。
万博誘致構想の元を辿ると、大阪維新の会による2014年のマニフェストまでさかのぼる。2015年の府知事選と大阪市長選で維新が圧勝し、松井一郎大阪府知事が万博の大阪誘致に向け、菅義偉官房長官に直接協力を要請。2017年4月に大阪誘致が閣議了解された。
今回の成功は、大阪府・市、関西経済界、政府を巻き込んだ「オールジャパン体制」で誘致活動を展開し、アフリカや欧州各国からの一定の支持を得たことが大きいとされている。
1964年の東京オリンピックから6年後に開催された大阪万博。当時は高度経済成長時代を象徴する一大イベントで、日本の経済成長を支えた側面もある。あれから半世紀が経った現代、オリンピック、万博が続く構図は当時の日本の姿と重なり合い、政府が描く2020年オリンピック後の日本経済の刺激策への期待が膨らむ。安倍総理は「開催地だけでなく、各地を訪れる観光客が増え、地域経済が活性化する起爆剤になる」と、大阪万博の効果を訴えてきた。
特に重視するのは、インバウンド需要の波及効果だ。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの推計では17年に関西を訪れた外国人は1207万人。全国の4割を占め、インバウンド消費額は1兆円を超える。万博の入場者数予想約2800万人のうち、海外分は約1割超の約350万人を占める。関西の訪日外国人を年間3割押し上げ、効果は日本全体に恩恵をもたらす可能性がある。
開催地となる大阪としては、足元の関西経済のけん引役としての役割が期待される。
会場となる大阪湾の人工島「夢洲」(ゆめしま)は、もともと1980年代に新都心として開発が計画されていたが、バブル崩壊で頓挫。2008年夏季オリンピック誘致も失敗し、幻の選手村と化していた地だ。現在は約200ヘクタールに上る広大な空き地が広がっている。万博の開催で、関西の「負の遺産」が大きく生まれ変わる好機となる。
大阪府・市は2024年、カジノを含む統合型リゾート(IR)を開業させる計画で、万博、IRのダブル誘致で相乗効果も見込める。
今後の課題は、約1250億円の会場建設費の確保だ。国と大阪府・市、経済界で3分の1ずつ負担することで合意してはいるものの、民間負担の400億円超の捻出方法は未定だ。05年愛知万博ではトヨタ自動車グループの貢献が大きかったが、関西には1社で巨額の寄付金を負担できる企業が見当たらない。
関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)は住友グループ各社首脳が集まる親睦団体の「白水会」に相応の負担を求める考えだ。経団連の榊原定征名誉会長が万博誘致委員会のトップを務めていることもあり、経団連の会員企業などにも支援を要請する方針。
(画像は大阪府ホームページより)
【大阪万博・開催概要】
期間:2025年5月3日~11月3日(185日間)
テーマ:『いのち輝く未来社会のデザイン』
想定入場者数:約2800万人
会場建設費:約1250億円
経済波及効果:約2兆円