第15回 マンション経営、1部屋の区分所有がオススメな理由
マンション経営でよく耳にする区分所有という言葉があります。
区分所有は、マンション1棟を購入するのではなく、マンションを1部屋単位で購入し所有することです。
サラリーマンの方がマンション経営で心配なのが、マンション1棟を購入するための多額の資金調達でしょう。
例えば、人気エリアのワンルームマンションを1棟で購入することは、高額な資金が必要ですが、区分所有でしたら、比較的少ない投資で、人気エリアにある利回りの良いマンションの1部屋から購入し所有することができます。
マンションの1部屋でしたら、所有する部屋だけの管理を行なえばよいので楽で、処分する際も高額なマンション1棟より売りやすいです。
ご紹介したように1部屋ずつ購入する区分所有はお手軽なので、マンション経営のビギナーに向いています。
区分所有は少ない資金ではじめられリスクヘッジもしやすい
マンションを購入する際に、まず壁となるのが購入資金です。
資産家ならいざ知らず、サラリーマンで生計を立てる方ならローンを組めたとしても、何億円もするマンションを購入することはためらうところです。
まずは、手持ちの資金をメインにマンション経営をしたいと考える方におススメなのが区分所有です。
極端な話、中古ワンルームマンションの1部屋でしたら、自動車を購入する程度の資金で購入できる場合もありますので、資金繰りのプレッシャーも少ないのではないでしょうか。
駅から離れていたり、古いマンションを1棟で購入したりするより、人気のエリアにあるマンションの1部屋を購入したほうが、空室が少なく収支が安定するため、少しずつ部屋を増やし、投資する機会を増やすことも可能です。
また、マンション1棟を購入すると、日当りの悪い部屋や良い部屋、面積の狭い部屋や広い部屋などまとめて購入しなくてはならず、家賃の設定と空室の関係で、悩まなければならないことがあります。
区分所有で人気マンションの部屋を1部屋ずつ多数保有するこということは、マンション1棟を購入する場合に比べリスクヘッジしやすい面もあります。
区分所有は流動リスクが低い上に遺産相続もしやすい
マンションの1部屋から所有できる区分所有は、マンション1棟を購入してマンション経営することに比べ、低価格の投資ではじめられ、売却したい時も買い手がつきやすいので、流動リスクが低いメリットがあります。
結婚、家族構成の変化など生活スタイルが変わった場合でも、オーナー様であるあなたが区分所有するマンションの1部屋に住むことも可能なので、さまざまな利用価値があります。
さらに、所有する区分ごとに、登録免許税や不動産取得税などの軽減措置の恩恵が受けられるメリットもあります。
また、区分所有で物件を複数所有しているオーナー様が亡くなった場合、遺族の方に等しく遺産相続を行なえるメリットもあります。
例えば、区分所有するマンション10部屋を保有するオーナー様が亡くなった場合、お子さんや配偶者に評価額をもとに公平になるように相続させることは、比較的に簡単です。
一方、10部屋あるマンション1棟を所有するオーナー様が亡くなった場合、遺族の方でマンションの土地を共有し、分所有することも可能です。
ただ、管理面で発生する負担の割合や相続する遺族の方が亡くなった場合、話が複雑になる場合があります。分割も平等になることは少なく争続の原因にもなりかねません。
区分所有は毎月のキャッシュフローがいたってシンプル
不動産に限った話ではありませんが、投資を検討する際には毎月のキャッシュフローをきちんと確認することが大切になります。
ワンルームマンション投資における主な収入源となるのが「家賃」です。他には入退去に伴う「礼金」や「更新料」もオーナーが受け取れる場合があります。
一方、支出はというと、以下の項目が想定されます。
・固定資産税
・不動産取得税
・毎月のローン返済金
・管理費、修繕積立金
・火災保険料
・管理手数料
上記は主に、マンションの建物を維持するためのお金、入居者に関する業務を委託する委託手数料、ローンに関する費用の3つに分けられます。
一点注意してほしいのは収入も支出も年数が経過するごとに変化する項目があるということです。
例えば年数が経過するとともに、家賃の金額は減少する傾向にあります。一方、修繕積立金など建物を維持するためのお金は増えていきます。
そのため当初の想定より収益が減少する可能性が大いにあります。
インターネットで「不動産投資 失敗」等で検索するとたくさんの失敗事例が出てきますが、これらのほとんどが当初の想定が甘かったことが原因となります。
そのため、あらかじめ長期間でのシミュレーションをしっかりと組んでおくことが重要になります。
とはいうものの、区分マンションは突発的な出費がほとんど発生せず、収益の推移も当初の想定内通りに運用されるケースがほとんどになります。
それに対して、アパートなどの一棟経営は一般的に入居者に関する業務なども自分で対策しなければならないケースが多く、サラリーマン業と並行するには難しいほどの手間と労力を必要とします。
また大規模修繕や設備交換に伴う費用など急に大きな出費が必要になることが多く、今後の見通しを立てづらい一面があるので注意が必要です。
区分所有でマンション経営のノウハウが学べるメリットがある
規模は小さい区分所有であっても、マンション経営のノウハウが得られますので、これからマンション経営を学ぼうとする方に区分所有は向いています。
例えば、エントランスやエレベーターなど共有部分の維持や管理、修繕についての知識が得られます。
さらに、地域の家賃相場、管理費の用途などといった知識も得られます。これらの知識は、総会や理事会の資料などによって知ることが可能です。
これまで区分所有のメリットをご紹介しましたが、デメリットもありますのでご紹介します。
区分所有で保有する1部屋の家賃やリフォームは、オーナー様であるあなたの一存では決定できませんので、他のオーナー様の同意が必要となります。
また、地震や火災などの災害で不幸にもマンションが倒壊してしまっても、80%のオーナー様の賛成が無ければ、再建築できませんので注意が必要です。
マンションの土地の評価額は、土地の持ち分が少ないため、銀行の融資で行なわれる担保評価が低くなってしまうデメリットが区分所有にはあります。
逆に土地の持ち分が少ないがために相続の評価には有利になります。
このため、オーナー様が区分所有の戸数を増加させようと前向きに考えても、ローンが利用できないこともあります。
当たり前ですが、区分所有の場合、マンション1棟に比べ、多額のキャッシュフローが期待できないことがあります。
例えば、区分所有でマンションの1部屋だけの保有だと、空室になってしまったその時から、ローンの返済をはじめ、管理費や修繕積立金といったお金はオーナー様の負担となり、マンション1棟でマンション経営するオーナー様のように他の部屋の家賃収入で補てんすることはできません。
しかしながら、最初のプランが安定しやすく、年間500万円程度の家賃収入なら十分に得ることができます。失敗しづらいという側面もあります。そういったリスクテイクを総合的に考えたマンション経営を選択し実施して頂けばと思います。
いずれにしても、区分所有はご紹介したようなメリットやデメリットがありますが、マンション経営のビギナーの勉強の場としては適しています。
いかがでしたでしょうか。
今回は「マンション経営をするなら区分所有がおススメな理由」について解説いたしました。
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