第27回 融資可否や条件を大きく左右する、物件評価の仕組みと手順
金融機関が融資可否や条件を決定する物件評価について
金融機関が融資可否や条件を決定する際に、参考にするのが物件評価です。物件評価には積算評価と収益評価があります。
積算評価と収益評価の両方で評価が良ければ問題ないのですが、片方の評価が悪くても、もう片方の評価で挽回できる可能性もありますのでご紹介します。
積算評価は土地の評価額と建物の評価額を合算して算出する
積算評価は土地の評価額と建物の評価額を合算して算出します。
土地の評価額は、路線価×面積で算出し、土地の形状などによっては各銀行の掛け目(0.7~0.8)を掛けます。
また、マンションの区分所有する場合は、土地所有権の比率に合わせた評価額となります。
国税庁が発表する路線価は、財産評価基準書(http://www.rosenka.nta.go.jp/)で調べることができ、例えば、570C(単位は1000円)と書かれている場合、Cは借地権に関する記号なので投資の場合無視してください。
路線価が調べられたら、面積を掛けて土地の評価額となります。
建物の評価額は、(新築時の価格/㎡)×延べ床面積×築年数による減価で算出します。
新築時の価格/㎡は、SRC、RCは200千円、重量鉄骨は180千円、木造は150千円、軽量鉄骨は150千円です。
築年数による減価は、SRC、RCは(47-経過年数)÷47年、重量鉄骨は(34-経過年数)÷34年、木造は(22-経過年数)÷22年、軽量鉄骨は(18-経過年数)÷18年という計算式で算出します。 価格は各金融機関で変わることがあります。
不動産を運用すると、どの程度の利益が得られるかを算出する収益評価
収益評価では、オーナー様が購入を希望する不動産を運用すると、どの程度の利益(家賃収入)が得られるかを算出します。
収益評価では、年間の利益(家賃収入)×70~80%とローンの年間返済額(市場の金利+2~3%で計算)を比較することがあります。
例えば、年間の利益(家賃収入)が500万円だとすると0.8を掛けて400万円になります。
一方、RC(築27年)の物件価格が5000万円で、4000万円の融資を受けた場合、RCは法定耐用年数47年なので築20年の場合は27年のローンが組め、金利が6%の場合、年間返済額は300万円程度となります。
ご紹介した例だと、年間の利益(家賃収入)×70~80%がローンの年間返済額(市場の金利+2~3%で計算)が大きいので収益評価は良いと判断されます。
自己資金の比率を高め、積算評価と収益評価の両方が良い物件に投資する
銀行によっては積算評価の評価が悪くても、収益評価が高いと物件評価が挽回できる可能性もあります。
ただ、この場合、資産に対し負債の比率が大きくなるため、債務超過になる可能性があり、金融機関から1件目の購入で融資してもらえても、2件目は融資を断られる可能性が高いです。
このようなことにならないように、自己資金の比率を高めたり、積算評価と収益評価の両方が良い物件に投資したりすることをおすすめします。
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