第6回 ワンルームマンション経営がお得な理由
あらゆる角度や視点から、リスクを予測し損失を出さないように試算
低金利の現代において、貯まったお金は積極的に運用して増やす姿勢が求められています。
ワンルームマンション経営は、購入したマンションを貸し出して家賃収入を得てお金を増やす方法です。
自己資金がわずかでも、ローンを利用して物件が購入出来るため、今や色々な世代の人達が挑戦する資産運用の1つとなりました。
家賃収入からローン返済や諸経費を差し引いた利益は、毎月の現金収入となり、銀行にお金を預けて利息を受け取るよりも高い利回りが期待できます。
一見とても魅力的に思えますが、入居者が見つからないと家賃収入は途絶えますし、ローンの金利が社会情勢により急激に上がって、返済金額が増えてしまうといったリスクもあります。 空室が続けば、家賃を値下げして入居者を確保しなければならない事態も想定されるため、この投資を行う前には、あらゆる角度や視点から、リスクを予め予測し損失を出さないように試算しておかねばなりません。しかし、他の不動産投資に比べマンション経営は、失敗しにくいという側面があり若いサラリーマンを中心に人気があります。
手持ち資金が少なくても始められるワンルームマンション経営
1970年~1980年代の年率8%の定期預金の時代は終わりを告げ、現在は年利1%を下回る低金利が続いています。
毎日の生活を切り詰めて節約を貫きお金を貯めても、単に銀行に預けているだけでは、その我慢に見合った見返りは手に入らなくなっています。
社会保障不安の叫ばれている今だからこそ、色々な方法で自分たちのお金を増やしていく必要があります。
不動産やマンション経営は、株やFXといった他の資産運用方法とは違い、自己資金が少なくてもローンを組んで、得られた家賃収入からローンや諸経費を引いたとしても現金収入を毎月確実に得ることができます。
貯金のように生活費の不足分を切り崩す資産運用より、毎月決まった金額が入る給料のような家賃収入の方が安心できるという方が非常に増えています。
最初は、投資用ワンルームマンションを所有し管理することに不安や躊躇を感じるオーナー様が多いのですが、正しい知識を持って経営に取り組めば、そこから得られる収益は、お金を運用せずに銀行に置いたまま利息を受け取るよりもはるかに多くなり、やがてローンを返済すれば、得られる収益はさらにアップする魅力があります。
都心への人口集中や核家族化、晩婚化が進んでいる背景もあり、特にワンルームマンション経営は、20代独身層の人たちでも10万円程度の自己資金から始めることができる資産運用として注目を集めています。
ワンルームマンション経営をシュミレーションしてみる
では、実際にワンルームマンション経営をシュミレーションしてみましょう。
もちろんこのように必ずしも上手くいくとは限りませんが、大まかなイメージをつかんでみてください。
自己資金200万円で、2000万円のワンルームマンションを購入
借入金額1800万円、年利2.5%、35年返済とした場合
(1)年間収入: 114万円(9.5万円×12カ月)
(2)年間支出: 97.5万円
・ ローン返済:77万円
・ 空室控除と諸経費: 20.5万円(空室率2%、諸経費15%で計算)
(3)年間利益:(1)-(2)=16.5万円
※あくまで試算になります。お客様の条件次第では、より低金利の条件をご紹介できます。
2015年銀行の定期預金全国平均は0.025%となっています。
ワンルームマンション経営をせずに、貯金をそのまま定期預金に置いておくと、
自己資金 200万×0.025%=500円の利息にしかなりません。
定期預金は中途解約をすれば、満期利率が適用されませんし利息受け取り時には税金が発生するため、実際には500万円よりも受け取る金額は少なくなります。
いかがでしょうか。
とはいっても、何事も全て上手く行くわけではありません。
投資用ワンルームマンション経営にもリスクはあります。しかし、銀行預金をしていても巷で言われている下流老人になってしまうリスクもあります。何もしないのもリスクなのです。ワンルームマンション経営を行うことと何もしないことのリスクを天秤にかけしっかりと判断していただければと思います。 次は、リスクについて説明していきまます。
ワンルームマンション経営のリスク①~価格変動~
どんな物件でも年月が経てば、その価格は変動します。
土地価格の上昇や下降、経済情勢、そしてマンション管理の良し悪しに左右されて、物件の大半は購入した時の価格から値下がりしていきます。
もし購入後わずか数年で売却すれば、これまでの家賃収入は全てローン支払いと売却による損失額へ充てられ、実質損をしてしまうリスクがあります。
ですからマンション経営は、バブル期のように購入した物件の値上がりを待って短期間で売却して利益を得るのが目的ではなく、必要経費を支払いながら長期的に安定した収入を確保することで高い利回りを得る資産運用だということを、十分に認識しておかなければなりません。
物件価格が下がったとしても、交通の便や周囲の環境が良い人気エリアにあり空室率が低ければ、賃貸料が劇的に下がるリスクは少なく毎月確実に収入を得ることができます。
逆に空室率が上昇すれば、家賃を下げて入居者を確保しなければならなくなります。つまり、賃料が下がらないエリアを選ぶ必要があります。むしろ、場合によっては賃料が上がるくらいの物件を選んで下さい。
マンション経営は、このようなリスクやその他のコストも徹底的に検証した上で慎重に行わねばなりません。 そして事情により短期間で売却することも想定して、購入を検討することも忘れないでください。
物件選びでは、年月が経っても空室が長く続かない立地条件が良い場所で、建物の日常清掃や設備管理が充実しているなど、管理会社の運営が信頼できる物件を選ぶようにします。
このような物件に巡り会えば、年月が経っても借り手が途絶えることもなく、売却もスムーズに進みます。しかし、短期の売却は、やはり避けるべきでしょう。短期売買の場合、余計な税金を取られる可能性があります。長期保有の方が、売却のリスクを軽減できますので、資産運用の基本である長期保有をお勧めいたします。
ワンルームマンション経営のリスク②~空室~
先に説明したとおり、ワンルームマンション経営は、空室率の増減によって大きく左右されます。 2013年度の賃貸住宅空室率は、全国で18.9%となっています。
関東地区の空室率が低く、その他の都市や地域はやや高めの数字が出ています。
ワンルームマンション経営をおこなう時は、このような空室率を含めて収支計算を行います。
そして、候補の物件が将来においても賃貸のニーズがあるかどうかを見極めなければなりません。
特に都市部以外の地方の物件を考えるなら、新たな鉄道路線開業や再開発計画、企業誘致や大学の移転といった情報などに常に注意して、候補地の将来の発展の可能性を考えるべきです。しかし、そういった将来の発展を考えても優位性があるのは東京23区・川崎・横浜といった限られたエリアになります。そのため、入居率98%という数字を維持することができています。
そして建物本体も入念にチェックしましょう。
「自分ならこの物件を借りたいか」という目線で、住居の設備や間取りだけでなく、キッチンやバス、洗面台などの什器や収納の充実度、建物の雰囲気、ポストや自転車置き場などの共有施設、最寄り駅やスーパーまでのアクセスといった利便性を詳しくチェックしてください。特に水回りのチェックは、慎重に行う必要があります。なぜなら、女性は水回りを気にするからです。できれば、女性に入居してもらえる物件を購入することがベターといえるでしょう。
ワンルームマンション経営のリスク③~金利上昇~
投資用ワンルームマンションを購入する時は、「不動産投資ローン」や「アパートローン」といったローン商品を利用します。
これらのローンは、取り扱う銀行により、融資限度額や金利、借り入れ期間、繰上げ返済などのルールが違っています。
また、一般的な住宅ローンとは違い審査が通りにくいことがあります。しかしながら、最近は不動産投資に力を入れている銀行も増えてきました。ご自身が使いやすい条件をしっかり選んで下さい。
特に金利は変動型が多く、借り入れから年月が経つに連れて利率が上昇する可能性があります。しかし、短プラは、ここ10年安定しています。金利変動を必要以上に怖がらずに繰り上げ返済でリスクヘッジしましょう。
仲介会社が使う非提携ローンは、金利が3%以上の高金利の商品が多く、収益が上がりにくいこともあるため、自己資金を多めに用意するか、繰り上げ返済をして返済総額を減らす努力をしなければなりません。
不動産投資専門の業者の場合、銀行と提携しているために1%~2%中盤の低金利で長期間借りることが可能です。購入の際、あっせんしてくれる金融機関を聞くことも大事です。その場合、キャッシュフローもプラスになります。原資を早めに確保し、繰り上げ返済で金利の上昇を回避することが可能になります。
ワンルームマンション経営の相談はプロへ
ワンルームマンション経営は、利回りのよい資産運用方法であることがわかっても、ローン返済や空室率の上昇、物価変動のリスクなどを考えると、やはり1人で決断して始めるには相当の勇気が必要かもしれません。特にローンの組み方や返済の仕方の情報は、なかなか出回っていません。
マンション経営を成功させるのもローンの組み方によるところが大きいです。ローンの組み方次第で、運用の良し悪しが決まるので購入前にしっかり確認しましょう。
もう1点、大事なポイントは、物件だけを見るのではなく、購入後のトータルプランを考えることが大切です。良い物件をバラバラ買うのではなく、将来の目標に沿って戦略的に買い進めていくことをお勧めいたします。購入後の再投資の戦略を含めて、戦略的に効果の出る方法を手段として選んで行きましょう。
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