第7回 投資用ワンルームマンションの市場と投資用ファミリーマンションの市場どっちが得?
市場動向を見極めながら、物件選びを
晩婚化や少子高齢化に伴い単身世帯が増加しています。マンション投資にチャレンジするなら、資金が少なくても始められる投資用ワンルームマンション経営が適しています。
投資用ワンルームマンション経営は、今や独身会社員のような個人でも始めることができるようになりました。
空室率が少ない物件を手に入れることができれば、コンスタントに家賃収入が得られ、物件を購入した時に利用したローンの支払いをしながら収益を上げることが可能です。
今後、首都圏においては都心でワンルームマンション発売が増加されることが予想されています。物件は、オリンピック会場に近い場所かリニア新幹線新駅付近といった資産価値の高い場所か、都内中枢区域への交通の便が良いなど、利回りが維持できるアクセスの便利な場所に発売される見込みです。市場動向を見極めながら、物件選びをすることが投資用ワンルームマンション経営成功のポイントになります。
初心者でも始めやすい投資用ワンルームマンション経営
低リスクで安定した利回りが期待できる不動産投資の中でも、投資用ワンルームマンション経営は、より少ない自己資金で始められるため、20~30代独身層の人達からも注目を集めています。2000年以降、リーマンショックのような経済危機がありましたが、そんな状況下でも不動産賃貸業は立地条件が良く手ごろな賃借料の物件なら安定した需要があり、空室の期間が長くなるリスクもさほどありませんでした。
この背景には、単身世帯の増加が考えられます。
国立社会保障・人口問題研究所が平成27年(2015年)9月4日に公表した「世帯動態調査」の結果を見てみましょう。
(世帯規模)(2014年度)(2009年度)(2004年度)
1人 25.0% 21.0% 20.0%
2人 31.8% 30.3% 28.7%
3人 20.1% 21.3% 20.6%
4人 15.1% 16.7% 18.1%
5人 5.5% 6.9% 7.9%
(国立社会保障・人口問題研究所 HPより 抜粋)
(*http://www.ipss.go.jp/ps-dotai/j/DOTAI7/kohyo/kohyo.asp)
調査によると、世帯規模が1人や2人の割合は2004年度よりも増加し、3人世帯ではほぼ横ばい、4人は3%ほどの減少が見られます。
晩婚化や少子化が進んでいること、そして4人以上のファミリー世帯では、賃貸料とほぼ同額ぐらいのマイホームを購入していることがうかがえます。
また平成22年度国勢調査では、東京都の世帯数は平成17年度調査と比較して、8.7%増加しましたが、1世帯あたりの人数は、区部において1.97人となり2.0人を下回っています。
以上のことから国内の都市部においては、単身世帯が増えておりワンルームマンションのニーズも高いことが予測できるのではないでしょうか。
ワンルームマンションの仕様や購入層について
ワンルームマンションは、時代とともに建物の品質や住みやすさなども良くなっています。
ワンルームマンションが誕生した頃は住居の面積は20㎡台でしたが、近年では30㎡以上の物件も発売されています。
ワンルームとはいえ、面積の広い物件は設備や什器なども充実しており、シングル世帯だけでなくDINKS(共働きで子どものいない夫婦)も住めるようなものもあります。
ですから投資用としてワンルームマンションを購入しても、将来オーナー様自身が住むことや売却がしやすくなる可能性にも対応できるため、初めてワンルームマンション経営をする人にとっても始めやすい環境が整っています。
投資用ワンルームマンションはどんな人が購入しているか
投資用ワンルームマンションの購入層データー見てみましょう。
◆職業別:
サラリーマン37%、医師・弁護士・会計士16%、会社役員15%、公務員11%
◆年収:
1000~1500万円 25%、801~1000万円 23%、800万円以下22%、2000万円超18%、1501~2000万円 12%
◆年代:
50代 41%、40代 33%、60代 14%、30代 12%
(「ワンルームマンション投資法」野中 清志著 週間住宅新聞社より抜粋)
購入層は30~60代までと幅広く、年収も800万円以下の人達が約2割います。
今や不動産経営は、企業だけでなく20代の独身層の人でも始めていることがわかります。
投資の対象はワンルームかファミリーマンションどちらが良いか?
マンション投資の物件には、ワンルームタイプとファミリータイプの2種類があります。
初めて不動産投資をするならどちらが始めやすく、リスクが少ないかといえば、ワンルームです。
ファミリーマンションは、ワンルームに比べると面積が広くキッチン、バスといった設備なども品質が高いものが多いので、その分購入価格は高くなります。
また、マンション管理費や修繕積立金などのランニングコストもワンルームに比べると割高になります。
そして、家賃はコスト高に比例して2倍、3倍になるわけではないので、投資効率がとても悪くなります。
また借りる人がかわる度に必要となるリフォーム代も高くなりますし、その間新しい人がすぐに住み始めることができない期間もワンルームより長くなります。
ワンルームは、居住者1人が満足すればすぐに入居が決まる一方、ファミリータイプは世帯主が満足しても、子育ての視点から考えた場合、近くにお友達が見つからない、通勤や通学に不便な立地だったり、周辺施設が充実していないといった理由で入居募集がさらに長引くリスクを抱えます。 空室率が高いリスクを抱えるのは、ファミリータイプです。
そして借り手がみつからない最悪の事態を回避するためにオーナー様ご自身が住めるかどうかを考えた場合、自分たちのライフスタイルに合わないため住むことができず、購入価格よりもさらに安い価格で手放さざるを得ない事態になってしまうこともありえます。
不動産投資は、あくまでも投資であることを十分に認識して物件を選ぶ必要があります。 自己資金の少ない初心者が不動産投資を始めるなら、やはり投資用ワンルームマンション経営から始める方が安心です。
首都圏のワンルームマンション供給事情
ここでバブル全盛期の1990年以降、現在までの首都圏におけるワンルームマンション供給状況を振り返ってみましょう。
1990年代当初は、ワンルームマンションの発売は首都圏全域に及んでいましたが、バブル崩壊後はその発売戸数は激減し、地価も大幅にダウンしました。
地価の下落を受けて、その後は都心部でワンルームマンションが多く発売されるようになりました。
やがて都心の地価が上昇したものの、家賃相場はさほど変わらなかったため投資用ワンルームマンション経営の利回りは低下しました。
利回りを上げようと2005年以降は、ワンルームマンションの発売が都心周辺へと移り変わってきています。
2008年では都内23区での発売シェアは70%以下となりましたが、その後は再び都心への戻りが出て2014年1~9月期では90%近くまで回復しています。
今後は再び地価や建築費の上昇が予想されるため、マンション供給立地が東京オリンピック開催エリアやリニア中央新幹線駅周辺などの資産価値が高いエリアと、利回りが維持できる都心周辺でアクセスのよい場所との二極化が進むと予測されています。
これから投資用ワンルームマンション経営を始めるなら、市場動向をよく見極めて収益を上げることができる物件を選ぶことがポイントになります。
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