東京の街レポート|第19回 東京都内の活気のある町は商店街がポイント

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東京の街コラム|第19回 東京都内の活気のある町は商店街がポイント

23区「住みたい街」に必ずある活気あふれる商店街

23区「住みたい街」

東京23区では、およそ2000の商店街があります。これは人口1万人につき、2.2カ所の商店街がある計算になります。

商店街といえば昔ながらの対面販売を思い浮かべますが、東京23区内にある商店街は、昔ながらの庶民的なものもあれば、規模が大きく世界から注目される賑やかな場所に立ち並ぶものまでさまざまです。
銀座や日本橋、表参道などにある有名店が立ち並ぶ「広域型商店街」から、浅草や東京スカイツリー、明治神宮付近の「観光型商店街」、秋葉原の電気店や神田の書店街、かっぱ橋の道具街といった「専門店街」などがあります。

商店街の特徴や利用するメリットは商店街によってさまざまですが、住まいを探している人にとっては、商店街の活気や雰囲気、充実度は場所選びの決め手の1つになると考える人が多くいます。

ここでは、東京で有名な元気のある商店街を紹介すると共に商店街の魅力について考えてみます。

人気のある商店街とその特徴

不動産関連情報サービスの会社がインターネットを通じて行ったアンケート結果によれば、1位は吉祥寺サンロード、2位はアメヤ横丁、3位は戸越銀座商店街、4位は吉祥寺ブロードウェイと中野ブロードウェイ、以下、築地場外市場、武蔵小山商店PALM、巣鴨地蔵どおり商店街、砂町銀座商店街、高円寺商店街、谷中銀座商店街となっています。

1位の吉祥寺サンロードは、吉祥駅北口正面にあります。
吉祥寺は住みたい街としても人気の高い場所ですが、その理由の1つに挙げられるのがこの商店街の良さと言われています。
近年チェーン店も増えましたが昔ながらのお店もあり、さまざまなジャンルの店が並びます。アーケードがあり雨でも濡れる心配はありません。土日には多くの買い物客でにぎわいます。

2位のアメヤ横丁は、JR御徒町駅と上野駅間の約500メートルに400店舗が集まった商店街です。
観光地としても有名で、多数の外国人が訪れます。年末には、正月料理の買出しでにぎわう様子が毎年テレビ中継されています。

3位の戸越銀座商店街は、東京一長い商店街で全長は1.3キロメートルあります。休日の午後は食べ歩きを楽しむ客で賑わいます。幅広い年齢層から支持されていますが、特に女性からの評価が高い商店街です。

このように東京にある商店街は、規模も大きく多くの人のニーズを満たすものが多くなっています。単に商品を販売するだけでなく、商店街が協力して面白いイベントを企画し集客に努めています。東京都もこのような商店街の活性化を後押しすべく、「東京商店街グランプリ」開催を始めとして、さまざまな支援を行っています。

商店街は街の顔。その発祥や役割について

商店街は街の顔

経済産業省によれば、商店街は「小売店や飲食店、サービス事業所などが近接して30店舗以上あるもの」と定義されています。
商店街の発祥は、安土桃山時代に誕生した楽市・楽座にまでさかのぼることができます。そして江戸時代に入り、街道沿いにできた宿場町、寺院が集まる門前町、明治前後になれば港や鉄道駅周辺などに誕生しました。当時から、人の往来が頻繁に行われているような場所に商店街は生まれています。店は、その地に住み着いた人の子孫が代々引き継いできました。

現在営業を続けている商店街の多くは組合を結成し、個々の店の従業員が協力して集客を上げるべくポイントカード制度や期間限定のセールを行っています。また商店街の従業員が共同で利用できる福利厚生制度もできました。個々の力を合わせて客を呼び込み、商店街全体の売り上げを伸ばしています。

商店街の役割は、物品販売やサービス提供だけではありません。
地域に代々住む人たちによって運営されている商店街は街の顔として、地域の問題解決活動も積極的に担うようになっています。

これまでの販売業務だけでは、近年台頭してきた大手チェーンストアや郊外にあるモールには勝てないことから、街の安全確保のためにパトロール活動を実施したり、職業体験施設として地元学生を受け入れることや、高齢者施設を商店街内に開設するなどして、近隣住民とのつながりを深めています。

街の顔として地域の役に立つ役割を積極的に担い、住民に信頼される商店街が東京23区内には数多くあり、これらの元気な商店街が町全体のイメージ向上に大きく貢献しているのです。
ハイテク化や近代化がますます進んだ現代社会において、人と人とのつながりを取り戻す動きをしている商店街には活気があふれ、地元だけでなく遠い場所からも人が訪れるようになっています。

商店街の活性化が住みやすさ向上のポイントに

近年、高齢化が進み人口の都市集中が見られる中、住民の数が減少しつづけるエリアでは、商店街の空き店舗化が進み、閉鎖に追い込まれることも多くなりました。

東京23区内では、若い世代の人口が流入しているというプラスの要因はあっても、近代的なショッピングセンターが次々とオープンしている環境で、商店街にとっても、価格や品揃えでは競争力が劣る個々の商店が利益を上げ続け、存続していくのは困難な状況です。

そんな状況下ですが、自治体からの助成制度などを利用し、次世代の若い商店経営者たちが地域住民との絆を深めるような商店街運営に取り組むことで、23区内の商店街は、今も元気に「街の顔」として毎日たくさんの客でにぎわっています。

このような商店街の存在が決め手となり、多くの人が移り住んでくれば、街はさらに活性化することでしょう。

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