東京の街レポート|第32回 杉並区は音楽とともに

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東京の街コラム|第32回 杉並区は音楽とともに

緑あふれる環境が生み出す豊かな杉並区の暮らし

豊かな杉並区の暮らし

杉並区は23区の西部にあります。
区の名前の由来は青梅街道沿いに植えられた杉並木ですが、現在その並木はありません。

杉並区は関東大震災後に多くの人が杉並に移り住んで以来、郊外の住宅地として発展してきました。
緑被率が23区3位という高さや人口密度が11位というデータを見れば、ゆとりがある住居が建ち並ぶ街だと想像することが出来ます。

杉並区は、震災後移住した人たちの中でも富裕層の人たちが、防災面を考えて都内の中心エリアに戻らずに、この杉並に留まり広い邸宅を構えて優雅な暮らしを送ったことに端を発しています。 戦前から作家や画家といった文化人も多く住んでいました。

主婦の就業率が23位で専業主婦の比率が最も高い街、シングルマザー率が低い、離婚率が23位、区内の高校卒業者の大学進学率が高いことからもわかるように、杉並区は東京の「山の手」を代表する住宅地の多いエリアです。

そして杉並区の魅力はそれだけに留まりません。

鉄道路線沿いには、安くて魅力的な店が建ち並び若者が多く住むエリアもあります。

有閑マダムだけではなく意外と若者も多い 杉並区の特徴

杉並区には、山の手代表エリアに匹敵する別の魅力があります。
専業主婦が多く、広い住まいでゆったりと優雅に暮らすのが杉並区の全てではありません。

杉並区に住む年齢別住民の割合で18~29歳の若者の割合は、男性が4位、女性2位、総合3位となっています。
このように数の多い若者は中央線沿線、吉祥寺、荻窪、西荻窪、阿佐ヶ谷、高円寺エリアに多く住んでいます。
これらのエリアには個性的な雑貨店、古着屋、古本屋やジャズ喫茶、ライブハウスなどが多く建ち並んでいます。
そして大きな商店街があり生活がしやすく、また新宿へのアクセスも乗り換えなしで移動できる利便性の高さがあります。

年齢や性別、既婚・未婚に関わらず、杉並区に住むメリットはたくさんあります。

昭和の高度成長期時代に生まれ育った人にとっては、広い敷地がある一戸建ての住まいで優雅に過ごすのが杉並のライフスタイルといえそうですが、20代の若者にとっては、音楽や古き良き文化、雑貨店に囲まれて、毎日刺激を受けながら生活が楽しめるのが杉並の魅力です。
この2つの特徴が杉並区を「住みたい人気エリア」にした理由と言えます。

このような2つの風土が受け継がれ上手く融合し、独特の杉並文化が生まれ育っています。
現在、杉並区では音楽を通じた街づくりに積極的に取り組んでいます。
設備の整った公会堂や毎年行われる音楽祭など、杉並区は「音楽が盛んな町」としてそのステイタスを築いています。
そしてアニメを地場産業の1つととらえ、その発展支援にも努めています。

音楽の町としてのステイタスを築くまで

音楽の町

杉並区を代表する音楽活動の一つに「荻窪音楽祭」ああります。
「21世紀の荻窪を考える会」が主催となりクラッシック音楽の演奏会を通じて、荻窪のイメージ向上に貢献してきました。

音楽祭は、荻窪駅周辺の銀行や協会、音楽スタジオ、喫茶店などのさまざまな場所で期間限定で行われます。
イベントは、ボランティア方式で運営スタッフを募って開催されています。
無償報酬のスタッフ以外に、街のバリアフリー化や音楽祭開催のスポンサーを募って音楽祭の開催資金を調達します。

運営側と演奏者に分かれて区民が一体となって開催する荻窪音楽祭は町おこしの一つとして、平成28年度で28回目を迎える一大イベントに成長しました。

荻窪音楽祭以外に有名な音楽イベントには、「阿佐ヶ谷ジャズストリート」があります。
1995年にスタートした当時は、小学校の体育館や企業のロビー、ライブハウスなどの13会場で行われましたが、現在は開催場所も60ヶ所以上と規模が拡大しました。
音楽の力で街を元気にするために始まったこのイベントも、地域住民によるボランティアで運営されています。

杉並の地場産業「アニメ」が凄い

杉並の地場産業

国際的にもクオリティの高い日本のアニメは、全国600ヶ所あると言われているアニメスタジオの内70以上がここ杉並区にあります。

アニメ産業関連会社が数多く杉並で創業した理由は「自分の住まいを確保したから」、「交通が便利だった」が多くなっています。
都心へのアクセスが便利だけでなく、緑あふれる静かで広い環境の中で制作に没頭しやすいのが杉並区です。

杉並区は、全国でも初めてアニメを区の地場産業と位置づけてその発展を支援しています。
2014年3月、鉄道路線の高架下に「阿佐ヶ谷アニメストリート」というアニメ関連のショップが集まった施設を開設しました。
また日本のアニメの歴史を紹介するアニメーションミュージアムもオープンし、展示だけでなくワークショップ開催やアニメの上映会など多彩なプログラムを提供しています。

またアニメウォークと称したまち歩きイベントもあります。
このイベントはアニメを造る側と見る側が相互に交流できる場として、アニメ産業の発展をサポートしています。

2001年より始まったアニメーションフェスティバルでは、シンポジウムや作品のコンペティション、上映会を開催し、区民や企業へのPR活動を行っています。
また杉並産学連携会議では、アニメ産業支援施設の誘致、フェスティバルの開催、アニメ関連の資料館、ミュージアム、人材育成機関の誘致、アニメの観光ルート化などといった政策の実施を決定しアニメ産業の発展をサポートしています。

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