東京の街コラム|第34回 一戸建てが実現できる街葛飾区
古き良き大家族が多いエリアは一戸建ての実現も可能な穴場の区

葛飾区が東京のどのあたりにあるのかわからない人でも、葛飾が下町を代表するエリアで人情あふれる町、一世帯あたりの家族の人数が多く、昔ながらの近所づきあいの深さがある場所だと知っている人は多いのではないでしょうか。
1968年からテレビドラマとしてスタートし、後に映画のシリーズとしてギネスブックにも認定された「男はつらいよ」は、東京都葛飾区柴又を舞台とした物語です。
この映画は1995年に公開された第49作目で幕を閉じましたが、この映画で葛飾区の地名や町のイメージが全国に広まりました。
葛飾区は江戸時代以降、幕府直轄の農村地として灌漑用水路が多く開削され整備が進んだおかげで、農耕地も増えて村が増え、大都市江戸の消費を支えました。
将軍家の鷹狩りの休息所として利用されるようにもなり、街道には人や物資が行き交うようになりました。
伝統工芸が生まれ商業が盛んに行われ、明治以降は水路を輸送手段や用水として利用し工業も発達しました。
かつて産業が発達した葛飾区は、現在その郊外において住宅地として開発が進む区として一戸建てを夢見る人たちの注目を集める区となりました。
一戸建て持ち家比率が36.2%と23区内1位である葛飾区は、今までの「人情の町」から「家が持てる町」へ変わりました。
下町文化の土台を築いた葛飾区の産業発展の歴史
葛飾区は江戸時代以降、幕府直轄の農村地として整備が進み村が増えました。
江戸川区、墨田区と共に東京の下町として商業の町として多くの人が集まり発展してきました。
その中から、江戸刷毛、江戸和竿、たわし、指物、漆器、羽子板、東京三味線、江戸刺繡などたくさんの伝統工芸が誕生しています。
また立地条件の良さを活かして工業地帯としても発展を遂げました。
太平洋戦争直後はおもちゃの製造が戦後の復興に大きく貢献しました。
現在、これらの商業と工業は機械化や合理化が進んだことや、大企業の区外や海外への移転などが進み、その規模は縮小しましたが、工場の数やその希少性などにおいては、国内有数の工業集積地域であることに、変わりはありません。
葛飾区にある工場では、工場の経営者の約7割、従業員の約半数が同区内に住んでいるというデータがあります。
江戸時代から続いた長い歴史の中で出来上がった「住」と「工」が一体となった形で工業が発展してきたことがわかります。
都内の他の区では、昼間、仕事をしにやって来て、夜は郊外の別の区に帰るというライフスタイルを送る人も多いのですが、葛飾区では自宅就業者の割合が23区でトップ、区内就業者の割合も3位で上位にランクインしています。
家族従業者の割合も5位と高くなっており、住まいの近くで家族と一緒に働くのが昔から続いた葛飾区でよく見られる光景だったということがわかります。
住む街としての葛飾区を考える

商業が盛んに行われてきた葛飾区の住環境や家族環境を示すデータをみてみましょう。
視聴者が映画を見て抱いた葛飾のイメージと実際の姿にはギャップがあるのかどうかは、次のデータを見ればわかります。
(国勢調査より、順位は割合の高い順)
・ 1人暮らし世帯の割合 23位 (37.8%)
・ 夫婦と子供世帯の割合 2位 (27.4%)
・ 4人以上家族の割合 2位 (17.8%)
・ 3世代世帯比率 2位 (3.15%)
これらの数字から言えることは、葛飾区は単身世帯の町ではなく、ファミリー世帯が多く住む街だということです。
・ 1住宅あたり居住室数 1位
・ 1住宅あたり延べ面積 3位
・ 1人当たり畳数 15位
・ 1室あたり居住人員 10位
1戸建て住宅は、そこそこ広いとはいえ、家族数が多いために一人当たりに換算したスペースは狭くなっています。
1戸建てマイホームを実現するために

工場がその数を減らしていることや、地代が安いことなどの理由から、葛飾区はこれからマイホーム、とりわけ1戸建てを夢見る若い世代にとっては、住む街として検討すべき第一候補の場所となっています。
この葛飾区には100㎡以下の家が62.5%を占めており23区内2位の比率の高さとなっています。
駅から10分も歩けば、3階建3000万円台の一戸建て物件が見つかります。
注意しなければならないのは、エリアによっては土地が住宅専用ではなく準工業地帯に指定されていることもあることです。
将来、近隣に大きな建物が建つ可能性も否定できないので物件を購入する時は、チェックは入念にしてください。
またすでに候補地周辺に工場があることも多く、音や人、車の往来などについても、曜日や時間を変えて何回も確認しておく必要があります。
現在、一戸建て購入エリアとして有望な場所の1つに、京成立石、青砥周辺があげられます。
葛飾区役所がある場所ですが、京成押上線は都営浅草線との乗り入れをしているので、日本橋、新橋といった都心へ直結できるアクセスのよさがあります。
また都営浅草線も京浜急行本選と乗り入れを行っており、羽田、神奈川、成田方面へも移動が便利です。
このエリアは国道6号線、環状7号線も近く、車で買い物や食事に出かけることもできます。
商店街も活気があり買い物にも便利です。
20~30代の子育てファミリーにとって、葛飾区は1戸建ての夢がかなうエリアの1つです。
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