東京の街コラム|第7回 品川区エリアのマンション経営は女学生をターゲットに
駅の西側と東側で違った顔を持つ品川エリアの特徴
東京特区エリア別参考にすべき情報、第3回は品川エリアです。品川駅を基点として周囲1km内でマンション経営をする際に参考になる数字、情報をご紹介します。
品川駅の2014年度の1日平均乗車人員は342,475人です。これは全国で6番目の多さになります。駅周辺は西側に高輪口、東側に港南口があり、出口によって全く違った顔を持っています。
高輪口は目の前の品川プリンスホテルを筆頭にいくつかの大きなシティホテルがあり、その先には住居専用地域が広がっています。品川駅周辺というと、ホテルやオフィスビルが立ち並んでいるといったイメージもありますが、今回の観測範囲である品川駅周囲1kmで見ると、実はその3分の1強が住居地域となっていて、そのほとんどがこの高輪口に集中しています。
反対口である港南口は、商業地域と準工業地域(主に軽工業の工場やサービス施設が立地する地域)がほとんどを占め、旧海岸通りを挟んで準住居地域(自動車関連施設沿道サービス業と住宅が調和して立地する地域)となっています。
港南口は昭和の頃は工場や倉庫が軒を連ね、それ以外は空き地が大部分を占めるという状態でした。平成に入り再開発が行われるようになり、現在では、準住居地域には多くの高層マンションが立ち並ぶ地域へと変貌を遂げています。
今回も以下の5つの情報を基に、品川エリアでのマンション経営に役立つ情報を見ていきます。
・国土交通省 地価公示
・周辺施設(銀行、警察、病院等)
・交通環境・ショッピング環境の情報
・教育施設(大学、専門学校)
・年齢別人口統計
地価公示額は2013年から順調に上昇中
まずは、国土交通省が発表している地価公示をみていきます。品川エリアの2015年の地価公示は2,270千円/㎡となっています。これは今回ご紹介する7つの特区の中では、それほど高い数字ではなく、上から5番目となっています。
2008年には2,435千円/㎡でしたが、その後下降を続け、2012年には1,835千円/㎡まで下落しました。しかし2013年からは一転して上昇を始め、3年連続で右肩上がりにアップを続け、2008年の地価公示額に近づいています。
観測範囲内で、地価公示額が極端に高い場所や低い場所はありません。駅周辺から離れていくに従って、地価公示額が下がっていくということもなく、おしなべて近い金額となっているようです。
品川エリアの周辺環境-1-(銀行、警察、病院等)
銀行や郵便局などの金融機関、警察、病院等の数は他の特区地域に比べて若干少なめです。特に警察、交番、大きな病院等は品川駅から徒歩で約10分以上かかる場所にしかありません。
銀行に関しては、基本的にはコンビニでも間に会いますが、個人向けのマンションであれば銀行の数が少ないことがそのままマンションの価値を下げるということはありません。ただ事務所などビジネス向けのマンションとなると、やはり銀行が近くにある方が価値は高まりますし、できるだけ駅の近くの物件の方が良いということになります。
また病院に関しては、観測範囲の1kmを越えた付近には複数存在します。場所的には住居専用地域にも重なりますので、これも大きな問題はないと考えます。
品川エリアの周辺環境-2-(交通環境・ショッピング環境)
続いて品川エリアの交通環境、ショッピング環境を見ていきます。品川駅自体は山手線内の駅ですから、基本的に交通の便は良く、関東近県の主要な場所への移動にそれほど多くの乗り換えを必要としません。特に横須賀線、京急などがあることで、神奈川方面へのアクセスは非常に便利です。
品川駅に停車する電車は山手線、京浜東北線、東海道線、上野東京ライン、常磐線、横須賀線、総武線。そして新幹線があります。また私鉄は京急が走っていて、地下鉄は浅草線と南北線、三田線があります。
バスは品川駅発着として横浜京急バス、東京空港交通、JR東海バス、JRバス関東、JRバス東北など近距離から長距離まで対応しています。
また観測範囲を若干超えた付近には、首都高1号羽田線があります。飛行機や新幹線も含め、遠距離への移動という点でも、品川エリアの交通環境は充実していると言えます。
ショッピング環境は品川駅に併設されているアトレ品川の他、駅周辺ではウィング高輪ウエスト、京急ストアなどがあります。他にもホテル内のショッピングエリアや住居地域周辺には、大小いくつかのスーパーがあります。また観測範囲を少し離れてしまいますが、港南口方面には天王洲アイルもあり、週末は家族連れなどで賑わっています。
品川エリアの周辺環境-3-(大学、専門学校)
品川エリアの周辺環境、最後は大学、専門学校などの教育機関です。品川エリア観測範囲内にある大学は、清泉女子大学の他、東京海洋大学品川キャンパス、東海大学高輪キャンパス、明治学院大学白金キャンパスがあります。
専門学校は観測範囲内にはありませんが、その範囲を少し越えた付近には、美容、保育、医療、自動車整備など各種専門学校があり、多くの生徒が通っています。
冒頭でも言及しましたが、品川エリアは高輪口と港南口でそれぞれ特徴的な顔を持っています。住居地域を多く持つ高輪口ですが、こちらには古くからの寺院やミャンマー、セルビア、モーリタニア・イスラムなど大使館も多く、大型シティホテルや高層マンション群が立ち並ぶ中、閑静な雰囲気も色濃く残っています。
品川エリアの年齢別人口統計、多いのは30~40代の男女
最後に品川エリアの人口統計から、どの世代が一番多く住んでいるのかを見ていきます。まず人口分布ですが、港南口では芝浦中央公園。高輪口では大使館が密集している北品川5丁目付近は300人~500人。そして同じ高輪口の清泉女子大学周辺、東京マリオットホテル周辺が1,000人~2,000人となっています。この地域を除けばそれ以外は、2,000人以上の住民が住んでいます。
次に年齢別の人口統計ですが、男女どちらも40歳~44歳が一番のボリュームゾーンとなっています。次いで35歳~39歳、45歳~49歳の男女が続いています。
女性は20代と50代にそれほど大きな差はありませんが、男性は50代に比べ20代がかなり少ないという結果が出ています。これは2000年代以降の品川駅周辺の再開発により、大きな企業の本社が移転してくるなどした影響も大きいようです。トータルでは、女性が若干多いようですが、ほぼ同じと見ても問題はありません。
品川エリア、マンション経営のねらい目は女子学生と40~50代の男性単身者
品川エリアは、再開発により、高層マンションやオフィスビルが乱立したことで、それ以前とは大きく変貌を遂げています。今回の数字から見た品川エリアの傾向は、学生向けであれば女性をターゲットにした物件がおすすめです。男性が通う大学がないわけではありませんが、年齢別人口統計を見る限り、20代の男性は20代の女性に比べ極端に少ないため、この周辺の大学に通う男性は別の地域に住んでいることが予測できます。
男性であれば、学生向けではなく、40代~50代の単身者向けマンションが狙い目となります。この地域に本社移転をする企業はまだ増えていく傾向があるため、今のうちに投資しておけば安定した家賃収入が見込めます。
高輪口の住宅街が広がっている周辺では、ファミリー向けのマンションも少なくありません。ただ私がこのコラムで何度もお伝えしているように、ファミリー向け物件は、退出した後に、次の入居者がなかなか決まらない可能性があるというリスクがあります。
それに比べれば、毎年新入生が確実に入ってくる学生向けや、地方出張への交通の便にも最適で、今後も増えていくであろう企業の単身者向け物件の方が、成功する確率は高いことは間違いありません。
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